Shopeeアカウントマネージャーが語る、東南アジア・台湾の人気商品とトレンド

ECのミカタ編集部 [PR]

越境ECの新たな販売先として注目が集まる東南アジア。気候条件や文化の異なる市場では、どのような商品が好まれるのか? 海外進出を目指す事業者にとって大いに気になるポイントだろう。

今回は東南アジア向け越境ECプラットフォーム「Shopee」で出品可能な5つのマーケット(シンガポール、台湾、タイ、マレーシア、フィリピン)における人気の商材をピックアップ。ショッピージャパン株式会社 キーアカウントマネージャーの張フランク氏と宮本ヤニサ氏に、各地域の事情を交えながら紹介してもらった。

Shopeeの最前線からトレンドを紹介

――Shopeeのサービスについて教えてください。


宮本氏:当社は東南アジアと台湾向けのECプラットフォームを提供しています。成長する東南アジアEC市場における主要なチャネルとして、多くの日本企業様にご利用いただいています。

現在、日本のセラー(出店者)様向けにはシンガポール、台湾、タイ、マレーシア、フィリピンの5つのマーケットが開放されており、初期費用や維持費は無料で海外のマーケットに商品を出品することができます。

――お二人の自己紹介をお願いします。

フランク氏:私は中国出身で、Shopeeに入社して以来、キーアカウントマネージャーとして売上の大きいセラー様をサポートしています。セラー様対応の最前線に立っていて、商品のトレンドの動向を日々ウォッチしています。

宮本氏:私もフランクと同じチームで、セラー様の売上を伸ばすためのアクションや、日々のトラブル対応などをサポートしています。出身はタイです。日用品を扱う商社様から、自社ブランドの化粧品やベビー用品を出品されている会社様など、さまざまなクライアントを担当しています。

人気の三大ジャンルはコスメ・食品・ホビー

――日本からの越境EC販売で人気の商品カテゴリを教えてください。

フランク氏:5つのマーケット共通で売れているのが、美容・コスメと食品ジャンルです。近年では、アニメやゲームに代表される日本のホビー関連商品も伸びています。


――マーケットごとの特徴や売れ筋商品を教えてください。

宮本氏:台湾で特徴的なのが電化製品です。台湾国内の電圧が日本と近いこともあり、使いやすいのが理由です。他にも台湾では中古のハイブランドのニーズも高く、平均購買単価が高い傾向にあります。

東南アジア屈指の消費力を持つシンガポールでは、化粧品、サプリメントやベビー用品が強いです。とくに富裕層の間では「子どものために品質が優れたものを使いたい」という声が多く、日本製品が選ばれています。
またタイでは化粧品の他、中古品やヴィンテージ品への需要が高く、中でも日本の中古入ブランドや中古カメラは口コミでも高評価を獲得しています。

マレーシアもシンガポールにトレンド傾向が近く、化粧品や健康食品が人気です。フィリピンでは『鬼滅の刃』や『デジモン』などのアニメ関連のアイテムも注目されています。


――日本の事業者と相性の良いカテゴリは何ですか?

フランク氏:日本のドラッグストアやスーパーマーケットで買える商品は越境ECと相性が良く、日本で売れている商品は、ほぼ全てがポテンシャルを秘めています。出品前に「常識的に考えて売れるわけない」と思われていた商品でも、いざフタを開けてみたら現地で大ヒットしたケースも多いです。

その代表格がハウス食品の「ジャワカレー」です。カレー文化の根強い東南アジア圏でも、自分たちが日頃食べているのとは別物の“まろやかな日本のカレー”として重宝されています。

宮本氏:Shopeeのユーザーは若い女性が多く、その層をターゲットにした商品は特にチャンスがあります。現地の消費能力に見合った、高単価すぎないアイテムが好まれる傾向にあります。

一方で台湾ではパウダー以外のサプリメントが禁止されていたり、シンガポールでは電化製品の取り扱い規制が厳しいなど、地域ごとにルールが異なるカテゴリもあるので、販売する商材に適したマーケットを選ぶことが大切です。

人気商品5選 -美容・コスメ編-

――ここからは、各国共通で人気の「美容・コスメ」「食品」「ホビー」の3カテゴリについて、具体的な品目をもとにトレンドの紹介をお願いします。

宮本氏:「資生堂 ビューティーアップコットン」は、日本のドラッグストアで買えるコットンパフです。「化粧水を吸収しすぎない」と現地の口コミが良く、Shopeeで販売しているセラー様も少ないのでおすすめです。

