EC担当者だからこそ共感できる【原理原則の習得×スキルアップ】 futureshop「グループコンサルティング EC実践会」
ECを取り巻く環境が日々進化する中、事業者はビジネスの成長に取り組む傍ら、知識のアップデート、スキルアップ、また後進の育成といった課題を常に抱えている。企業にとっても人材への投資は重要な課題であり、スタッフ研修の選別に頭を抱える人事担当者も多いようである。
EC人材のスキルアップや育成に資する“EC事業者のための実践型研修”として定評のある「グループコンサルティング EC実践会」は、株式会社フューチャーショップが提供する、座学とワークショップを組み合わせた実践型プログラム。講師から日報へのフィードバックを毎日受けられるなど、他に類を見ない充実したカリキュラムで、「ECの月商ギネス(過去最高)を更新できた」「コンテンツ・SEO・広告の全ての面でしっかり利益を出せるようになった」「ECの本質的なスキルが身についた」という受講者からの感想は、成果に直結する研修であることを示している。
そこで、「グループコンサルティング EC実践会」受講後にEC事業を大きく飛躍させたメモリー株式会社の太田江美氏、水野産業株式会社の田中敦弥氏に、受講した経緯や学んだこと、これまでに実行してきた施策、受講後の成果などを聞いた。(聞き手は株式会社フューチャーショップ コンサルティング部 ECストラテジーコンサルタントであり、「EC実践会」講師アシスタントを兼任する駒井聡氏)
「グループコンサルティング EC実践会」を受講した理由
株式会社フューチャーショップ コンサルティング部 ECストラテジーコンサルタント 駒井聡氏(以下、FS 駒井) はじめに、メモリー様と水野産業様の事業概要や、ECサイトの運営体制について教えてください。
メモリー株式会社 ライフパートナー事業部 企画開発部 マーケティング・イノベーション課 次長 太田江美氏(以下、メモリー 太田) メモリー株式会社は、オフィスにまつわるITコンサルティングを行う「ビジネスソリューション事業」、ラグジュアリーペットフードの企画・販売及びペット関連コンサルティングの「ライフパートナー事業」、人材不足に悩む企業の採用・教育支援を行う「HRソリューション事業」、主に健康食品や化粧品などのドメイン領域「ヘルス&ビューティー事業」、ロボットや人工知能などの開発・導入を行う「ロボット&テクノロジー事業」を手がけています。
今回お話しするのは、私が所属している「ライフパートナー事業」におけるECの取り組みです。「ライフパートナー事業」では、ラグジュアリーペットフードブランド「プレイアーデン」を2014年に立ち上げました。ペット大国であるドイツの老舗工場と提携し、ドイツ国内で商品を製造しています。主な販売経路は、ペットショップやペット用品店などへの卸売です。それに加え、2015年にECサイトをオープンし、個人のお客様への直販を開始しました。ECサイトの運営や制作、受注処理、カスタマーサポートなどは社内で行い、フルフィルメントの一部は提携倉庫に委託しています。
ペットフードのラグジュアリーブランド「プレイアーデン」のECサイト。2015年12月からfutureshopで運営している
水野産業株式会社 eコマースグループ マネージャー 田中敦弥氏(以下、水野産業 田中) 水野産業株式会社は、食品容器や包材、調理器具、洗剤、調味料といった飲食店経営に必要な、あらゆる商材を取り揃えている商社です。主に飲食店向けに卸売りを行っています。販路拡大の一環で2007年にBtoBサイト「カイコム」を開設しました。BtoBサイトの運営や制作、受注処理、カスタマー対応など、店舗運営業務のほぼ全てをeコマースグループが担っています。
食品容器・包材・業務用食材など飲食店向けの商品を扱っているBtoBサイト「カイコム」 。2023年4月からfutureshopで運営している
FS 駒井 「グループコンサルティング EC実践会」を受講した理由をお聞かせいただけますか。
