ECサイトでも直感で探せる。 検索に画像資産の活用を
日本のEC市場においてはBtoBやBtoC市場ともに、引き続き堅調に成長しています。消費者のライフスタイルの多様化やスマートフォンなど先進的な技術の発展に加え、情報量の膨大化などの様々な外的要因によって、インターネットで欲しいものを探すという行為は以前に増して複雑になっています。
今回は、ECサイトを訪問するユーザーの購買のきっかけに関する考察と神戸デジタル・ラボのサイト内検索の支援についてお話します。
店舗でもECサイトでも最初はパッと見が重要
欲しいものを購入しようとECサイトにユーザーがアクセスしたとしましょう。しかし、買おうと思ってECサイト内を探しても、当然よい商品に出会えなければ購入はしません。サイト内を探しやすくすることは非常に重要です。では、「探しやすい」とはどういうことなのでしょうか。
アパレルの実店舗で商品を購入する場合をイメージしてみましょう。お店で商品を選ぶ基準は、まずはその外観です。パッと見て、「可愛い」とか「カッコイイ」などのイメージから欲しい商品を手に取り、そこから素材やサイズ、値段などを見ていくことが多いと思います。
実はECサイトでも同様に、ユーザーが商品を探すとき、自分が探しているものとマッチしているかを判断するために、商品画像に多くの部分を頼っています。「ふわふわのセーター」「シックなブルーのワンピース」などというコピーも重要ですが、直感的に商品を選ぶ上では、画像に勝るものはありません。
そのために、ECサイトの運営各社では、商品の魅力を最大限に伝えることを意識して、「ささげ業務」などをされていることと思います。
商品画像という「資産」を最大限に活用する
しかし、どんなに丁寧に撮影された商品画像も、ユーザーの目に触れる機会がなければ意味がありません。そこで私たちは、ECサイト運営企業が保有されている商品画像をいかに資産として活用できるか?の観点で、ユーザーが欲しいものを探している絶好のタイミングで視覚的に訴求するために、商品画像の活用を提案しています。
それが、sui-seiの人気サービス「リッチサジェスト」です。リッチサジェストとは、キーワード検索時に商品画像付きで入力の補助を行う検索機能です。
キーワード検索窓をタップまたはクリックすると、キーワードの人気ランキングが商品画像とともに表示されます。入力し始めると候補の文字が表示されます。候補の文字をタップまたはカーソルを移動させると、ページを遷移することなく候補の文字にヒットする商品画像を表示します。
商品画像をクリック、もしくはタップすると商品の詳細説明ページに遷移します。ユーザーは何度も検索することなく早い段階で気になる商品に出会えるため、検索の手間を省き、コンバージョンに近づける効果があるのです。特にネットワークが不安定な屋外や隙間時間で検索されることも多いスマホでは、商品詳細に早くたどり着けることは非常に大きなメリットがあります。
テキストのみがサジェストされるものはよく見かけますが、「セーター」「カーディガン」などのテキストだけでは情報量が少なく、消費者が「あ、この商品が気になる!」と直感的に気づくことは難しいものです。
また、「リッチサジェスト」は商品画像の魅せ方をご要望に応じてカスタマイズできます。企業イメージやブランドイメージを損なわず、現行のECサイトに違和感のないデザインで導入できるのです。例えばカテゴリやブランド、商品など、サジェストするキーワードをお客様ごとにカスタマイズしながら実装できるため、消費者からは「こんなブランドがあったのか」という気づきを与えることもあります。
通常の検索は探されるのを待っている「受け身」の状態です。膨大な情報の中で魅力的な商品を埋もれさせないためには、それらの商品画像を活用して能動的、かつ利便性の高い検索環境を作ることが非常に重要です。
今回は既に成熟しているアパレルECを例にご説明しましたが、すべてのECサイトにおいてサイト内検索は重要です。特に、化粧品や書籍、映像、雑貨や家具など画像イメージが購買意欲に重要な位置づけとなる「ジャケ買い」されやすい商品の市場では、検索時の商品画像の活用をおすすめしています。
次回はより具体的にリッチサジェストの機能と、UXの観点からなぜその機能が必要なのか?についてご紹介します。
お読みいただき、ありがとうございました。