フランク氏:こういった低単価の商品は送料が割高になりますので越境ECでは売りにくいイメージがあるかもしれませんが、セット販売などで“送料負け”しない工夫次第で売れるチャンスが十分にあります。

宮本氏:「ユニ・チャーム ソフィKiyora」はマレーシアやシンガポール市場におすすめしています。「ソフィ」ブランドは現地でも販売されていて知名度があり、コスパも良好。こちらは日本でしか手に入らないモデルということで特に人気です。すでに海外展開しているブランドでも、Made in Japanバージョンは品質が良い印象があるので有利です。

「ジャパンコスメニティ 炭洗顔フォーム」は富士山へ旅行する良好する観光客に、よくお土産として買われている商品です。暑い地域の多い東南アジアでは、ボディケア・スキンケア商品は一定のニーズがあります。

「ポーラ リンクルショット メディカル セラム N」は日本でも人気の基礎化粧品です。1本で1万円を超える高単価の商品でも、コンテストで賞を獲得しているなど、品質にエビデンスのある商品は購入されやすいです。現地KOLがピックアップしているケースも多く、Before/Afterで使用感を表現している事例をよく見かけます。

フランク氏:今回は基礎化粧品をピックアップしましたが、口紅やアイシャドーといったメーキャップ化粧品も、メジャーなブランドを中心にニーズは高いです。

宮本氏:「ヘアレシピ 和の実つるんシャンプー&トリートメント」は実際に私も使っている商品です。ノンシリコンという品質の高さと、お米を模したかわいいパッケージデザインがウケて、台湾やシンガポールなど平均単価が高めのマーケットで売れ筋になっています。

人気商品5選 -食品編-

宮本氏:食品カテゴリで最初にご紹介するのは「石屋製菓 白い恋人」です。品質への信頼がある日本の食品の中でも、特に「北海道」は海外の人たちにとってブランドになっています。お土産の代表格として知られる「白い恋人」は、台湾やシンガポール市場におすすめです。

フランク氏:お土産として販売されているものは海外では非常に人気があり、私も友人に「白い恋人」のことをよく聞かれます。

宮本氏:「カルビー じゃがポックル」は、私が帰国するたびに、友人からお土産として買ってくるよう頼まれます。適度に太いスティックタイプのポテトスナックは東南アジアでは少なく、その独特の食感が現地の口コミでも話題になっています。

フランク氏:続いてはラーメンです。ラーメンは日本を代表する食文化のひとつで、ここで紹介しているのはほんの一例です。カップ麺については、ラーメンだけでなく「日清のどん兵衛」などのそば・うどんも注目されています。あとは「一蘭」や「蒙古タンメン中本」といった有名店の名を冠した商品も人気です。

「味の素 AGF」のインスタントコーヒーは、味の素が優良企業というイメージがあり、日本のコーヒーは飲みやすく、食品安全性へのイメージも良いです。

宮本氏:このブランドだけでなく、日本のスーパーマーケットで売られているコーヒーは大体が人気です。インスタントの他にドリップコーヒーや紅茶系のフレーバーも台湾を中心に売れ筋です。

フランク氏:そして「ハウス食品 ジャワカレー」に代表されるカレーですね。カレーだけでなく、漬物などご飯のお供や、変わったものでいえば「いかめし」もShopeeで販売されています。

宮本氏:ご飯を食べる文化のアジア圏においてカレーは外せません。「ジャワカレー」は日本では比較的スパイシーな部類に入りますが、東南アジアでは「まろやかでおいしい」という評価です。自宅で調理する際、国ごとに使う具材が違ったり、スパイスを加えたりとご当地アレンジが入るのも面白いポイントです。

人気商品5選 -ホビー編-

フランク氏:ホビーのカテゴリでまずピックアップしたのが「任天堂 モンスターボール Plus」「任天堂 amiibo」といったゲーム関連のアイテムです。ゲームとリアル玩具が連携するToys-to-Lifeは、現地で再度ブームが来ています。Shopeeには20代から30代以下の若いユーザーが多く、巣ごもり需要によって現地でのゲーム人口が増加していることが人気の理由です。