メモリー 太田 EC事業を強化していくために、ECサイトの運営に必要な知識やスキルを身につけるとともに、やるべきことの優先順位を明確にしたかったからです。ペットフード業界のEC化が進む中で、弊社もEC事業を拡大する方針を打ち出しました。ただ、「EC実践会」を受講する以前は、ECサイトの運営に関する知見が社内で十分に蓄積されておらず、ECサイトの売上を伸ばすには、どのような施策を、どのような順番で実行すれば良いかわかりませんでした。
EC事業を本格的に伸ばしていくには、まずはECについて基礎から学ぶ必要があると判断し、2019年4月から「EC実践会」を受講しています。
水野産業 田中 私たちが「EC実践会」を受講した理由は、変化の激しいEC市場を勝ち抜いていくために、 ECサイト運営の道しるべとなるような“ECの教科書”が欲しいと思ったからです。
弊社は2007年からEC事業を手がけていますが、「EC実践会」を受講する以前は、EC担当者の経験に頼っていた部分も多く、ECサイト運営に関する知見を体系的にマニュアル化できていませんでした。そういった中で、2023年4月に「カイコム」をリニューアルオープンしたところ、セッション数がガクンと下がってしまったんです。幸いにして売上はそれほど下がっていませんでしたが、セッション数を回復する方法がわからず、このまま手を打たなければ、いずれ売上が落ち込んでしまうという強い危機感もありました。
「カイコム」のセッション数を回復させ、また、将来的にEC事業を大きく伸ばしていくには、ECの専門家から正しい知識を教わる必要がある。そのように痛感し、「EC実践会」を受講することに決めました。
受講の決め手は「実践的なカリキュラム」や「日報へのフィードバック」
FS 駒井 EC関連のコンサルティングサービスや勉強会は数多くありますが、その中から「グループコンサルティング EC実践会」を選んだ決め手は、どのような点だったのでしょうか。
水野産業 田中 一番の決め手は、内容に魅力を感じたからです。座学とワークショップを組み合わせた実践型のカリキュラムに加え、日報に対して講師の方から毎日フィードバックをいただけるなど、充実した内容に惹かれました。
また、6カ月に1回、個別コンサルティングを受けることができますし、参加者同士がお互いのECサイトについてフィードバックを行うなど(バージョンアップコースのみ)、ほかにはないコンサルティングサービスだと感じました。そして、月額5万円で4人まで参加できますから、この内容であれば決して高くはないと思い申し込みました。
メモリー 太田 弊社も「EC実践会」の内容に魅力を感じたことが選んだ決め手ですが、特に、futureshopと連携したコンサルティングサービスであることを評価しました。
自分たちが日々、実際に使っているプラットフォームの機能に照らし合わせながらECの実務を学べるため、教わったことを理解しやすいです。そして、知識を学んで終わりではなく、実際に行うからこそ、教わったことが身につきやすいと感じています。
メモリー株式会社 太田江美氏。メモリーは2019年4月に受講を開始し、6カ月のカリキュラム終了後はバージョンアップコースに移行して2025年3月現在も受講を継続している
知識やスキルに加えPDCAサイクルを回す習慣も身についた
FS 駒井 「グループコンサルティング EC実践会」では、どのようなことを学んできましたか。
メモリー 太田 ECサイトの運営に必要な基礎知識から実践的なスキルまで、本当にたくさんのことを学びました。集客のためのSEOや広告運用、コンバージョンアップにつながるページ改善、商品を探しやすいカテゴリ分けや動線設計、新規顧客を獲得するためのキャンペーン、リピーターを増やすCRM施策、効果的なメルマガの作り方、ブランドの世界観を損なうことなく売上を伸ばすページ作りの方法論など、挙げ出したらきりがありません。
また、GA4やサーチコンソールを活用したデータ分析の方法と、そのデータを踏まえて顧客インサイトを深掘りする方法など、ECサイトを改善するための数字の読み解き方も身につきました。
水野産業 田中 「EC実践会」を受講したことで、ECの知識やスキルを習得できたのはもちろんのこと、 PDCAサイクルを回す習慣も身につきました。
