サブスクリプションとは?サブスクを正しく理解し利益構造を変革しよう!
小さい金額なんだけど、自分が知らないうちに色々な月額支払いが発生している・・・
そんなことってありませんか?
私は、エクセル、ワード、パワーポイントなどのウィンドウズ系、プレミアプロという動画を編集するソフトに毎月支払いをしています。
でも昔は買い切りだったよな。
なんて思ったりして、調べてみるとどうやら企業は今サブスクリプションに、ビジネススタイルを寄せて行ってるようなのです。
この記事ではそんな、あまり知られてないサブスクリプションについて、未来館編集部の妹尾満隆(せのお・みちたか)が解説をしていきます。
サブスクリプションとは
企業が提供するサービスに月額で支払いをするサービスになります。
定額制も同じような意味合いで捉えられることが多いですが、定額制は必要なものである場合がほとんどです。
例えば、ネットなどはほとんどの家庭に繋がっていて生活の中で重要な役割を果たします。
ですので、主導権が企業側にあることが多く解約するときに、違約金という無駄なお金が発生することが多いのです。
サブスクリプションはどちらかというと、顧客中心主義の考え方のビジネスモデルなので『必要な人が必要な時だけ利用するサービス』になっています。
特徴としては、サービスの料金が基本的に安いことと、解約の手続きが煩わしくなく顧客に優しいところです。
以下の見出しからサブスクリプションをサブスクで表記します。
サブスクの流れ
サブスクはどのようにして生まれたのでしょうか?
これは歴史を紐解いて行くと分かります。
これまでは世界的にものが少ない状態でした。
だから日本もひたすらものを作って、ひたすらものを売って行ってたのです。
分かりやすいのは、ソニー、パナソニック、シャープ、東芝などの白物家電のメーカーですね。
アメリカで言えばGE(ゼネラルエレクトニック)です。
これまでの製造業は、これは売れると思ったものを作りそれを世の中に出して売るという
会社⇨顧客
というやり方でした。
しかし、ものが市場に溢れるようになりコモディティ化することによって人はそれは本来欲しいものではない、というように考えるようになりました。
今まではものが足りなかったから、市場に出せば売れたのですがものがある溢れてる状態では、薄くなりました、大きくなりました、画質がよくなりました。
などの微妙な変化には顧客は反応しなくなったのです。
これは企業が『内』と『外』しか見てないからこのようになってるのです。
・内というのは、技術者が良いと思ったものは市場でも受け入れられるという考え方。
・外というのは、ライバル会社よりもちょっとだけ性能をアップさせる考え方。
これまでの作ったら売れる、売れた後は顧客がどう思っていようがほったらかし、ライバル会社よりちょっと性能をあげれば売れるという、製造業のおきまりの勝ちパターンが通用しなくなったのです。
企業目線から顧客目線へ
会社が作りたいものを作れば売れるという時代が終わり、それに変わる新しい視点が生まれるようになります。
それは『顧客が欲しいと思ってるサービスを提供する』ということです。
一見当たり前のことのように聞こえますが、実はそれが出来てない会社が今でもほとんどなのです。
ですが、顧客目線で製品を開発するというのでもありません。
それも重要ですしあり得るのですが、もっと大事な部分は『自社の得意分野を生かして顧客にサービスを提供する』ということです。
ソニーといえば、年代によってはウォークマンを発明した会社と捉える人いるでしょうし、私の世代でいえばプレステの会社だと認識する人が多いと思います。
しかし、今では製造業のソニーではありません。
ソニーの過去最高益を後押ししてるのは、有料会員サービスのプレイステーションプラスなのです。
人は所有から利用という価値観に変わっている
これまでは所有してることが幸せの象徴でした。
しかし現代の人の考え方はどちらかというと、所有よりも利用を選んでいます。
どういうことかと言いますと、人は車に乗ることが目的ではなくその場所にたどり着くことが本来の目的なので、特に車は必要ないという考えになるのです。
(もちろん車に乗ることが好きな人もいますし、メンテナンスに出すことが好きな人もいると思いますが、大きな流れとして所有が面倒と感じてる人が多いという傾向です)
なぜかと言いますと、年間で考えた場合のガソリン代、保険料、メンテナンス代などを考えると『所有してる』ということが負担になってしまうんですね。
それだったら、月額で一定の金額を払う代わりに、保険料、メンテナンス代(メンテナンス時の台車)をやってもらい必要なときにだけ使えた方が便利だよねって考え方に変わるのです。
サブスクリプションのメリット・デメリット
使いたい時だけ使えて、サービスがよければ継続して使い続けることができるサブスクですがメリットとデメリットもありますので、ここではそれぞれを見ていきましょう。
メリット
『顧客側のメリット』
・使いたいときにサービスを利用することが出来てすぐに辞めることが出来る
・初期投資を大幅に抑えることが出来る
・自分の使いたいサービスを選ぶことが出来る
・所有を減らすことが出来る
『企業側のメリット』
・売上の予測を立てやすくなる
・継続した売上を見込める
・価格が安い為新規の加入者を増やすことが出来る
・顧客データから次のサービスを提供することが容易になる
