約7割が購入せずに離脱!?カゴ落ちの原因と対策
せっかく商品をカートに入れても、購入されずに離脱されてしまう「カゴ落ち」。
実はECサイトでは、約70%のユーザーが購入前に離脱しているとも言われています。
この“あと一歩”のユーザーをどう引き止めるかが、売上アップやCVR向上のカギを握っています。
本記事では、カゴ落ちの主な原因とその対策について解説します。
カゴ落ちとは
ECサイトで商品をカートに入れたものの、購入に至らずサイトを離脱することを指し、一般的なカゴ落ち率は約70%といわれています。
カゴ落ちは、いわば「あと一歩で購入だったユーザーの離脱」であり、CVR(コンバージョン率)に大きく影響する重要なポイントです。
カゴ落ち商品の合計金額は、既存売上の約2倍にも上るとされており、売上規模が大きいほど、カゴ落ち対策による売上インパクトも大きくなります。
一度カートに入れたということは、商品への関心が高く、アプローチ次第で購入に至る可能性が高いユーザーです。
カゴ落ちの原因になりやすい要素を一つひとつ改善し、ユーザビリティ向上や、CVR改善、売上アップを目指しましょう。
商品特性によるカゴ落ち率
カゴ落ち率は、商品ジャンルや特性によっても異なります。以下、カゴ落ち率が高くなりやすい商品と低くなりやすい商品の特徴を紹介します。
▼カゴ落ち率が高い商品例
・アパレル
サイズ、カラー、デザインなどの選択肢が多く購入を迷いやすい。
・ベビー、キッズ用品
成長や好みに合わせて選んだり、安全性や商品の質など比較検討に時間がかかる。
・高額商品
購入に慎重になりやすく、比較検討が長くなりがち。
・新商品
レビューが少ないため、購入をためらうケースがある。
▼カゴ落ち率が低い商品例
・食料品、消耗品
日常的に消費するものや定期的に購入するなど、リピートされやすい商品は低い傾向にある。
カゴ落ちの主な理由9選
ECサイトにおけるカゴ落ちの主な原因は、以下の9つであることが多いです。カゴ落ち率に課題を感じている場合は、自社に当てはまる要素がないか、一つずつ見直しましょう。
①購入プロセスが複雑・長い
②送料・手数料が高い
③発送が遅い
④決済方法が少ない
⑤カード情報入力への不安
⑥会員登録をしたくない
⑦返品・保証ポリシーへの不満
⑧購入途中のサイトエラー
⑨購入するのを忘れている
カゴ落ち対策9選
前述のカゴ落ちの原因に対しては、次のような対策を行いましょう。
①購入プロセスが複雑・長い
入力項目を減らし、UIを見直しましょう。
購入プロセスが複雑だったり、入力する情報が多いと、手間やストレスを感じて離脱される可能性が高くなります。
購入時の入力項目は最小限にし、購入ステップを明示(ex 購入者情報→決済方法→注文内容確認→完了)すると良いでしょう。
入力を簡略化する方法には、Amazon Payなど外部アカウントと連携する方法もあります。
また、郵便番号から住所を自動入力する機能も、入力の手間を省けるのでおすすめです。
②送料・手数料が高い
特に「カゴ落ち」の場合、最後に合計金額を確認して初めて「思ったより送料が高いからやめよう」となっているかもしれません。
予期せぬ送料や手数料の発生は、購入を躊躇する原因になりやすいです。予め送料表記を分かりやすく記載することはもちろん、ユーザーの送料負担をなるべく少なくすることで、購入してもらいやすくなります。
純粋な「送料無料」が難しい場合でも、
・送料の一部を価格転嫁し、表記の送料を下げる
・送料無料ラインを設定する
・商品ページやFAQに送料を分かりやすく記載する
など、できる範囲の対策をしましょう。
③発送が遅い
基本的に「すぐ商品が欲しい」と考えるユーザーが多いため、発送までに日数を要することも購入をやめる理由の1つです。
では、何日で発送すれば良いのかというと、「早いに越したことはない」という結論になります。
Amazonでは商品が翌日届いたり、楽天でも当日〜翌日に発送するショップも多く、「ネットで買った商品はすぐに届く」というのが一般的な認識でしょう。