「EC実践会」では、SEOやページ改善、広告運用、コンテンツマーケティングなど、座学とワークショップで教わったことを日々の業務に取り入れ、その過程と結果を日報で報告します。そして、講師の方からフィードバックを毎日いただきながら、日々の業務を改善するという流れを6カ月間繰り返します。こうした一連の流れを通じて、PDCAサイクルを回す習慣が自然と身につきました。
水野産業株式会社田中敦弥氏。水野産業は2024年7月に受講を開始し、6カ月のカリキュラム終了後はバージョンアップコースに移行して2025年3月現在も受講を継続している
ECサイトの売上高は右肩上がり。部下の成長も実感
FS 駒井 「グループコンサルティング EC実践会」を受講したことで、どのような成果が出ていますか。
メモリー 太田 EC事業の売上高は右肩上がりで、受講開始後の年間成長率は昨対120〜150%ほどで推移しています。直近の成長率で言えば、2024年3月~8月(6カ月間)と2024年9月~2025年2月(6カ月間)を比較すると、売上高は122%、新規獲得件数は127%でした。
FS 駒井 水野産業様は、どのような成果を実感していますか。
水野産業 田中 「EC実践会」の受講後、 ECサイトの月商ギネス(過去最高)を更新することができました。直近では2025年1月の月商が前年同月比124%、2月の月商は前年同月比111%です。「カイコム」のセッション数も受講前と比べて2倍近くに増えており、「EC実践会」を受講した理由の1つである「セッション数を回復させたい」という目的を達成することができました。
FS 駒井 どのようにセッション数を増やしたのでしょうか。
水野産業 田中 さまざまな施策を実施した結果ですが、特にSEOの効果が大きいと思います。ターゲットキーワードを選定する方法や、ページごとにキーワードを対策する手順を教わり、売れ筋商品など優先順位の高いページから対策していきました。その結果、「ピザ箱」や「プラスチックカップ」といった重要なキーワードで検索結果の上位を獲得できました。現在はその成果を他の商品にも応用し、検索順位の上昇に成功しています。
余談ですが、SEOの施策は、私と一緒に「EC実践会」を受講している部下が主に担当しているのですが、彼はEC未経験からのスタートだったにもかかわらず、今ではSEOについて社内の誰よりも詳しくなりました。やればやるだけ結果が出るので、仕事が楽しいようです。「EC実践会」にも積極的に参加していて、先日は「これをやればセッション数が伸びると思います。EC実践会で水上先生に教わったので!」と自信満々に言っていました。
新入社員の研修プログラムとしても活用
FS 駒井 メモリー様は「グループコンサルティング EC実践会」を新入社員研修にも活用していますね。
メモリー 太田 はい、入社1年目の社員はEC部門以外の部署も含めて、原則として全員が受講しています。こうした取り組みを始めたことで、社内でビジネスの共通言語が増えました。
人材育成の成果も出ています。例えば、新卒入社4年目の社員は、EC未経験からのスタートでしたが、「EC実践会」を4年ほど受講した結果、ECの知識やスキルが身につき、弊社にとって欠かせない人材へと成長してくれました。彼女自身も成長を実感しているようで「GA4やサーチコンソールの使い方をEC実践会で教わったことで、数字を分析する力が身についた」「数字にもとづいてECサイトの課題を特定したり、顧客インサイトを深掘りしたりすることができるようになった」と話していました。
FS 駒井 「グループコンサルティング EC実践会」の特長の1つである日報については、どのような感想をお持ちですか。
水野産業 田中 何かあったときに質問や相談ができる講師の方がいることは、とても心強いです。毎日の日報にアドバイスや激励を添えて返信してくださるので、どれほどモチベーションが上がるかわかりません。こんなに寄り添ってくださる講師は、なかなかいないと思います。「EC実践会」を受講して良かったと心から思っています。
受講者が提出した日報に講師がアドバイスや激励のコメントを返す(画像は水野産業が実際に提出した日報への、講師の水上浩一氏〈株式会社ドリームエナジーコンサルティング 代表取締役〉によるフィードバック)
