検証!SBI AXESの銀行振込で業務効率化する秘密
ネット通販の決済手段として一般的なのがクレジットカード決済だが、誰もがクレジットカードを持っているわけではない。だが、ネット通販業界においては、ここに依存する企業は数多い。今回は、クレジットカード以外の決済手段の重要性に言及し、銀行振込の決済サービスに焦点を当てたい。新規顧客の獲得ツールとしてだけでなく、業務効率化を実現する決済手段として、オリジナルの銀行振込サービスを提供するSBI AXES株式会社の村井氏、村松氏、佐野氏に話を伺った。
アナログな銀行振込からの脱却
ECサイトにおける決済というと、大抵はクレジットカード決済で、続いて、代引き決済、コンビニ決済などが挙げられる。おおよそ2つ、3つの決済手段で占められているが、意外にもアナログな運用のまま軽視されているのが「銀行振込」だ。
ある調査では、様々な決済サービスが登場する中、銀行振込はECサイト全体の売上に対して約1割を占めている。そんな中、SBI AXESは、業界の先駆けとしてEC事業者向けに「銀行振込決済(入金おまかせサービス)」を提供し、信頼を集めている。
銀行振込サービスについて振り返ってみよう。例えば、一般的なECサイトで銀行振込というと、自社の口座情報をサイト上に記載して、「こちらに振り込んでください」という体裁になっている。すると、商品を購入したユーザーは次々と振込を行うことになるが、ここで問題が発生する。いざECサイトの担当者が銀行に行き、入金額と支払額を照らし合わせると案外合致しないのだ。「これはどのユーザーだ?」「注文情報と一致しない」といったことは起こりうる。つまり、クレジットカードを所持していないユーザー向けに銀行振込を設ける必要があるものの、面倒を感じるEC事業者がいるのは、銀行振込では「消し込み」という作業が発生し、そこに手間と時間を要するからなのだ。
「消し込み」とは、銀行振込で申込が確定した際に、クレジットカードのように即時に決済が完了せず、一旦商品を購入したユーザーが支払うべき金額が売掛金となる。後日、ユーザーの振込完了後に、銀行口座への入金データと照らし合わせて振込の確認ができれば、売掛金となったその金額を消し込みしていくことを言う。そこで先ほどの問題が発生していると「消し込み」できないので、確認作業に追われることになるのである。
そういった手間のかかる作業をシステム化したのが、SBI AXESの「銀行振込決済(入金おまかせサービス)」だ。同サービスは、決済の中では少し珍しいタイプのもので、銀行振込とは言っても、今までのイメージとは違うものに感じるかもしれない。
銀行振込の手間が大幅に軽減される「入金おまかせサービス」
一般的な銀行振込では、カートで商品を選んだ後に「銀行振込」を選択すると、そこで申込自体は完了し店舗の口座情報を提示する。商品を購入したユーザーからの入金連絡や定期的な入金確認を以て消し込みを行い、商品発送という流れとなる。一方、「入金おまかせサービス」の場合、申込が発生するごとに振込用口座番号を発行し、ユーザーに画面とメールで通知する。また、その口座に入金されるとEC事業者に対してメールとシステムから入金の通知が送られる仕組みだ。1申込ごとに振込用口座番号がその都度発行される仕組みになっているので、複数の申込があっても消し込みは容易に可能となる。対応金融機関は、都市銀行の他、地方銀行、信用・労働金庫、信用組合など全国の金融機関から選択可能だ。
さらに、合わせて、ネット専業銀行も利用可能となっており、こちらはWEB画面上で振込までの手続きが行える。
上図は実際の決済申込における金融機関の選択画面だ。図中の「住信SBIネット銀行」、「楽天銀行」、「ジャパンネット銀行」の3つに関しては、ユーザーが自身のネット専業銀行口座にそのままログインするような仕組みになっており、WEB上で振込まで完結してしまう。その上、ネット専業銀行は24時間365日振込が可能だ。クレジットカード決済と同じようにリアルタイム決済ができる利便性は大きい。勿論、これらのネット専業銀行の口座開設している必要はあるが、SBI AXESがそれぞれの銀行とつながれるように仕組みを組んでくれた功績のおかげで、その口座を持っているユーザーであれば24時間いつでも申込ができ即時支払完了となる。クレジットカード決済に似ているという理由をそこで感じていただけるだろう。また、手数料も通常の銀行より、ネット専業銀行のほうが安い点も魅力的だ。
さらに驚くべき点は、入金処理における対応の柔軟性とユーザー向けのカスタマーサポートを24時間365日稼働させていることだ。入金期日の設定はもちろん、支払額と入金額に過不足が発生した場合や支払期日を過ぎた入金に対して、SBI AXESが返金対応を行うか、そのまま入金済みとして取扱うかなど、EC事業者に代わってあらゆるシーンに対応できるよう、個別にカスタマイズが可能だ。
その上、カスタマーサポートは、クレジットカードを始めとした各種決済サービスにおいて、EC事業者に代わって、ユーザーの入金手続のサポートや標準の設定とは異なる入金に対してイレギュラー対応が発生した際にも柔軟に対応してもらえる。カスタマーサポートを自社内に設置し社内で密な連携を取れるからこそ、このようなサポート体制が可能となっている。