可能な限り発送のリードタイムを短縮したり、どうしても日数がかかってしまう場合は日時指定を可能にして利便性を高めることが大切です。
※「オーダーメイド商品」「注文を受けてから作っている」「手作業で作るので大量生産できない」など、発送に日数がかかることをユーザーが納得できる商品であれば、発送が遅いことはデメリットにならないでしょう。
④決済方法が少ない
従来のクレジットカードや代引き・コンビニ振込以外にも、PayPay、Amazon Pay、楽天Payなどの各種ID決済、後払い決済など、決済方法も多様化しています。ユーザーは「普段使っている決済方法で購入したい」と考えるので、利用中のカートシステムで使える決済方法は、できるだけ幅広く導入しましょう。
⑤カード情報入力への不安
楽天やAmazon等のECモールではない、初めて訪れるECサイトの場合、クレジットカード情報を入力することに不安を感じる人もいます。
SSL対応や暗号化など、必要な対策を行い、それをユーザーにも分かりやすく伝えましょう。運営元情報や問い合わせ先を明示することも、信頼性向上に繋がります。
⑥会員登録をしたくない
会員登録を必須にすることで離脱してしまうユーザーも存在します。会員登録なしでも購入できるようにすることも有効ですが、会員情報はECサイトの重要な資産なので、会員登録へのハードルを下げる工夫も行いましょう。
・会員登録のメリットを提示する(ex 初回購入時のクーポン、ポイント制度、会員ランク制度)
・Amazonなど外部アカウント連携で入力の手間を省く
・UIの見直し(ex 購入フロー上で名前やアドレスを入力したら、そのまま会員登録される)
など、ユーザーが会員登録にストレスを感じないようなサイト設計が大切です。
⑦返品・保証ポリシーへの不満
靴や下着の場合、サイズが合わなかった場合に返品できないとなると、購入を躊躇するユーザーも少なくないでしょう。
・返品可能な場合の条件
・返品方法
・送料負担
などを商品ページやFAQに分かりやすく記載しましょう。
⑧購入途中のサイトエラー
購入途中かどうかに関わらず、サイトエラーが発生すると離脱されやすくなります。リンクの貼り間違いに注意したり、メディア掲載やセールなどでアクセス増加が見込まれる場合はサーバーを強化するなどの対策を行いましょう。
⑨購入するのを忘れている
会員登録しているユーザーに対しての施策ですが、カートに商品が残ったままサイトを離脱した場合に「カートに商品が残っていますよ」とリマインドメールを配信することもできます。
「電車移動中にサイトで商品を見てカートに入れたが、目的地に着いてスマホを閉じたらそのまま忘れてしまった」というように、購入意欲はあるが購入し忘れているケースもあります。
そうしたユーザーに対してリマインドメールを配信することで、カゴ落ち→購入に繋げることができます。
カゴ落ちのリマインドメールは「1〜3時間後+24時間後+7日後」の3回配信するのが良いとされています。
カゴ落ち商品をテキストメールで送っても、商品名だけでは分かりづらかったり、読み飛ばされてしまうので、HTML形式で商品画像と共に配信しましょう。
また、LINE連携+拡張ツールを活用している場合、「閲覧した商品が売れてますよ」といったリマインドメッセージを配信することも可能です。
まとめ
一定数のカゴ落ちはECサイト運営において避けられない課題ですが、カゴ落ち率が高い場合は改善の余地があります。現状のサイトを見直し、適切な対策を講じることでカゴ落ち率を改善しましょう。購入プロセスの簡略化や送料の明示、決済方法の拡充、発送スピードの向上など、ユーザーの負担や不安を減らし、ユーザビリティを向上させることはECサイト運営に欠かせないポイントです。
また、リマインドメールの活用など、離脱したユーザーに再アプローチする手法も有効です。カゴ落ち対策は売上向上に直結する施策の一つ。どの要素がカゴ落ちに影響しているのかを分析し、一つずつ改善していきましょう。
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