「贈りたくなる」イチオシ施策 ~特別感を演出するギフトの見せ方と機能【株式会社ロックウェーブ セミナーレポート】

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社ロックウェーブ セールス・マーケティング部 上野鈴葉氏

毎回EC業界にとって重要なテーマを設定し、各分野の専門家を招いて開催しているECのミカタ カンファレンス。6回目となる「ギフト商戦カンファレンス」(2024年8月29日開催)では、クラウド型ECサイト構築システム「aiship」シリーズを提供する株式会社ロックウェーブ セールス・ マーケティング部の上野鈴葉氏が登壇し、ギフトを魅力的にアピールするために押さえておきたい“見せ方”や、売上を伸ばす機能・UIについて、実践的なノウハウを明かした。ここでは上野氏によるセッションから一部を紹介する。

ギフトは使用者≠購入者。キーワードは「失敗したくない」

自分用の買い物をするとき、多くのユーザーはより安く、便利に買えるショップから購入することが多いだろう。しかし、ギフトの場合は購入決定を左右する要因が異なる。ギフトの購入者はギフトの贈り主なので、「使えればいい」自分用の買い物とは違い、相手に「喜んでほしい」「失敗したくない」という気持ちが強く働くという。

※本記事に掲載している図版は全てカンファレンス登壇資料より

「例えば送り先の住所にECショップから直送する場合、購入者は直接商品を手に取りません。外梱や包装が失礼のない見栄えかということに訴求すると、商品にポジティブな印象を抱いてもらいやすくなります」(上野氏)。安く買えるショップよりも、開封するときに相手が良い印象を持ってくれると思えるショップのほうが、ギフト商戦においてはアドバンテージを得られる。成功事例として紹介された株式会社八代目儀兵衛は、和を感じさせる背景に12色の包装が映え、背景の画像も季節によって切り替えることでシーズナルイベントにも対応できることをアピールしている。また、開封時の写真も掲載することで、贈られた相手が喜ぶ姿を想像しやすくしている。

カンファレンス登壇資料より。「八代目儀兵衛」公式サイト

Instagram投稿などのUGC(ユーザー生成コンテンツ)を掲載することも効果的だという。通常のECとは異なり、ユーザーが気になるのは「購入した人のレビュー」だけではなく、「受け取った人」の感想・レビューだ。「ギフトを受け取った人の投稿がサイトに掲載できれば、ショップ側として非常に強力なコンテンツになります。収集は難しいものの、ユーザー起点なのでコンテンツ作成自体は(事業者側の)負担は少なくなりますし、実際に受け取った人の投稿は、購入者が贈られる場面を具体的にイメージするのに役立ちます」(上野氏)

カンファレンス登壇資料より

ギフトシーンならではのユーザーニーズを捉えるUIが重要

ギフト需要は発生するタイミングも贈り先もさまざま。同じイベントでも、贈り先が変わればマナーも変わるため、購入サイトではユーザーが目的に合った商品を、手違いなく購入することのできる導線設計が求められている。

今回事例として挙げられた「ギフトプラザ」では、目的と用途を選択すると、オプションが可変で表示される。ユーザーは用途によって絞り込まれたものから選べば間違いがないため、たくさんの選択肢から選んでいる感覚を軽減できるという。「ギフトは購入目的がはっきりしています。ユーザー目線でスムーズに選ぶことができ、操作の手間を削減できるUIが好まれます。たとえば包装ひとつとっても、画像表示された選択肢からタップするUIにしておけば、一つひとつプレビューする手間を省けます」(上野氏)。

カンファレンス登壇資料より。「ギフトプラザ」公式サイト

さらにギフトに特別感を加えられるのが、オリジナルの文章を添えるメッセージカードだ。ありふれた商品でもメッセージが添えられるだけでぐっと特別な贈り物になるため、このサービスを提供することでECサイトの価値を高められるという。「現在のギフトサービスに幅を持たせたい場合に追加する施策としておすすめなのが、写真などを自分で追加できるメッセージカード作成サービス。flasco(合同会社flasco)の『メッセージカードASP』などを利用すれば、導入のハードルも高くないと思います」(上野氏)

“価値のある”サイトであると一度認識してもらえれば、そのユーザーに突発的なギフトが発生したタイミングでも使ってもらえる可能性が出てくる。誰かの誕生日や記念日、クリスマスといったイベントに加えて、お中元、お歳暮などのシーンでもリピート利用してもらいやすくなるというわけだ。

カンファレンス登壇資料より

eギフトで潜在的ニーズを掘り起こす

贈りたい相手の住所を知らなくても、メールアドレスやSNSアカウントがわかればギフトカードやプレゼントを贈ることができるeギフト(ソーシャルギフト)。その気軽さもあって近年利用者の増えている形態だ。eギフトの事業者側のメリットとして、上野氏は以下の3点を挙げる。

「1つ目は商材の選択肢を広げられること。ギフトとして食品を贈る場合、従来は日持ちする商品を選ぶ必要がありました。eギフトであれば、受け取り手が配送日を選べるので生鮮食品も選べます。

2つ目が、もらった相手が選べるバリエーションのある商品を贈れること。サイズを知らないとなかなか贈れない靴や、色の好みの分かれるリップなど、ギフトになりにくかった商材でも“受け取り側に選んでもらう”eギフトなら提案可能です。

3つ目として、ギフトシーズンの“ギリギリ需要”を獲得できます。実店舗に足を運ぶ時間がなかったり渡したい相手が遠方にいたりすると、つい購入がギリギリになることも多いと思いますが、eギフトは当日まで駆け込みの需要があることも魅力です」(上野氏)

カンファレンス登壇資料より

「eギフト・ギフト購入UI/UXの向上で成功! 自社ECのイチオシ施策」と題して行われた上野氏のセッション。ギフト商戦で勝利をつかむためには、商品を特別な贈り物としてより魅力的に見せる工夫と、購入者の不安を取り払うUIの設計が必要であることが、豊富な事例とともに紹介された。なお、ロックウェーブが提供する「aiship」では、10月3日に標準機能として搭載していた「eギフト機能(ソーシャルギフト機能)」を拡張し、受け取り手が自分で商品を選べる「選べるギフト機能」をリリース。上野氏が挙げた3つ目のポイントをさらに強化するアップデートと言えるだろう。

aishipの「選べるギフト機能」(画像はイメージ)

上野 鈴葉(うえの すずは)
株式会社ロックウェーブ セールス・マーケティング部  関西学院大学法学部を卒業後、学生時代から取り組んでいた芸能やインフルエンサーの活動を継続しながら、現在ではEC業界でWebマーケティングやセールスとしての業務に携わる。SNS総フォロワーは6.1万人。グルメや商品のPRをはじめ、幅広い分野の情報発信を行なっている。 最新のSNSトレンドやEC市場の動向を日々研究する中で培ったノウハウを活かし、"売れるEC"を実現するための戦略や実践的なECの活用方法の提案を得意としている。


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