【第7回】脱訳あり品!安売りせずに、B品の寄せ集めに価値を見出す
究極の安売り。締め切り16時の即日発送。この二つを武器にして花を売り上げ会社は急成長。しかし、神様は僕に試練を与えた。
売上7割減。花を仕入れるお金もない状況から、ビジネスモデルを大幅に変更し、モノを売らずにコトを売るを実践。その結果、約18カ月でV字回復を果たしたが、その道のりは平坦なものではなかった。
花農家さんとのつながり、市場との連携、管理会計の恩恵。全てが複雑に絡み合い価格競争から抜け出すことに成功。ゲキハナという名の花屋はカゲキなシゲキを受けながら、カンゲキを売る花屋に生まれ変わった。
全10回。すべてを惜しみなくあなたにお伝えしようと思います。僕に起こったウソみたいなホントの話を。
※過去のコラムはこちらから
https://www.ecnomikata.com/column/12409/
訳あり品ではなく
「B品に価値を!」と考えると、すぐに思いつくのが「訳あり品」です。楽天市場でもかなり流行った「割れおかき」。最近ですと、ネット上でバズっていたのが「チューリップガチャ」と呼ばれる、コンテナごとひっくり返してしまって、色がわからなくなってしまったチューリップ50万球をほぼ原価で販売する訳あり品がありました。
今日のお話は、訳あり品ではなく、そもそもの価値を見直して、定価で仕入れ、定価で販売した事例をお話ししたいと思います。
B品というものは、そのままでは価値が下がってしまい、換金しにくい商品ですが、見方を変えると眠っている価値が沢山ある場合があります。
形が悪いハイビスカス
数年前、7月も半ばの夏の暑い日。生産者さんのハウスを数件廻っていたときの事でした。その頃は、もう秋冬の花の仕込みに入っている時期なので、そのあたりの商材の話をしていたんですが、ハウスの片隅に売れ残りのハイビスカスを発見。
ハイビスカスって、7月上旬には出荷も一段落してしまい、夏の花というイメージがありながら、夏にあまり出回っていないというのが難点でした。
「このハイビスカス、売らないんですか?」
「いやぁ、これ、もう形が悪い残り物だから。もう処分ですよ。」
ハイビスカスの鉢を手に取ってみると、確かにA品とは言いがたい容姿をしていました。枝振りが偏っていたり、曲がりがあったり。でも、花はとても綺麗です。
夏の花の印象があるハイビスカスです