エイジングケアの「lujo」はなぜ立ち上げ5年で150万本を突破できたのか 新規参入の舞台裏と成長戦略

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ECのミカタ編集部 [PR]

多くの競合が存在するうえ、安全性の徹底や法令順守が求められる化粧品事業に新規参入するハードルは、決して低くない。ましてや人気商品を生み出し、自社ブランドを育てていくには、確かなビジョンと柔軟な戦略、そして信頼できるパートナーが必要となる。

そうした壁を乗り越え、エイジングケアブランド「lujo(ルジョー)」を立ち上げ5年目にして累計売上本数150万本超(※1)のヒットに導いたのが、名古屋市に本社を置く株式会社エイチームウェルネスだ。多様なITサービスを展開する株式会社エイチームホールディングスのグループ企業である同社が、どのように化粧品事業をスタートし、「lujo」を成長させたのか――。その舞台裏には、製品の品質を第一に考えたOEM(※2)の選定があった。

今回は、他業種から参入した経緯や同社ならでは強み、製品へのこだわりなどについて、代表取締役社長の長瀬拓也氏とD2C事業部 マーケティンググループ 商品開発チームの新堂友貴氏に話を聞いた。
※1:累計売上本数は、2020年3月1日~2025年2月5日「lujo」シリーズ出荷本数。エイチームウェルネス調べ。エイジングケア=年齢に応じたケアのこと
※2:OEM=Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)の略

得意のWebマーケティングを活かして化粧品事業に参入

――まず、エイチームホールディングスの事業概要と、その中でエイチームウェルネス様が取り組んでいることをお聞かせください。

株式会社エイチームウェルネス 代表取締役社長 長瀬拓也氏(以下、長瀬) グループとしては、ITの力を活用して世の中の課題を解消していくことを掲げ、様々な事業を展開しています。事業は大きく2つに分かれており、車査定・車買取サイト「ナビクル」や引越し比較・予約サイト「引越し侍」をはじめとするデジタルマーケティング事業と、スマートデバイス向けゲームを制作するエンターテインメント事業があります。

その中でエイチームウェルネスは化粧品・スキンケアブランドである「lujo」を運営し、最近では「レチスパ」というヘアケアブランドも立ち上げました。

──化粧品事業に参入された経緯を教えてください。

長瀬 女性向けの体調管理アプリ「Lalune(ラルーン)」を運営してきた中で、女性の悩みが幅広いことを実感しました(※3)。そこで、私たちで女性の悩みを解決できる商品を作って届けようと考えたのがきっかけです。また、当社の強みであるWebマーケティングを最大限に活かせる事業であるとも感じ、化粧品事業への参入を決めました。

──「lujo」シリーズのコンセプトと、販売チャネルについてお聞かせください。

長瀬 「lujo」のコンセプトは「最先端テクノロジーで五感を満たす、高実感エイジングケアブランド」です。テクノロジーを用いた成分や処方によって、お客様が本当に効果を実感できるスキンケアブランドを目指しています。販売チャネルとしては自社サイトがもっとも大きくて、モールではAmazonを中心に、楽天市場、Qoo10、Yahoo!ショッピングに出店しています。

株式会社エイチームウェルネス D2C事業部 マーケティンググループ 商品開発チーム 新堂友貴氏(以下、新堂) その「lujo」の中でも、目元・口元用の美容液「lujo ニードルセラム」という商品をフロントとして展開しています。この商品の最大の特徴は製品名にもあるようにマイクロニードルが配合されていることで、針の形をした成分が肌に微細な刺激を与え、美容成分を効率よく届けます。もう一つの特徴が「3Dストレッチ処方」で、肌にピンとしたハリ感を与えるものです。こうした効果をお客様にしっかりと体感していただけるように、成分の選定などをさせていただいています。
※3:「Lalune」に関する事業は、2024年に株式会社エイチームウェルネスから株式会社メドレーに譲渡されている

念願だったサティス製薬でのOEM製造

──「lujo ニードルセラム」を含めて、エイチームウェルネス様では複数の商品の製造をサティス製薬様に委託されていますね。御社がOEMの依頼先を選ぶ際に重視されていることはなんでしょう。

長瀬 一番は良い商品を作れる環境と実績があるかどうかです。その点でサティス製薬様は本当に憧れの存在で「なんとかしてエイチームウェルネスの商品を作ってもらえないか」とずっと思っていました。商品に対する研究開発力が高いことをまわりの企業から何度も聞いていましたし、EC販売で売れている商品をみるとサティス製薬様で作られているケースが多い印象があります。

