中国越境ECでリスクを下げて勝つ、中小企業の販路拡大を支援
越境ECにおいて注目度が高い中国。これまで多くの物販の日本企業が進出したものの、そのほとんどは失敗に終わっている。その原因は何だったのか。今後、中国で自社ECを立ち上げることに可能性はあるのか。中国モールへの出店・出品を支援するサービスを提供する、ソウルドアウト株式会社の平山雄人氏に話を伺った。
中国進出の失敗要因と状況の変化
08~12年にかけて、日本で中国ビジネスバブルが起き、多数の企業が中国へ進出しましたが、その多くは成功しませんでした。中国に進出するためには現地法人の立ち上げが必要でしたし、自社ECを立ち上げるにもライセンスが必要で、取得するための資金が3,000万円、審査には当時約2年ぐらいかかりました。つまり、資金と時間という初期投資がかかったんです。それだけ投資しても日本企業は中国で勝てなかったんです。彼らには「中国人がどんなものを買うか」というデータがなく、ECで一番大事なPDCAを回すという時間、労力、資金、ノウハウがなかったんです。そのうえ、商習慣の違い、法律などのルールが変わるスピードが速いというのも成功できなかった要因だと思います。
この状況が変わったのが2014年初頭。アリババグループの「天猫(Tmall)」というネットモールが、「Tmall国際」という外資法人しか出店できないブランドを立ち上げました。これにより、中国で現地法人を立ち上げる必要がなくなり、日本企業の中国進出が容易になった結果、再度「中国越境EC」に注目が集まりました。今年2015年は「中国越境EC元年」と言っても過言ではない程、盛り上がっています。
中国越境ECの現状と課題
前述のTmallと並び、中国EC界のネットモールで二大巨頭といわれるのが、京東(ジンドン)です。京東の母体である「テンセントグループ」はウェブサービスの企業で、LINEのような「WeChat」というサービスを運営しています。決済、ゲーム、情報ポータル、フリーメール、スマホアプリも持っていて、今世界で最も注目を集めている企業の一つです。一方で、Tmallは大手顧客志向が鮮明となり、世界的にも有名な大手や人気商品を持つ企業しかモールに受け入れなくなってきています。
中国では、Tmallや京東といったネットモールに人が集まりますが、そこではユーザー評価が非常に重要です。「中国のWeb上で売られている製品の68%は偽物」というデータが政府から発表されており、「他の人が買っているもの」「有名人が使っているもの」という情報がないと、消費者が安心できないんです。
また、中国ではECでも値引き交渉があります。コールセンターのスタッフが、いわゆるクロスセルや割引交渉をチャットでやり取りをしているんです。
それから、越境ECでの進出が緩和されたとはいえ、コストはやはり一定かかります。モールでも年会費が120万円ぐらい、保証金が最初に300万円ぐらい、ページ制作に200~300万円ぐらい、そして商品毎に6~8%前後の決裁手数料が必要になります。それにモール内で広告を出すとなると、月に300万円ぐらい出さないと効果がないと言われています。
中小企業・地方企業のネット販路拡大の独自ノウハウ
「素晴らしい商品を持っているのに、なかなか売れずに悩んでいる中小企業や地方企業さんを、ネットを活用した販路拡大によってご支援する」ことを弊社は理念に据えています。彼らは、販路拡大を目指して中国越境ECをやりたいとなっても、コストや人的リソースがなくて、すぐに始めることは難しいし、仮にそれらをクリアしたとしてもデータがない為、直観に頼った運営になってしまい、勝率は非常に低い。それらを解決するのが弊社の「中国に特化したWeb百貨店サービス」です。
ネットモールは通常は企業毎にネット店舗を出店・運営しますが、このサービスでは弊社がネット店舗を出店・運営し、そこにメーカー等の企業さんに出品して頂く形をとっています。出店に必要なお金や手間といったリスクの大半は弊社が引き受け、出品企業さんは商品を卸しさえすればOKという仕組みです。注文が入ったら日本にある弊社倉庫に商品を送ってもらい、後は梱包も発送も全部弊社がやります。つまり、非常に低コスト・低リスクで、すぐに中国の大手ネットモールで商品を試し売りすることができるんです。
弊社は、中国でどんな日本商品が、どんな人に、いくらで買われているかが分かるような独自の仕組みを持っています。なので、「売ること」に関しては、非常に自信があります。
でも結局は「売ってみないと分からない」のです。一方、「試しに売ってみる」ことに固定費が何百万円もかかってしまっては、特に中小企業はつらいと思います。このサービスは、そのような背景を元に「安く、楽に」中国越境ECを実施できるように開発されています。
このサービスを使っていただいて、売れる手ごたえを感じたら大きな投資を検討すれば良いし、まったく反応がなかったら縁がなかったと日本や他の国に注力すれば良いのです。
中国越境ECで中小企業・地方企業、そして日本を元気に
我々はWebマーケティング支援最大手のオプトから独立した会社です。今までに支援したクライアントの中には上場された企業も多数おり、ネットを活用して売上を上げる方法を熟知しているつもりです。
そんな僕らだからこそ、有名な企業や商品の成功は容易である、という事を知っている。有名じゃない弱い企業や商品を勝たせる事こそ難しい。僕らは「有名じゃない商品や企業の勝ち方」に挑み続けている。非常に難しいことですが、かなり手ごたえを感じるところまできています。それを、中国でも挑戦したい。
中国越境ECが成功することによって、日本の企業にとっておもしろい未来があるはずです。
中国越境EC 支援サービス3つのポイント
1.費用が安く、お試し感覚で挑戦できる
2.日本の倉庫に商品を卸すだけでOK
3.中国で売れるための独自のノウハウあり
<ECのミカタ通信 2015AUTUMN vol.10より抜粋>