第三者支払い制度に係るビッグデータが金融包摂の基盤をつくる
第三者支払い制度のブームにより、人々が日常生活の中でスマートデバイスを介して代金を支払うことは、今やごく当たり前のことになりつつあります。
今日、第三者支払い制度はユーザーに最も多く利用されている支払い方法です。
ビッグデータテクノロジーの発達によってネット金融企業は、クレジットデータやリスクマネジメントに繋がるデータなど大量の消費データを得ることになりました。
その消費データは広範に及びます。ユーザーがいつ、どんな場面で、何のサイトを見たのか、どれくらいの時間サイトを見たのかといった内容まで詳細にわかります。また、ユーザーがそれらのデータを書き換えることは不可能です。
リスクマネジメントは金融業の基盤であり、最重要項目でもあります。ネット金融企業は、消費データをもとにその顧客がリスキーであるかを正確かつ迅速に査定することができます。
金融サービスを提供する立場から見て、その顧客が金融包摂の対象になりうるか否か、消費データこそが重要な判断材料になるのです。
ユーザーは、第三者支払い制度における使用頻度と金銭感覚に注意する必要があります。第三者支払い制度はその便利さもあって、多くの人が従来より気軽に買い物をするようになりました。ユーザーは実際にその場で現金を支払う訳ではありませんが、当然、後払いをするという形で支払額は積み重なっていきます。
マネーマーケットファンドであるYu'e Baoの登場は、ネット金融産業と金融包摂の道しるべになりました。
資金運用を身近に感じられるものにしただけでなく、Yu'e Baoは支払いツールと金融サービスを結びつける架け橋にもなりました。
実際にYu'e Baoにおけるユーザーの決済額のシェアは、ファンドが創設された2013年第三四半期の1030億元から2017年第一四半期には2540億元にまで増加しました。四半期平均成長率は125%にも及びます。
Yu'e Baoの成功は、ネット金融産業に大きな可能性があることを証明してみせました。
支払い仲介企業は、それまで業務の中心だったマネタリーファンドの取り扱いから、更にビジネスを拡大させることに成功したのです。
一方でユーザーも、第三者支払い制度は単なる支払いツールというだけでなく、投資にも活用できることから金銭管理ができるということに気づき始めました。
かつて人々の生活から遠い存在であった金融サービスが、今では人々の生活に馴染みがあるものへと変化を遂げました。