宮本氏:ここ数年で「Nintendo Switch」本体がヒットしたのを受けて、それに合わせて関連デバイスや中古ソフトの市場もにぎわっています。特典が付いた日本限定版などは特に人気です。アニメ関連ではフィギュアなどのグッズ系が中心です。逆にDVDはコピーライトの問題があり販売が難しいケースが多いです。

フランク氏:「象印マホービン」の商品は、暑い日の多い地域特性から、冷たい飲み物を持ち歩けるステンレスマグは重宝されています。「象印マホービン」ブランドは台湾などでも認知度が高いです。

宮本氏:現地の学生たちが冷たい飲み物を入れて学校に持って行く文化は、私の子どもの頃からずっと続いています。

暑い東南アジアでは、ホットコーヒーよりもアイスコーヒーが好まれます。「HARIO フィルターインコーヒーボトル」に代表される水出しコーヒーの文化は、もともと現地にはありませんでしたが、日本でのヒットを受けて、人気が高まりました。

フランク氏:最後に紹介するのが今世界中にも注目されているトレーニングカードです。例えば「ポケモンカードゲーム ソード&シールド」ですね。予約時点で即完売が続出するアイテムで、1日に100万円以上の売上を作るセラー様もいらっしゃいました。

海外よりも日本国内の方が発売が早いため、1日でも早く新シリーズを入手したいファンが常に注目しています

宮本氏:トレーディングカードは中古よりも新品の方が盛り上がっていますね。日本から発送されるので、偽物のリスクが低いという信頼性への期待もあります。

フランク氏:アニメ関連グッズは一大ジャンルとして確固たる地位を築いた感はありますが、ポケモンカードは近年特に注目すべきアイテムのひとつです。2022年春に新シリーズが発売されることもあり、市場の期待値も非常に高くなっています。

宮本氏:総じていえるのは、すでに日本で人気の商品は、現地でも人気が出やすいということです。美容・コスメを例に取ると「@cosme」などのメディアは海外のユーザーもチェックしていて、ランキング上位に入っている商品は大いにチャンスがあります。

Shopee初心者におすすめのマーケット

――Shopeeを初めて利用する事業者におすすめのマーケットを教えてください。

宮本氏:多くのセラー様におすすめしているのはシンガポールです。他のどの地域よりもキャンペーンやサポート体制が充実していて、露出の機会も多く成長が見込みやすいのが魅力です。英語が使えるうえに、Shopeeが物流サービスも提供していますので、運用時の安定性も優れています。

フランク氏:マレーシアもおすすめしています。伸びしろのある市場で、今はまだ競争が激しくないため、初めてのセラー様でも参入しやすいでしょう。また、マレーシア在住の日本人は比較的少なく、まだまだオフラインでは日本の商品が手に入りにくいという事情もあります。おすすめのマーケットは商材やリソースによっても変わりますので、知見のあるShopee担当者にご相談ください。

成功の秘訣は“Shopeeの内と外”での市場調査

――東南アジア越境ECにおけるトレンドは、今後どのようにキャッチしていけばよいでしょうか?

フランク氏:東南アジアで一番ダウンロードされているショッピングアプリはShopeeですので、まずはShopeeで売れているものを探すと現地のトレンドが見えてくると思います。Shopeeサイト内での売れ筋や、競合他社の売り方などをリサーチしてヒントを見つけるのがひとつのアプローチになります。成功している事業者の多くは、徹底的にShopeeを使っていて、Shopeeの仕様の変更や最新キャンペーンについて私よりも先に知っていることもあるくらいです。受け身で待っているのではなく、主体的に情報を取りに行く姿勢が求められます。

宮本氏:Shopee外で重要なのはSNSです。若い女性ユーザーが多い東南アジア市場ではSNSが最新のトレンドを把握する上で最重要ツールといえます。例えば、フィリピンではSNSの利用時間が世界で一番長く、何か調べものをする際もGoogleだけでなくSNSを利用することも一般的です。日常的に現地のインフルエンサーをチェックすることも、最新のトレンドを知るのに効果的ですね。

今後の大きな成長が期待される東南アジア市場。Shopeeでは対応マーケットや物流サービスの拡充も計画されており、全方位で越境ECをサポートする体制の強化が進んでいます。特に今回紹介した商材を取り扱っているセラー様は、大きなチャンスが目の前にあります。ぜひShopeeを通して、世界へ進出するきっかけをつかんでほしいです。

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