メモリー 太田 日報の存在は、とても大きいです。日報を送ることで日々の仕事を振り返ることができますし、水上先生から具体的にアドバイスをいただけるので仕事を改善することができます。
また、日報を参加者全員で共有しますので、良い意味で緊張感があります。日々の仕事に追われていると、新しいことにチャレンジすることを後回しにしてしまいがちです。でも、水上先生から激励をいただいたり、他の参加者さんが頑張っているようすを見たりすると、「自分たちも、もっと頑張らなくてはいけない」という気持ちになります。そして、異業種の方々と一緒に学ぶことで、新しい気づきを得られて、自分たちのブランドをさらに成長させることができています。
FS 駒井 最後に、「グループコンサルティング EC実践会」への率直な感想を、あらためてお聞かせください。
水野産業 田中 ECの知識やスキルが身につき、自信を持ってサイト運営に臨めるようになりました。学びたいことや、学ぶべきことはまだまだたくさんありますので、6カ月間のプログラムが終了した後もバージョンアップコースに移行して継続しています。「EC実践会」を通じて、これからもスキルアップしていきたいです。
メモリー 太田 「EC実践会」を受講したことで、小手先のテクニックではなく、ECの本質的な知識やスキルが身についたと感じています。ECの原理原則を学べるため、他のサイト運営にも応用が効き、例えばBtoBサイトを2021年に立ち上げた際には、「EC実践会」で教わったことを存分に活かすことができました。
それから、ワークショップや懇親会などで他の参加者さんたちとお話ができるのもうれしいです。雑談しながら、EC担当者だからこそ共感できる悩みについて話すこともあります。仕事に向き合う心構えを見つめ直したり、モチベーションアップにつながったりすることも含めて、「EC実践会」は私にとって、とても大きな存在です。
FS 駒井 お二人のお話をうかがって、「グループコンサルティング EC実践会」をしっかりご活用いただき、成果も上げていらっしゃることがわかり、とてもうれしいです。弊社はこれからもグループコンサルティングやサポート窓口などの提供を通じて、店舗様のビジネス成長をしっかり支援させていただきます。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
「グループコンサルティング EC実践会」の主な内容
フューチャーショップが提供するコンサルティングサービス「グループコンサルティング EC実践会」は、①講義&ワークショップ、②メール日報・個別相談&アドバイス、③個別コンサルティング、④懇親会という4つのプログラムで構成されている。
【1】 講義&ワークショップ(毎月1回 約4時間) ※オンラインでの参加や録画視聴も可能
成功事例をエビデンスとした独自のフレームワークに基づく講義に加え、講義内容をその場で実践するワークショップを行う。参加店舗の発表に対し、講師がその場でアドバイス。内容は毎回録画し、後日の動画受講や振り返り学習も可能。
【2】メール日報/個別相談&アドバイス(毎日)
講師に対しメールでの数値報告と個別相談が可能。日々の売上やサイト訪問者数等の各種状況、店舗の気づきや疑問に対し、講師から直接返信・アドバイスする。その内容はメーリングリストを通じて参加店舗の間で共有されるため、気づきも多く、自社へ活用が可能。
【3】個別コンサルティング(6カ月中に1回 約1時間)
講義で学んだ各種施策を実践上で疑問や課題等に対し、参加店舗の状況に合わせて1on1でアドバイス。EC運営上のあらゆる悩みから、経営上の課題までテーマは問わない。豊富な成果実績に基づく講師の経験から適切な解決策をアドバイスする。
【4】懇親会
講師と参加店舗の懇親会を有志で毎回開催している。講義で聞き足りなかったこと、抱えているEC運営上の課題、参加店舗の業界事情など、打ち解けた雰囲気の中で話題は尽きない。これを楽しみに会場に参加する店舗も多い。参加店舗同士の情報交換や交流は、ここでも生まれる。
※取材は2025年2月28日に実施。記載内容は取材日時点の情報です
※本記事は「E-Commerce Magazine by futureshop」に掲載された記事をもとに、ECのミカタで再構成したものです。もとの記事はこちら