パーソナライゼーションによるECと実店舗のシームレス化が、響く顧客体験につながる

ECのミカタ編集部 [PR]

昨今のEC市場の拡大は、コロナという外的要因に後押しされた感がある。ECの利用率が高くなった半面、実店舗は営業すらままならない時もあり、ECはあるものの実店舗に圧倒的な比重が置かれている企業にとっては厳しい環境といえるだろう。しかし現状は実店舗での売上の低下以上に複雑な課題を抱えている。実店舗で接客を受けるという顧客体験が失われた結果、ロイヤリティの高いリピーターを失い、人材の流出によって店員の接客スキルの低下も招いた。

そうしたなかで、オンラインとオフラインの連携を図り、顧客が双方を自由に行き来できるマーケティング手法であるOMOが注目されている。AIを軸とした機械学習技術を組み合わせ、顧客の行動をリアルタイムで反映する高精度なレコメンドエンジンを活用し、ECやモバイルアプリ、実店舗での接客サポートに活用できるアイジェント・レコメンダーを提供するシルバーエッグ・テクノロジー株式会社では、早くからAIを活用したパーソナライゼーションに取り組んできた。

パーソナライゼーションはECと実店舗の垣根をどこまで取り除いてくれるのだろうか。活用事例とともにシルバーエッグ・テクノロジー株式会社の倉石英典氏と園田真悟氏に話をうかがった。

店舗顧客の行動パターンが変わった

――シルバーエッグ・テクノロジーは1998年設立で、成果報酬型のレコメンドサービスを日本で初めてリリースされたと聞いています。

倉石:そうですね。1998年といえばアマゾンジャパンが設立された年で、クラウドすらなかった時代です。創業者のトーマス・フォーリーは、インターネットのプラットフォームが拡大することで、情報が氾濫した現代を見越していました。そうした背景から、パーソナライゼーションの重要性を早い段階から唱えてきました。IoTやビッグデータ、そしてAIは第4次産業革命と呼ばれていて、最近の話に聞こえますが、当社は設立時から一貫してAIを活用したパーソナライゼーション、レコメンドエンジンによるOne to Oneマーケティングに取り組んできました。

園田:クラウドの普及とコンピューターの処理速度向上で、レコメンドに使われる機械学習技術もよりパワフルになりました。レコメンドエンジンの精度によって、売上に対する結果がまったく変わるということに気付く企業が増えたことで、当社に注目いただける機会が増えたように感じます。コロナの影響で、実店舗とオンラインをどう結びつけるのかというOMOがより重視され始めたことも大きいです。

――OMOが今まで以上に重きを置かれるようになった背景を詳しくお聞かせください。

園田:これはECに限らず物販を行っている企業全体に共通していますが、大きな要因はリピーターの行動パターンが変わったことにあると考えています。

特にアパレル系は顕著です。これまではシーズンごとに何度も来店する、店員とも顔なじみのリピーターが売上を支えていました。それがコロナで店舗に行けなくなり、ECで買い物をすることがきっかけでロイヤリティが薄れ、別のブランドに移ってしまうことも増えました。コロナが落ち着いたら、今度はリピーターが減ったぶんだけ新規顧客を獲得しなければいけなくなりましたが、店員を減らすなど対策を取っていたこともあり、接客レベルが維持できなくなるといった悪循環も見られます。

ツールではなく、使い方に課題がある

ツールではなく、使い方に課題がある

――OMOに取り組むうえで、ハードルになっていることは何でしょうか。

倉石:ビジネスの立ち上げ方や、組織論が根底にあると思っています。EC専業ではない事業者がECを立ち上げる場合、大半がEC担当のチームを編成して取り組みます。店舗事業と並列する、EC事業という位置付けです。本来であれば店舗、ECというチャネルごとにお客様を区分するのではなく、すべてをミックスしてお客様へのサービス向上につなげられる施策として捉えるべきです。しかし、実店舗での売上をカバーするためのEC、という考えが優勢になっているように感じます。

園田: OMOが進んでいる企業は、実店舗を上手く巻き込んでECをシームレスに行き来できるような仕組みづくりを行っていらっしゃいます。OMOが上手く進まないのは、これまで導入してきたツールで失敗されているということもあるかもしれませんね。

――どのような失敗が考えられますか。

園田:例えばお客様が利用する会員カードの代わりに会員アプリを配布して、実店舗とECを連携させようとしている企業も多いと思います。ただ、会員アプリにEC機能も付けたのに会員カード以上に活用してもらえず、費用対効果に合わずやめてしまったという話も聞こえてきます。

活用されなかったのは、単にアプリに魅力がないだけだと思います。新商品のお知らせやセールの案内が届いても、お客様が望んでいる情報に合致しておらず、来店時のポイント加算以外で使わせる魅力に欠けているのです。その魅力を提供するためにレコメンドエンジンの活用は不可欠です。

レコメンドはブランドの魅力を補完する

――具体的に店舗とECの連携における事例を教えてください。

園田:これはあるアパレル系のお客様の事例です。店舗で商品を購入されたお客様に、会員アプリを利用してレコメンドを行っています。例えば前回購入されたセーターに合うパンツなど「購入した商品に合わせると素敵なアイテム」といった誘引メッセージで、リピート来訪につなげ、再来訪時の売上が150%上がりました。会員アプリを通して再来訪を促し、再来訪時の売上を上げるというクロスセルを実現されています。

またこちらもアパレル系のお客様ですが、店舗で商品を購入されたお客様に1週間後くらいにサンクスメールを送り、その際に商品をレコメンドしながらECへの流入を促した結果、会員メール経由でのEC流入率が数十倍になりました。

