「返品できるから、安心して買える」 一歩先を行く理想の顧客体験とは

ECのミカタ編集部 [PR]

(左から)Recustomer株式会社 取締役COO 辻野翔大氏、日本トータルテレマーケティング株式会社 ECソリューション事業本部 ECソリューション営業統括部 ECソリューション営業部 統括部長 靏見亮太氏

EC業界で「顧客体験」が注目されるようになって久しいが、現実には購入前と購入後の顧客体験に分断が起きていることも珍しくない。ECにおける顧客体験の向上に注力する2社は「理想の顧客体験を実現するには購入後の顧客体験の改善が欠かせない」と口を揃える。日本トータルテレマーケティング株式会社(以下、NTM) ECソリューション事業本部 ECソリューション営業統括部 ECソリューション営業部 統括部長 靏見(つるみ)亮太氏と、Recustomer株式会社 取締役COO 辻野翔大氏に、購入後の顧客体験の重要性を聞いた。

いま求められる “購入後”の顧客体験向上

──両社の事業内容・サービス内容は、かなり異なっていますよね。

日本トータルテレマーケティング株式会社(以下、NTM) ECソリューション事業本部 ECソリューション営業統括部 ECソリューション営業部 統括部長 靏見亮太氏(以下、靏見) 当社は1994年にコンタクトセンターの運営からスタートした企業で、現在はEC総合支援サービスやフルフィルメントサービスも提供しており、EC事業者をトータルで支援する体制が整っているのが特長です。

Recustomer株式会社 取締役COO 辻野翔大氏(以下、辻野) ECサイトで購入ボタンを押した後の面倒なフローを自動化する サービスを提供しているのがRecustomerです。面倒な返品のフローをシステムで自動化できる「Recustomer返品・キャンセル」のほか、自社ECサイト上で簡単に配送状況が確認できる「Recustomer配送追跡」、お試し購入を可能にする「Recustomer自宅で試着」など、購入後の体験を向上させるプロダクトがあります。

靏見 サービス内容は異なりますが、Recustomerさんと当社には「顧客体験」を重視し、「理想の顧客体験」を追求しているという共通点があると思います。

──「理想の顧客体験」とはどのようなものでしょう。

靏見 購入前も購入後もストレスがないこと、なおかつ購入した商品を体験できることですね。購入体験にはECサイトで商品を閲覧する、購入する、場合によっては返品する、カスタマーサポートに問い合わせるなどの行動が伴いますが、そのプロセスすべてにおいてストレスがないことが理想の形だと思います。

辻野 私たちは、商品は「買って終わり」ではなく「購入した商品を使っている期間全体」を顧客体験と捉えるべきと考えています。UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用など、購入前の「買いやすさ」に注力する事業者は多いのですが、配送業者のサイトでしか配送状況が確認できなかったり、メールでしか返品の連絡ができなかったり、購入「後」の体験の充実という点ではまだまだ手薄です。顧客体験の時間軸をもっと長く捉え、購入後の接点を強化する必要があるのではないでしょうか。

返品のマーケティング活用で一歩先へ

──Recustomerでは、返品データの活用や「返品マーケティング」を提唱されているそうですね。

辻野 当社の調査データでは返品したことがあるユーザー群と返品したことがないユーザー群を比較すると、LTVが高いのは前者という結果が出ています。積極的に返品を受けることが売上向上につながる可能性があるということです。

また、ユーザーが商品に満足できなかった場合、返品を受けなければその理由を把握できませんが、返品を受ければそこで取得したデータが商品開発に生かせます。返品を受けない、あるいは返品ポリシーを厳しくするという発想ではなく、フィードバックを得て商品改善に取り組み、本質的なLTV向上につなげることが大事なのではないでしょうか。

──あえて返品を受けることが、中長期的な売上向上につながる可能性があるのですね。

辻野 一度返品を経験したユーザーが「もし失敗しても返品が簡単」という安心感を得ることができれば、次回以降の購入ハードルは下がります。日本では、ECで購入した商品の返品はそれほど一般化していません。周りの事業者がやっていない今なら、「返品できるから買う」状態=返品マーケティングの活用により、一歩先を行けるのです。

ストレスのない返品環境の整備は「いいことづくめ」

──現在両社はどのような形で協業されているのでしょうか。協業したことによって、解決できた課題や実現できたことをお聞かせください。

靏見 お互いのサービスをクライアントに紹介したり、新規クライアントに両社のサービスをセットで導入していただいたりしています。

クライアントがRecustomerを導入すると問い合わせが減るので、コンタクトセンターの席数を減らすかわりに、減った分のコストで新たなサービスを提供できるようになりました。返品に関する問い合わせの件数が減った分、本当にサポートを必要としている人に、質の良い対応をすることもできています。

また、クライアントがRecustomerを導入すると、コンタクトセンターでの対応もスムーズになります。ルール上返品対応不可の場合を除き、返品を受けられるクライアントの場合は返品受付時に代替商品を提案するなどプラスアルファのお声がけや、建設的なコミュニケーションができるからです。コンタクトセンターに対する顧客満足度も向上しますし、ストレスなく返品できる環境を整えることは、いいことづくめですね。

購入後の顧客体験改善は「先にやったもの勝ち」

──理想の顧客体験の追求は、EC事業者の売上にどのような効果をもたらすと思いますか。

靏見 人口減少が進む日本において、今後重要なのは新規獲得だけでなく1人のお客様との長く続く関係性が大切です。リピート購入には顧客体験の追求が不可欠であり、そのブランドを好きになるきっかけを作るのが当社やRecustomerさんの役割と考えていますし、購入後の顧客体験の改善は、大いに役立つでしょう。

辻野 返品を受けたことでどれだけ売上が上がったのか、直接的に知るすべはありません。ただ、返品できるサイトと返品できないサイトがあったら、どんな経営者に聞いても「返品できるサイトで買う」と答えるでしょう。定量化は難しいですが、顧客体験が売上向上の一因になることは間違いありません。

──今後取り組みたいこと、実現したいことなど、展望や抱負をお聞かせください。

靏見 私たちは顧客体験を連続したものと捉えて、顧客体験の分断が生じないコミュニケーションを取っていきたいと考えています。カスタマーセンターは「コストセンター」とも呼ばれますが、唯一お客様と直接接点を持てる部門です。だからこそ、Recustomerさんとの協業で返品を自動化しつつ、接客の質を上げることで、今まで以上に「売上を創る」ことに貢献していきたいです。

辻野 これまでは購入後の顧客体験を高めることに注力してきましたが、今後は返品ができるメリットを購入前の顧客体験に反映させて、売上向上につなげていきたいです。例えば、一定点数以上の購入で返品を無料にする、会員ランクが一定以上のユーザーの返品を無料にするなど、さまざまな施策が考えられます。「簡単に返品できるから買いやすい、安心」という状態を作って、購入後だけでなく購入前の顧客体験も高めていければと思います。

当社の調査で、9割以上のユーザーが「返品をしたとしても、返品体験にストレスがなければ再度同じECサイトで買い物をしたい」と回答していることからも、返品体験の重要性は明らかです。返品にネガティブなイメージを持っている事業者の方には「返品はポジティブです」とお伝えしたいですね。

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