また、小ロットから作ってくれるかどうかも大切です。私たちの強みはPDCAを素早く回すことなので、商品についても小ロットで作って実際に使っていただき、すぐに改善点を見つけて次に活かしたいと考えています。もちろん良かった点はさらに伸ばし、とにかく良い商品を作りたいんです。サティス製薬様は、そのサイクルにもっとも的確に対応していただけると感じてお願いしました。

株式会社エイチームウェルネス 代表取締役社長 長瀬拓也氏

──サティス製薬は処方開発、原料開発、評価試験の強みをもって、異業種からの化粧品D2Cスタートアップの支援を行う化粧品OEM会社。エイチームウェルネスも複数商品の製造をサティス製薬に委託している。

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委託する企業の視点に立った製造と支援

──「lujo ニードルセラム」は、リニューアルのタイミングで製造をサティス製薬様に依頼したと伺いました。具体的にどのような点を新しくしたのでしょう。

新堂 一つは即時的な体感、もう一つが長期的なしわ改善に対する効果です。マイクロニードルと「3Dストレッチ処方」によって、“ほどよいチクチク感”を感じられるかということ、そして液体クリームによるピンと張った感じを実感できるかという点を重視しました。

リニューアル前は、マイクロニードルを配合しているのに「チクチク感を感じない」という声が多くありました。 “針”を推している商品なので、私たちとしてはみなさんにチクチク感を感じてほしいのですが、刺激のある成分なので入れすぎると肌トラブルの原因になってしまう可能性もあります。

そこで適切な配合量を見極めるために、何パターンもの試作品を作っていただきました。サティス製薬様は肌に関する試験実績を多く持っていたので、どのような試験を何人くらいに実施し、何人が良いと言えば十分なのか」といった相談をしながら、適切な配合量を見極めていきました。

──具体的に「lujo ニードルセラム」のリニューアルについて、企画からの流れをお聞かせください。

新堂 まず企画や目的を私たちからサティス製薬様に共有し、理想のテクスチャーなどもお伝えしました。それに基づいて試作品を提案していただき、使用感をフィードバックして改良するというサイクルを5回ほど繰り返しました。良い感触が得られた時点で社外モニター調査を行い、評価を確認して発注に至りました。

提案の中で特に印象的なのは、常に私たちの立場に立って考え、動いてくださる姿勢です。営業担当の方は、こちらの要望を丁寧にくみ取り、社内での調整においても、まるで自分ごとのように、私たちの視点で進めてくださいました。

実現が難しい要望もあるかと思います。それでも「どうすれば実現できるか」を真剣に考え、前向きに取り組んでくださるので安心して任せられています。

「lujoニードルセラム」は2023年3月にリニューアル

リニューアルを経てAmazonで1位を獲得

──リニューアル後、「ニードルセラム」はAmazonのランキングで1位(※4)を獲得されていますが、その要因はどこにあると捉えていらっしゃいますか。

長瀬 まず、サティス製薬様と一緒に良い商品に仕上げることができたことが大きいです。良い商品だからこそお客様の継続率が高まり、広告も出し続けられるという状況が生まれました。

株式会社エイチームウェルネス D2C事業部 マーケティンググループ 商品開発チーム 新堂友貴氏

──サティス製薬様に製造を依頼して感じたことをお聞かせください。

新堂 私たちの意図を理解してくれ、それを商品として正しく形にしてくださいます。「定期購入いただく商品なので1カ月以内に実感を持っていただきたい、もちろん長期的にも良いものを作りたい」といった背景を伝えると、サティス製薬様からは処方や成分に関する具体的な提案を、多くいただけます。

また、対応が早いのもうれしい点です。私たちはWebマーケティングの感覚で商品開発もスピーディーに進めたいので、スケジュールをきちんと立ててくれるサティス製薬様にとても助けられています。

──ありがとうございます。最後に、今後の展望をお聞かせください。

長瀬 もっと良い商品を作り、多くの人に使ってほしいと考えています。「lujo」はこれまでリアル店舗での展開があまりできていなかったのですが、「レチスパ」でのリアル店舗への展開をきっかけに、チャネルも広げていきたいですね。

新堂 これまでサティス製薬様に製造をお願いして、本当に良い商品が作れたと感じています。今後は初めての方でも、さらに手に取りやすい形で商品を展開することを考えています。

※4:「lujoニードルセラム」のAmazonランキングはアイジェルカテゴリー 期間:デイリー 2023年5月26日



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