女性アパレル通販「DARK VICTORY（ダークヴィクトリー）」

　韓国のECサイトは、越境ECに積極的な動きを見せており、現地向けカスタムサービスを利用し、日本ユーザーからも関心が高まっています。このコラムでは、ECプラットフォーム企業「cafe24」を通じて、越境ECに取り組むヒットショップとその理由について、ご紹介します。
　今回は、週に150種類以上の商品を更新し、2年間で売上を10倍以上に伸ばした女性アパレル通販「DARK VICTORY（以下ダークヴィクトリー：http://darkvictory.jp/）」を取材しました。

2人の代表が主導となり、独自制作したジーンズでヒット

　2010年の開業以降、トレンドをリードする商品やスタイル提案を通じて、20代〜30代の女性から人気を集め、成長を遂げている女性アパレル通販「ダークヴィクトリー」は、週に150種類余りの商品を更新しています。

　ダークヴィクトリーの共同代表、キム·ヒェリョン氏とソン·ミラ氏は、同社ECサイト看板モデルとして活躍するとともに、商品企画（MD）及び商品撮影、オリジナル制作品のデザインに至る業務全般を主導的に管理しています。

　ダークヴィクトリーの商品多様化を図るため、オリジナル制作品の開発に力を入れており、特に2人による独自に制作されたジーンズは、継続的なヒット商品として人気を集めています。

　ダークヴィクトリーが人気を集める理由として、キム代表は次のように語ります。「弊社のジーンズは、プレミアムジーンズブランドで使われた生地を使用し、よりスリムに魅せる、フィット感のある商品づくりを目指しています。品質向上に取り組みながら、独自制作システムを構築することで、リーズナブルな価格設定が実現し、売上アップにつながっていると考えています。」

　最近ではジーンズに続き、独自に製作したアクセサリー商品も人気を集めています。アクセサリーを使って自分だけのスタイルを生み出す女性に向けて、活用性の高いアイテムの制作に取り組んでいます。また今年は、オリジナルの水着の制作にも注力しています。

　「毎年、販売データの分析を行っており、去年の傾向として、特に水着の販売率が高かったことがわかっています。そこで、2017夏シーズンに向けて、水着カテゴリーを拡大する予定です。ダークヴィクトリー独特のスタイルを好むお客様の期待にこたえられるよう、徹底した品質管理やデザイン開発に力を入れています。」とソン代表は話します。

日本市場進出、2014年比10倍以上の売上成長

左：ソン·ミラ氏
右：キム·ヒェリョン氏

　2014年、ダークヴィクトリーは海外展開の一環として、グローバルECプラットフォーム「cafe24」を使用し、韓国のみならず、英語、中国語簡体、日本語、中国語繁体などの越境ECサイトを開業しました。開業以来、海外ユーザーによる流入が徐々に増加しており、その中でも特に日本市場における成長が目立ちます。

　2016年のダークヴィクトリーの売上は、日本市場に進出した2014年に比べ、10倍以上に伸びています。希少性のある商品や現地化されたECサイトの運営戦略が効果的だったのではないかと分析しています。

　キム代表は「日本向けECサイトでは、日本ユーザーの購入パターンを踏まえたUI (User Interface)を構成しており、毎日訪問するユーザーに関心を持ってもらえるよう、UIを変化させることに注力しています。例えば、ヒット商品を好んで購入する顧客の購入の場合には、そのパターンに合わせて、ECサイトのメインページにランキングカテゴリを表示したり、SNS上でリアクションが大きい動画をメインイメージとして活用し、露出度向上を狙うなどです。」とEC運営ノウハウについて説明します。

　また、日本ユーザーの購入ハードルを下げるため、コンビニ決済や口座振込などの現地向け決済サービスを提供しています。現地ユーザーの特性を考慮した決済システムを自社ECサイトに取り入れたことで、直近3ヶ月の販売実績のうち、コンビニなどでの後払い決済が31％を占めるなど、ユーザーからも良い反応を得ています。

　2人は、「韓国アパレルならではの競争力を発揮し、グローバル市場に向けた越境EC事業に力を入れてまいります。また、トレンドを取り入れたオリジナル商品開発や現地向け運営戦略を通じて、競争力強化を図ってまいります。」と今後の取り組みについて語りました。

総評

　越境ECに取り組んで4年目となる、アパレル通販ダークヴィクトリーは、希少性のあるデザインやオリジナルジーンズなどの商品力を通じて、20代〜30代の女性ユーザーから注目を集めています。安定的な運営を確保したことで、日本市場でも認知度を高めており、台湾、中国、英語圏市場においても、成長が期待されるECサイトです。