楽天とAirMap社、合弁会社「楽天AirMap」を設立

楽天株式会社(以下「楽天」)と、AirMap(本社:米国カリフォルニア州サンタモニカ、共同創業者兼CEO:ベン・マーカス、以下「AirMap社」)は、日本国内における商用ドローンの運用者および空域管理者に対し、無人航空機管制(Unmanned Traffic Management、以下「UTM」)ソリューションを提供する合弁会社「楽天AirMap株式会社(以下「楽天AirMap)」を設立いたしましたので、お知らせします。

PwCの発表(※)によると、世界の商用ドローンの市場規模は、数年内に1,273億米ドルに成長することが見込まれています。ドローン利用の需要は、日本国内においても年々増加傾向にあり、物資輸送や建設、各種調査やセキュリティを含む様々な分野で活用されています。ドローンの安全な運用を実現するため、増え続けるドローンの低空域飛行を管理するシステム構築の必要性が高まっています。

楽天は、2016年4月にドローンを活用した配送サービス「そら楽」を開始し、商用ドローン事業に参入しています。「そら楽」の運用および国内の民間企業や自治体と実施してきた革新的な実証実験を通じて、日本における商用ドローン市場と規制環境への理解を深めてまいりました。2017年2月に発表された、AirMap社のシリーズBの投資ラウンドにも参加しています。

AirMap社は、全世界のドローン空域管理において、中心的な存在であり、状況認識や飛行計画の支援、また、ジオフェンシングやサイバー脅威などに対するソリューションを提供しています。同社は、世界的にもUTM技術の発展に貢献しており、その仕組みにより、ドローンの操縦に必要なデータのやりとりや空域管理を支援しています。現在、125カ所以上の空港、および空域管理者が、AirMap社の
空域管理者向けツールを利用し、周辺空域の提供、飛行記録や飛行状況の確認、デジタル飛行通知の受信、そしてドローン操縦者とのコミュニケーションに活用しています。

合弁会社の設立を通じて、楽天とAirMap社は、双方のノウハウや経験を生かし、商用化ドローン業界の発展に向け、ドローンの空域管理ソリューションを日本の市場にもたらします。

楽天AirMapが提供するUTMプラットフォームによって、空域の安全を担う空港や地方自治体などの空域管理者は、管轄内におけるドローン飛行状況を即時に把握し、ドローン飛行への承認の自動化やドローン運行者へのSMSや電話を使った直接連絡が可能となります。また、ドローン操縦者は、常に情報が取得できる状況下で、近隣の飛行エリアの規則を照会して作成した飛行計画を、近隣の空港や当局に共有することができます。
 
楽天AirMapのUTMプラットフォームは、ドローン操縦者と空域管理者を結びつけ、低空域における合理的なドローン飛行を可能にします。

ドローンは、近い将来に、様々な変革を社会にもたらすことが期待される分野です。両社は、今回の合弁会社設立により、日本におけるドローン飛行の環境整備への第一歩を踏み出します。今後、双方の強みを生かし、ドローン・エコシステムの構築に貢献することのできるリーディングカンパニーを目指してまいります。

■「楽天AirMap株式会社」概要
商号: 楽天AirMap株式会社
主な事業内容: 無人航空機管制プラットフォームの開発・提供
設立年月: 2017年3月
出資割合: 楽天株式会社(51%)、AirMap(49%)
所在地: 東京都世田谷区玉川一丁目14番1号
役員: 代表取締役CEO 向井 秀明(楽天株式会社)
代表取締役: ベン・マーカス(AirMap)

■AirMap社について
AirMapは、AirMap社が提供している、1日に10万回以上のフライトを支えている世界有数のドローン向け空域管制プラットフォームです。数百万というドローン、そして数百ものドローン製造や開発に携わる企業が、このプラットフォームを活用し、低高度で安全に飛行するために必要なデータを共有しています。AirMap社は、同社が持つUTM、ジオフェンシング、ドローンのリモート識別、衝突回避システムなどのソリューションを通じて、航空業界へ新たな領域をもたらします。