【新発想】「セノッピー」定期通販に新たな価値をもたらした「ホケプラ」
EC市場の成熟に伴い、単なる価格競争や機能訴求だけでは顧客の継続利用を勝ち取ることが難しくなっている。とりわけ定期購入型ECでは、いかに顧客体験を向上させ、長期的な関係性を築くかが、成否を分ける重要なポイントだ。こうした中で、商品と親和性のある「保険」を付加価値として組み込むことで、競合商品との差別化が実現する取り組みが注目を集めている。
今回は株式会社LEFT-Uが子ども向け栄養サポートグミ「セノッピー」に導入している「セノッピーあんしん補償」を事例に、新たな付加価値創出の可能性を探る。
定期購入者に寄り添う保険をプラスする「ホケプラ」
──まずはLEFT-U社の事業と、提供している商品について教えてください。
株式会社LEFT-U 山本氏(以下、LEFT-U 山本) 当社は「今日は明日をつくる」というコンセプトのもと、老若男女を問わず健康をサポートする商品を展開しています。主力はお子さま向け栄養サポート食品「セノッピー」で、そのほかにもひざ関節の動きをサポートする機能性表示食品や、美容関連商品など幅広く扱っています。
──今回のフォーカスする「セノッピー」について、概要や販売方法を教えてください。
LEFT-U 山本 「セノッピー」は、お子さまの栄養をサポートするグミタイプの食品です。日々の食事だけでは補いきれない栄養をサポートすることを目的としており、“続けやすさ”を重視してグミ形状を採用しています。味も複数用意していて、おやつ感覚で取り入れられる点が好評です。

4つの味で展開するグミタイプのサプリメント「セノッピー」(写真はLEFT-Uの自社ECサイト「ソダツドットショップ」より)
株式会社LEFT-U 山本氏
──「セノッピー」では、定期購入者に向けて「セノッピーあんしん補償」を提供していますね。このサービスについて、提携するゼアーウィンスリーサービス様からご説明いただけますか。
ゼアーウィンスリーサービス株式会社 代表取締役社長CEO 一戸翼氏(以下、TWTS 一戸) まずは当社の事業概要から紹介させてください。ゼアーウィンスリーサービスは自動車業界、医療業界、EC業界などを中心に、保証・保険関連サービスを提供しています。特に自動車業界向けのタイヤパンク保証は10年以上の実績があり、これまで約300万件の加入実績があります。事故受付や保険会社との連携など、煩雑になりがちな業務を当社が一括して担うアドミ機能(アドミニストレーション機能)が強みです。
──「セノッピーあんしん補償」を含めて、御社で提供している「ホケプラ」とは、どのようなサービスなのでしょう。
TWTS 一戸 簡単に言えば、商品購入時に“ノベルティのように”保険を付加できる仕組みです。重要なのは、商品そのものの破損や、商品利用時の事故などを補償するのではなく、購入者や利用者の生活シーンに寄り添う保険を組み合わせられる点です。「セノッピーあんしん補償」では、セノッピーの定期購入期間における個人賠償責任保険や事故被害にあった場合の補償などをセットにしています。
──商品に直接関係しない保険を付ける、という点がユニークですね。
TWTS 一戸 そうですね。多くの保証サービスは、あくまで商品補償が前提です。一方、「ホケプラ」は「商品購入をきっかけに、生活を取り巻くリスクに備える」という発想です。「セノッピー」を食べる年齢のお子さまが、もしも自転車事故で他人にケガをさせてしまった場合や、スポーツ中にケガをしてしまった場合に備える保険です。「商品を買うと、ご家族の安心も一緒についてくる」とイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。

「セノッピー」定期購入者を対象にした「セノッピーあんしん補償」(写真は公式サイトより)
「商品」ではなく「使う人」起点の仕組み作り
──LEFT-U社が商品に保険の導入をしようと考えた理由を教えてください。
LEFT-U 山本 ご両親が最も大切にしているのは、お子さまの安全や将来だと思います。セノッピーはお子さまの栄養をサポートする商品なので、利用いただいている間「もしものときも支えたい」という思いがありました。そこで、他社にはない差別化要素として補償の付加を検討しました。
──「セノッピーあんしん補償」を設計するうえで特に留意した点を教えてください。
