【後編】「フェイク広告問題」から考えるアフィリエイトの未来

藤田 純

売れるネット広告社 執行役員 メディア部 最高責任者の藤田純(ふじたじゅん)です。
クローズアップ現代でも特集された「フェイク広告問題」の煽りを受けて、過剰に効果効能を謳うアフィリエイト仕切りの運用型広告の出稿量がどんどん減っておりますが、ここ数年のアフィリエイト広告の主軸は明らかにアフィリエイト仕切りの運用広告でした。

前編では「アフィリエイト広告の現状」についてお話させていただきました。後編の今回は、前編を踏まえて「これからのメディア構築」についてお話しさせていただきます。今後、アフィリエイトのトレンドはどうなっていくのか。前編に引き続きSEOのプロ、Faber Company マネージャーの安澤さんにお話を伺ってみました。

【前編】「フェイク広告問題」から考えるアフィリエイトの未来
https://ecnomikata.com/column/22535/

これからのメディア構築で重要な点とは?

藤田:これからのメディア構築で大事にされている点はありますか?

安澤:大事にしているのは「一次情報」です。一次情報というのは、自分が実際に目で見て体験した情報ですよね。Webから得た情報は二次情報・三次情報じゃないですか。

結局は情報があいまいだったり、正確ではなかったり、感情がなかったりとか。少しフェイク広告とも似通っていますが本当の情報かどうか不明瞭だったりしますよね。なので、しっかりと実地調査をおこなうことで他のサイトと大きな差がでます。実際に現場に行ったり、取材したり、調査したり、体験したり。そういうことを徹底していくことでメディアの信頼度もぐっと上がります。

藤田:フェイク広告と真逆の戦略をいっていますね。まっとうじゃないと勝てない。それが顕著になっていて、まっとうにやっていた人が勝てるという時代が来るんですね。

安澤:まさにそうですね!ユーザーのことをどれだけ本気で考えられるかがカギです。基本的にユーザーが必要としている情報は網羅しておくべきなんですけれども、それにプラスアルファで自分の体験とか経験をコンテンツ内に掲載する。そうすることでリアリティが出て、みんなに読まれる「コンテンツ」になります。

逆にリアリティや信頼性がないとユーザーがすぐに離脱したり、ユーザー体験を損ねることにつながります。それが結果的に順位の上がらない要因にもなりますね。

藤田:一次情報を大事にするということは、ブランディングにもつながりますね。全部繋がっていますね!

安澤:会長である古澤(株式会社Faber Company 代表取締役 古澤暢央)の話なんですが、過去に結婚相談所のアフィリエイトメディアを作っていました。メディアを作っていく際に一次情報をキャッチアップするために実際に結婚相談所に取材に行き、様々な実地調査をしに行ったんです。

取材を進めていくうちに、情報の非対称性に気付いたんです。そこで、結婚相談所に加入する潜在ユーザーがどんな情報を欲しているかを徹底的にコンテンツ化しました。結果、多くの送客に成功し、広告主の満足度が非常に上がったという過去があります。つまりは、対話から生まれる情報から真の課題に気付き、それがオリジナルの情報となっていくんですよね。

藤田:確かにその通りですね。実際に聞きに行かないとわからない情報。

安澤:今では商品レビューなど、オリジナル性を発揮することは一般的になってきていますがそこからもう少し踏み込んでみる企画力が大事になります。

商品をレビューするのはどのメディアでもやっており、今となっては差別化が難しくなってきてますよね。そこから抜きん出るにはどうしたらいいのかを考えるべきですね。商品の担当者に直接取材に行くのはもちろんのこと、他のメディアではおこなっていない企画力は大事ですね。

藤田:根拠のない謎のランキングサイトより断然良いですよね。そういえば最近ランキングサイト自体、上位から消えましたね……。

安澤:クエリによってはまだまだ存在するとは思いますが、検索意図により上位表示されるコンテンツが変わるので、以前よりは見なくなったという印象を持たれる方も多くいらっしゃるかとは思います。

藤田:ランキング型だけではなく体験型コンテンツも意識しないといけないということですね。ということはまだ、狙えるワードはたくさんありそうですね。売れるネット広告社の案件であればコスメ案件など。

安澤:コスメであれば狙いやすいかもしれないですね。

藤田:使い比べてみた、みたいな。コスメであればブランディングしやすいかもですね。InstagramとかFacebookも活用できますし!

安澤:そうですね!SEOのみならずどのチャネルでどのような戦略を立てるのかは常に意識していきたいところです。

ちなみに、「SEOは何のためにあるか」も意識できるといいかと。SEOは、情報の非対称性を埋めるということや、検索ユーザーのサーチコストを下げるためにあります。

検索ユーザーって、何か知りたいときに答えを的確に教えてくれるサイトに辿り着きたいわけじゃないですか! 言い換えれば最小の労力で選択肢を集めて比較してベストな提案ができるメディアを求めているといえます。選択肢と判断基準を提供する、これはすごく大切な考え方です。

藤田:普段考えない本質ですね。

安澤:いざ自分が検索体験を遡ってみても分かると思うんですよね。知りたいことと書いてあることにギャップがありすぎて全然このメディア役に立たないなぁとか。

藤田:一時期多かったですよね。まとめ記事が乱立していて。

安澤:2017年の大幅アップデート以降、検索結果が大幅に変わりましたね。ただ単にまとめ記事にするのではなく、数ある選択肢から自分にとってベストな選択肢を提案するメディアは素晴らしいですね!