前述の通り、事業者側だけでなくユーザー側にも面倒な手間が一切かからないようにすべく「消し込み」を徹底的に自動化させたところが、これまでの銀行振込を思うと画期的なところだ。
ECサイトにとっては、申込がファーストアクションになるため、ユーザーのライフスタイルや都合に合わせて、利用しやすい決済の環境を整えることで「利用したい決済方法がないから他サイトへ」といった離脱を防ぐことができるというメリットを実感することになるだろう。
大手企業にも個人事業主にもマッチしたシステム
「入金おまかせサービス 」は、2014年12月にオープンしたアパレルブランド「ナノ・ユニバース」の公式ショッピングサイト(http://store.nanouniverse.jp/shop/)でも利用されている。日々の大量受注では、実に様々なユーザーが振込を行うため、申込したユーザーが特定できない不明入金も少なくない。しかし、「入金おまかせサービス」による入金管理を取り入れたことにより、SBI AXESが入金結果を同社のシステムに直接返すような動きを取ることで、受注管理をすべて自社の基幹システム上で行えるようになり、確認の手間を減らすことが可能となった。さらにユーザーの申込一件ごとに発行される口座情報に対して、EC事業者指定の入金期日を設定することができるため、在庫を長期間保持する必要がなくなった。
また、細かな配慮も忘れない。上図は「入金おまかせサービス」の決済状況を確認する画面サンプルだ。個人事業主の場合、振込先として自分たちの口座情報を露出したくないという声もあるが、それもSBI AXESの子会社であるゼウス、AXES Paymentの口座情報となるため、EC事業者にとっても安心だ。一方、ユーザー側もEC事業者との間に決済代行会社があることで、振込後に連絡が取れないなどといった懸念を回避することができ、機会損失を防ぎ売上向上につながる。
加盟店に提供している売上管理画面は、簡単な操作で複数決済サービスの一元管理ができる。売上金は、締め支払日よりまとめて入金され、決済1件ごとの明細データを取得できるため経理上も楽になる。
個人事業主にとっても、大手EC事業者にとっても、有益なシステムと言える。
そして何より、SBI AXESの「入金おまかせサービス 」を取り入れることで、EC事業者側の作業工数を大幅に軽減し、業務の効率化を図っているということだ。このようにEC事業者が本来注力すべき施策を練ることに打ち込めるようにすること、そこに最大の意味と価値がある。
決済サービスを取り入れることが業務効率化の一助になるという視点は極めて新鮮に思う。既に銀行振込サービスを導入している企業にとっても、同サービスに注目する意味がある。
それぞれのECサイト、ユーザーに適したサービスを提供
ここまで業務効率化の観点から銀行振込サービスについて語ってきたが、スマートフォンからのネット通販利用者が増加傾向にある中で、幅広い決済手段を導入することにより離脱防止に繋がる一方、EC事業者側にとって、新しい決済手段の導入を検討するにあたり、実際に利用されるかわからない決済手段に大きなコストをかけることは高いリスクを伴う。
SBI AXESでは長年培ってきた実績とノウハウを生かし、様々な決済手段から各サイトのユーザー属性に適したものを利用してもらうべく、一年を通して様々な決済サービス導入のキャンペーンを実施している。
直近では、新規のEC事業者向けに、安定した利用率がある発番式のコンビニ決済を1月末まで、ジャックス・ペイメント・ソリューションズ株式会社が提供する後払い決済サービス「アトディーネ」の決済手数料半額キャンペーンを1月18日(月)より実施しているとのことだ。
(キャンペーン詳細:http://www.cardservice.co.jp/campaign/atobarai/20160118.html)
さらに今回、「ECのミカタ」の本記事を読んで、ゼウス、AXES Paymentにクレジットカード決済の申込みをされたEC事業者に対し、「入金おまかせサービス」を初期費用、月額費用無料で提供する(別途決済手数料は発生)。
ここまでの説明でも、自由度の高さとカスタマイズの充実性はお分かりいただけたと思うが、同社が提供する一つ一つの機能、決済サービスも、EC事業者ごと自由に取捨選択できるようになっており、その徹底ぶりは細部にまで至る。前回のインタビュー(http://ecnomikata.com/ecnews/strategy/6772/ )において、同社は全部の機能をパッケージにすることなく、EC事業者ごとのニーズに合わせて、カスタマイズできるのが売りであると話していたが、それは、まさにこうやって作られ、自分たちに相応しい等身大のサービスを提供しているのである。
ECサイト運営においてこのような決済まわりの充実は売上アップに欠かせない大切な項目の一つだと言えよう。ECサイトおいて、内容も充実し、ユーザーの気持ちに沿って決済をサポートしてくれるSBI AXESにぜひとも相談してみたいところだ。