――店舗での商品の購入経験をもとに、ECサイトでお勧め商品をレコメンドすることで、お客様の満足度も向上しますね。

園田:おっしゃるとおりです。また、店舗で経験の浅い店員が接客を担当するときに、AIが顧客ごとに予測したレコメンド商品を店員がおすすめすることで、クオリティの高い接客体験を提供するといった相乗効果も期待できます。

倉石:お客様の趣向や行動特性を見ながら、お客様に合わせてセレクトした自社商品の魅力を、ECでもしっかりと伝えていくことは、コンバージョンの向上だけでなく、ブランディングに直結し、リピートしてくれるロイヤリティの高い顧客を獲得することにつながります。ブランド向上の支援は、レコメンドの中で特に重要なファクターだと考えています。

店舗とECの連携による取り組みの詳細はこちらから

顧客の行動情報から微細な趣向を読み取る

顧客の行動情報から微細な趣向を読み取る

――アイジェント・レコメンダーの特徴を教えてください。

園田:当社のレコメンドエンジンは、顧客の行動分析の深さに特長があります。パンツやスカートといったジャンル違いのものを提案もできますし、春に購入された商品をもとに夏に購入されそうな商品を予測するなども可能です。

倉石:それが実現できるのは、お客様がTシャツを探しているのか、あるいは水玉やストライプといった柄がお好みで商品を探しているのかを、一連の行動履歴で判断しているからです。低価格帯のレコメンドエンジンのロジックだと単純なトリガー行動しか拾わないので、Tシャツを購入したお客様にはひたすらTシャツをレコメンドすることになります。

今、レコメンドエンジンはコモディティ化していて、総合マーケティングツールに統合されることで専門性が磨かれにくくなっています。パーソナライゼーションに特化したレコメンドエンジンのご提供は、私たちが20年以上、AIを研究しながら自社開発を行ってきたからこそ実現できることだと思っています。

園田:CRMなどその他のマーケティングツールとの連携機能が充実している点も強みです。お客様がECで買い物をする際のタッチポイントはどんどん増えています。そこに柔軟に対応することもできますし、アイジェント・レコメンダーのオプションとして、メールをパーソナライゼーションできるレコガゾウといったツールもご提供し、多角的にパーソナライゼーションの推進をサポートしています。

――チャットなどコミュニケーションツールが無数にあるなかで、メールからの流入が大きいと実感されているお客様が多いのでしょうか。

園田:メールが重要なコミュニケーションツールだとおっしゃるお客様は多いです。また、メールの基本的な考え方としては、文章を読ませるものではなく、ランディングページと一体化したものだと捉えるべきです。 パッと開いたときに欲しいものがすぐ目に飛び込んできて、簡単に購入できるメールにするためにも、パーソナライズされたレコメンドの活用が重要です。

アイジェント・レコメンダーもレコガゾウも、AIツールなので顧客行動を学習し、精度を上げていきます。また、状況に応じたアルゴリズムの選択も重要です。初めての導入でも安心して運用いただけるように、専門のコンサルタントがアルゴリズムのチューニングを重ねながら改善に向けたアドバイスなどを行い、コンバージョンの向上、リピート率の向上、ロイヤリティの高いお客様の獲得を目指していきます。

OMOレコメンドでLTVの向上を

OMOレコメンドでLTVの向上をEC会員顧客と店舗会員顧客のデータを統合し、店舗会員顧客にもパーソナライズした商品を提案

――実際にどんなお客様がアイジェント・レコメンダーを活用されていますか。業種や企業規模などの傾向はあるでしょうか

園田:「CRMツールなどを活用して、ECでのユーザー体験の向上を目指してきたけど、さらに成長したい。」「ECを運営しているけれど、なかなか想定していた売上規模を超えられない」という企業さんが、そのハードルを越えていくためのツールとして検討されるケースが多いです。レコメンドエンジンは扱うアイテムが100、200と増えてきて、会員数やECサイトのアクセス数が一定数あるほうが、当然ながら成果を発揮しやすいです。店舗ビジネスを展開している企業さんは、アイテム数も十分あるかと思います。EC事業を本格化したり、EC連携アプリを投入したりするタイミングでレコメンドエンジンを刷新されるのは、良いやりかたかなと思います。

――レコメンドにおいて注目されていること、今後注力したいことはありますか。

倉石:トピックスとしては、個人情報改正法によってCookie規制という話がありますが、いわゆるトラッキングによる広告に予算を投じている企業にとっては打撃ですが、新規獲得のために広告に固執するという考えを見直す機会ではないでしょうか。人口が減り、市場のパイも小さくなる。今後は新規獲得よりも既存のお客様を大切にして、LTVを向上させていくほうにシフトせざるを得ないと思います。私たちはLTVの向上にフォーカスし続けてきたので、今後も十分にご支援できると考えています。

園田:顧客離れを5%改善すれば、利益が25%改善されるという「5:25の法則」は、マーケティングでよく言われる法則ですし、今後より大切な視点になるはずです。新規獲得のために広告に膨大な予算を投じなくても、ECやサイト内体験に目を向ければ、実店舗でのリピーター離れもリカバリーできるとお伝えしたいです。

倉石:レコメンドのアルゴリズムは消費者に響かないと言われますが、それは単純にモノとモノで比較しているからであって、お客様周辺の情報を収集し、類似品や趣向に合わせた提案をする。お客様に「実はこんなものが欲しかったんだよね」と気付きを提供する。お客様一人ひとりに響くレコメンドによるパーソナライゼーションが、セレンディピティをも生み出します。まさにAIが得意とするところだと思います。

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