企業のSNS施策で最も活用されているのはYouTube

ECのミカタ編集部

企業のWebマーケティングを支援している株式会社Faber Company(ファベルカンパニー/本社:東京都港区、代表取締役:稲次正樹、古澤暢央)は2021年10月12日、ネットリサーチを利用して実施した「マーケ担当のSNS活用実態調査」の結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

調査対象:事前の調査で企業のマーケティング担当と回答した465名
調査期間:2021年9月3日~2021年9月6日
調査手法:インターネット調査

企業がマーケに活用しているSNSは?

企業がマーケに活用しているSNSは?

事前の調査で現在の職種が「マーケティング関連」と回答した人に、担当する商品やサービスのマーケティング活動に活用しているSNSを聞いたところ、最も多かったのは「YouTube」の26.7%だった。

次いで「Twitter」が25.6%、「LINE」「Instagram」が23.4%、「Facebook」が21.7%となった。また「SNSは利用していない」は28.2%にとどまっており、7割以上の企業が何らかのSNSをマーケティング活動に利用していることが判明した。※複数回答可能。

業態別、活用しているSNS

業態別、活用しているSNS

業態別で見るとBtoB企業では「YouTube」の割合が28.9%と最も高くなった。「BtoC(CtoC含む)」では「Twitter」が33.9%、「EC」では「Instagram」と「YouTube」がともに35.7%となっている。

BtoBで「YouTube」でノウハウ系の動画が多数投稿されており、BtoCはユーザーとのコミュニケーションやバズが起きやすいため「Twitter」なのではと分析している。

「EC」は商品画像などを投稿する「Instagram」や商品の使い方を投稿する「YouTube」が多く利用されているようだ。※複数回答可能。

最も効果が高いと感じるSNSは?

最も効果が高いと感じるSNSは?

マーケ施策に活用しているSNSのなかで「最も効果が高い」と感じるSNSは「YouTube」で16.7%、「Twitter」が15.9%と続いた。業態や業種別では異なる結果で、BtoBでは「YouTube」が20.7%、「BtoC(CtoC含む)」では「Twitter」が22.3%、「EC」では「LINE」と「Twitter」がそれぞれ18.2%となっている。

また「情報・通信」や「製造業・メーカー」では「YouTube」がそれぞれ33.3%、25.9%と多くなり、「飲食・小売り」や「不動産・金融」では「LINE」がそれぞれ27.3%、29.2%となった。

「YouTube」は業種業態問わず幅広く効果を発揮しており、「LINE」は消費者向けの商品やサービスを展開している企業で効果を実感している割合が高いようだとしている。

6割以上がSNS運用を外部へ委託

6割以上がSNS運用を外部へ委託

広告出稿を含むSNSの運用体制を聞いてみると、「すべて外部に委託している(企業やフリーランスなど)」が19.2%、「一部は社内で運用している(外部委託と社内のハイブリッド)」が42.7%で、合計すると61.9%が運用の全部または一部を外部へ委託していることがわかった。

業態別で見ると「EC」では84.8%が運用の全部または一部を外部へ委託していた。また業種で見ると「不動産・金融」では75.0%が運用を外部委託しており、他の業種に比べてやや高くなった。一方で「飲食・小売り」は48.5%、また「サービス関連」も39.4%と外部への委託割合が比較的低い傾向であることがわかった。

6割強でSNS人材が「足りていない」

6割強でSNS人材が「足りていない」

自身が担当している商品やサービスにおいて「SNS人材」が足りているかどうかを聞くと「足りていない」が64.9%、「十分足りている」が35.1%となった。業態別で見ると「BtoC(CtoC含む)」では72.8%が「足りていない」と回答した。業種別では「サービス関連」では75.8%でSNS人材不足を感じているようだ。

またSNS人材の獲得方法として最も割合が高かったのは「既存社員の抜擢・異動」で37.7%だった。「人材紹介」が27.2%、「求人広告」が25.9%と続いた。特に「BtoC(CtoC含む)」では50.5%が「既存社員の抜擢・異動」となっており、高い比率となっている。一方で「フリーランス・副業人材の登用」も26.2%と、さまざまな方法でSNS人材の獲得を行っていることがわかった。

業種別では「飲食・小売り」で「既存社員の抜擢・異動」が48.5%と他に比べて割合が高かった。「製造業・メーカー」や「不動産・金融」では「リファラル採用」も積極的に活用されていた(各34.5%、33.3%)。

効果が高いSNS施策、一方で課題も

調査結果にあるように、業態別のSNS活用動向では、BtoBは「YouTube」、BtoCは「Twitter」、ECは「インスタ」と「YouTube」という結果となった。最も効果が高いと感じるSNSは「YouTube」、次いで「Twitter」で業種や業態で差異があった。

また6割以上が広告出稿を含むSNS運用の全部または一部を外部へ委託しており、6割強でSNS人材が「足りていない」と回答した。SNS人材の獲得方法は、「既存社員の抜擢・異動」が多かった。

SNSを活用した施策は導入する企業も増加傾向にあり、今後は競争が激化する可能性が高い。とはいうものの、人材不足に悩みを抱えている企業も多いようで、将来を見据えた人材採用や育成、あるいは外部リソースの活用など、さまざまな「選択肢」を用意しておくのが得策といえそうだ。

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