デメリット
『顧客のデメリット』
・1つ1つの価格が安い為色々なサービスに加入すると大きな金額になる
・使用しない期間があったとしても契約期間中は料金が発生する
・いつの間にかサービスに入ってる場合がある
『企業側のデメリット』
・顧客に受け入れられない場合はビジネスとして成り立たない
・スタート時には顧客が少なくコストの方が高いため、利益に直結しない
・同じようなサービスをする会社が出てくると価格競争に陥りやすい
このように顧客側にも企業側にもメリットデメリットがありますので、特徴を理解してからスタートするのが理想的です。
PL思考かファイナンス思考か
PL思考とは目先の利益を優先させることです。
分かりやすく言うと、日銭を稼ぐような感じですね。
一番やってしまいがちなのが、減益になりそうだから「マーケティングコストを下げる」「広告費を下げる」ダイレクトマーケティングで言うと「顧客のフォロー費の削減」などの行動です。
これは会社の無駄な費用の削減として見れば正しいかもしれませんが、まず広告を打たないのではれば新規の顧客は増えませんし、顧客をフォローしなければこれまでサービスや商品を購入してくれてた顧客の離脱に繋がります。
PL思考の行く末と言うのは、会社の底力の低下、言い換えると会社の規模が小さくなっていくと言うことなのです。
残念ながら、日本の製造業もほとんどがこの思考になっています。
ファイナンス思考とは、目先の利益を追わずに未来の大きな利益を上げるための考え方になります。
分かりやすいのは、アマゾンです。
アマゾンは株主に配当は出しませんし、出た利益はそのまま研究開発費、再投資に使い常にどのようにすれば顧客は満足してくれるかを考えています。
ですので、アマゾンはあそこまで大きくなった会社でも今も積極的に投資をしているのです。
サブスクリプションを展開してるサービス一覧
サブスクをメインのビジネスモデルにしている会社はたくさんありますので、それぞれの業界ごとに見ていきましょう。
『ネットフリックス』
どちらかというと、日本ではアマゾンプライムビデオの方が有名ですが、ネットフリックスは動画でのサブスクをメインにしたビジネスモデルを展開しています。
そして、そのコンテンツというのはオリジナルのコンテンツを作り、ネットフリックス以外では見ることができないのが特徴です。
コンテンツは年間に約9000万円が使われており、素晴らしいコンテンツが生み出されています。
その結果顧客を増やすことに成功している会社です。
『ウォール・ストリートジャーナル電子版』
日本で言うところの日経電子版のような感じです。この2つはほとんど同じでアメリカ版か日本版かの違いだと捉えてください。
新聞社だったのが、デジタルの時代に入り紙媒体である必要性がなくなりました。
ジャーナリストが書く記事と言うのは、信頼性があり専門性がありより有力な情報を得たいと思う人ほど、お金を払ってでも購読したいと考えています。
充実したデジタルコンテンツを提供することによって、顧客を満足させ結びつきを強めているのです。
これは、紙かデジタルかと言う問題設定ではなく、そのコンテンツに価値があるかないのか。と言うのを表してると言えますよね。
『アドビ・マイクロソフトなどのソフト会社』
アドビは美しい映像、画像、動画を作成できるソフト会社になります。
マイクロソフトはご存知の通り、エクセルやワードを提供してる会社になります。
これまでは、ソフトを販売することで利益をあげていましたが、今ではその金額を下げサブスクにビジネスモデルを変更しています。
その事によって、より安定した収益を出すことができる会社に変貌しました。
『アマゾンブックス・Dマガジン・楽天マガジン』
デジタルの本もサブスクのモデルでたくさんの会社が入ってますよね。
代表的なのがこの2社です。
月額制で登録してある本はなんでも読み放題です。
特徴としては、どれくらいの本がエントリーされてるかが違い、エントリーされてる本が多いほど値段が高くなります。
まとめ
サブスクは企業側、顧客側のどちらにもメリットの方が大きなビジネススタイルだというのはご理解頂けたのではないでしょうか。
大きな特徴として、顧客にそのサービスが受け入れられなかった場合は、会社の利益も上がらないという顧客目線でのビジネスモデルだということです。
よって、これまで通りの作ったものを市場に出すだけの会社は競争の中で淘汰されていく事になります。
顧客はいいサービスだけを選ぶことが出来るので、より快適な生活を送ることが出来ると言えるでしょう。
やずや式少数盛栄塾の西野博道
このようにサブスクについて解説させて頂いたのですが、実はこの話は名前が変わっただけでずっと前からあるビジネスモデルです。
そして、このサブスクのビジネスモデルを最前線で行ってるのが未来館の社長でもある西野博道です。
西野博道は健康食品通販大手「やずや」の右腕としてマーケティンを担当し、20億円の売上を470億円まで導きました。
それは何より、顧客目線でマーケティングを行ってきたからです。
ただ顧客目線でマーケティングをすると言われてもあまりイメージが湧かないと思います。
こちらでは、そんな西野のマーケティングについての考え方や、西野博道がどんな人物なのか。ということが詳しくかかれてあるので興味のある方はご覧になられてください。
http://bit.ly/32waNqI