他にもやれる要素はいっぱいあると思いますよ。伝える力を磨くとか。例えばこれは「マッキンゼー流プレゼンテーションの技術」という本の一部なんですけれども、この文章を読んでみてください。


シャーリーちゃんへ

先週の土曜日に、あたしが公園で男の友だちと遊んでいるときにやって来て、私がむこうを向いている間にかれにチュをしたでしょ、まだ覚えていますか。それから、日曜日にうちに来たとき、ママがお昼にツナサラダをつくってくれたとき、「ウェッ!いままで食べたなかで一番まずい」って言ったでしょ。それにきのう、あたしの猫が足にふれたからって、猫のことをけとばして、犬のモンスターをけしかけるっておどかしたでしょ。

だから、上の理由によりあなたのことがきらいだから、もう友だちづき合いをやめたいです。 

ルーシー

藤田: 途中で読むのをやめたくなりますね(笑)

安澤:これをわかりやすく伝えるとこうなります。


シャーリーちゃんへ 

あたしはあなたがきらいです。その理由は以下のとおりです。

1 あたしのボーイフレンドをとったから。
2 あたしのお母さんをバカにしたから。
3 あたしの猫をこわがらせたから。 

 

どうですか?だいぶわかりやすくなりましたよね?

藤田:なるほど!一発で、友達付き合いをやめたいと言った理由がわかります。

安澤: このように受け手にとってわかりやすい言葉で的確に伝える技術も持ち合わせないといけませんね。

藤田:ちなみに、コンテンツを作るうえで、狙い目のキーワードはありますか?

安澤:狙い目のワードというのは存在しないというか、徹底的にそのサービスや商品の理解を進め、一次情報を得ることで見つけることが大事だと思ってます。少しだけ趣旨とずれますが、人が「めんどくさい」と思うところにチャンスがあったりします。

藤田:「めんどくさい」があるから、そこに対応できるものを作ることでビジネスチャンスが生まれるということですね。

安澤:まさにそういうことです!簡単にできるものは誰もができるので、参入の敷居が低くライバルから抜きん出ることは難しいですよね。

藤田:確かにビジネスってそういうもんですよね。

安澤:世に出ているサービスを見ても人々の「めんどくさい」をなくすっていうサービスが多いじゃないですか!

藤田:チャットワークもそうですよね、メールが「めんどくさい」。テレアポしたくないって言ったら代行会社がいっぱい存在しますし。

安澤:メルカリもそうですね!オークションは取引に手間がかかる一方で、スマホ一つで操作やルールがシンプルなメルカリはストレスなく取引できるサービスの一つですね。カーシェアも同様です。レンタカー屋さんにわざわざ行って必要情報を記入して契約書を読んで……、というのがとにかく「めんどくさい」!

あらかじめスマホで予約をしてカードをピッとするだけで、すぐ車に乗れる。とても楽ですよね。

藤田:確かに世の中のサービスを見返すとその通りかもしれません。
そこに当てはめてメディアを作る意識をするといいかもですね。

安澤:ビジネスもメディアも考え方は一緒ですよね。

藤田:フェイク広告の影響で運用型広告アフィリエイトが少なくなっている今、今回お話しいただいたように、一からまじめにコンテンツを作っていけば、今後まっとうで確かなメディアがインターネット上に増えていきますね。

そこにマッチしたまっとうな広告物を掲載すれば、誰もがハッピーな世の中になりそうです。そこを一緒にグロースさせていく取り組みを売れるネット広告社でもおこないたいなと思いました。Faber Companyさんはよくセミナーもされてますよね?

安澤:はい。アフィリエイターさん向けにセミナーをよく開催させていただいております。みなさん初めはポカンとしますよ(笑)メディア運営をするにはここまで徹底的にやんないといけないんだって!逆にやる気に満ち溢れる方もいますが。もっとユーザーのことを真摯に考え抜けるアフィリエイターさんが増えることを切に願ってます。

対談を終えて

今後のアフィリエイトのトレンドを主にSEOの観点から伺いました。

「ユーザーが求めるものを分かりやすく最適なタイミングで伝えることが重要」と考えると当たり前な結論に至りましたが、昨今ですと利益を追求するあまり本質とかけ離れてしまった広告も多く見受けられます。

ユーザーファーストで広告を出稿することが今後のアフィリエイトのトレンドになることは間違いないと思いますので、アフィリエイトに限らず売れるネット広告社でもその流れにしっかりと沿っていきたいなと思いました。

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著者

藤田 純 (FUJITA JUN)

1988年静岡生まれ。専修大学経営学部経営学科卒業。
大学卒業後某ASPに入社、ASPの企画経営職として、500社以上のアフィリエイトを中心としたネット広告戦略に携わる。
入社三年目には実績が認められ歴代最年少で営業課長に抜擢される。
現職では取締役 COOメディア部最高責任者を務める。
プライベートでは上京してから一貫してFC東京を熱烈に応援している。

売れるネット広告社2017年上期「MVP賞」受賞。
通販エキスパート検定1級(通販マネジメント編)取得。


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