TWTS 一戸 「商品」ではなく「使う人」を起点に考えることを意識しました。自動車のタイヤ保証やガラス保証のように、従来は“壊れたら直す”というモノ起点の保証が中心でした。しかし「セノッピー」の場合、商品自体が“壊れる”というシーンはほとんど想定されません。そこで、「この商品を使っているのはどんな人で、どんな生活を送っているのか」というところから設計を始めました。
具体的には、スポーツをしているお子さま、自転車に乗るお子さま、屋外で活動する機会の多いお子さまなどを想定し、個人賠償責任保険と傷害保険を組み合わせる形にしています。ベースとなる保険自体は既存のものですが、補償金額や特約の有無、保険料の設計などを細かくアレンジしています。
──購入者が「保険料」を別途支払うことなく、毎月の商品代金に含まれているのも特徴だと思います。
TWTS 一戸 「ホケプラ」は、EC事業者様にとっては“販促コスト”の一部になるため、コストと内容のバランスが非常に重要です。「しっかりした補償を実現しつつ、事業として成立する設計」に落とし込むことが最も難しいポイントでした。LEFT-U様のご予算感やLTVの考え方を共有いただきながら、保険会社と何度も調整を重ねました。
──「セノッピーあんしん補償」の加入方法はどのようになっていますか。
LEFT-U 山本 お客様は通常どおり商品を注文するだけで、同時にこの補償に加入できます。追加の手続きや複雑な書類は不要です。
──もしも事故が起きた場合の対応は?
TWTS 一戸 当社が窓口となり、保険代理店としての専門スタッフが一次受付から保険会社とのやり取りまでサポートします。EC事業者様が直接対応する必要はありません。
LEFT-U 山本 「保険」というと堅い業界で難しそうなイメージがありますが、ゼアーウィンスリーサービス様はサービスの設計段階からゼロベースで相談できるのがありがたいです。日々のサポートも「ここまでやってくれるんだ」というくらい柔軟に対応いただき、とても助かっています。
──「セノッピーあんしん補償」導入の効果について教えてください。
LEFT-U 山本 お客様が喜んでくださるサービスを提供できていると実感します。「保険がついているのが安心」という声を多くいただいており、差別化要素として機能していると感じます。
ゼアーウィンスリーサービス株式会社 代表取締役社長CEO 一戸翼氏
“続ける理由”をプラスする「ホケプラ」
──「ホケプラ」は、どのような商材やジャンルに付帯すると有効だとお考えですか。
TWTS 一戸 基本的には、定期購入・サブスクリプション型の商品であれば、かなり広い商材にマッチすると考えています。例えば健康食品やサプリメント、プロテイン、美容系商材、オーラルケア商品などは特に親和性が高いですね。これらの商材は「使い続けること」に価値があり、購入期間が長くなるほどLTVが高まります。そこに “安心”という付加価値を組み合わせることで、「続ける理由」をもう一つ増やすことができます。
──商材ごとに保険内容を変えることも可能なのでしょうか。
TWTS 一戸 可能です。「その商品を使う人が、どんなシーンでリスクに直面しやすいか」を想定し、例えば、サプリの定期配送契約や、健康器具のレンタルサービス、オンラインフィットネスなどのサブスク契約などの健康・ウェルネス商品に対して、ケガや入院などの補償を付帯することでより安心して利用を続けること、退会につながる事由を減らすことを実現します。
──最後に「ホケプラ」サービスについて、今後の展望を教えてください。
TWTS 一戸 「ホケプラ」をさまざまな業界に広げていきたいです。うまくいっている定期通販でも、このサービスを利用すれば、まだLTVを伸ばせる余地はあります。「新規顧客の獲得に多額の費用をかけたのに、退会者が後を絶たない」といったお声もよく耳にしますので、そうした課題を持つ事業者様が「保険を付けたいが、何をすればよいかわからない」という段階から相談できる存在になりたいですね。
──同じく、「セノッピー」の事業の展望もお聞かせください。
LEFT-U 山本 「セノッピー」を日本中の誰もが知るブランドに育てたいと考えています。またLEFT-U社としては、「セノッピー」による栄養面のサポートだけでなく、さまざまな角度からお子さまとご家族のお悩みに向き合うことができる存在になることを目指していきたいです。


