ネット広告規制強化にともなうツーステップマーケティングの重要性とは?

北森 香菜

売れるネット広告社 コンサルティング部 シニアコンサルタントの北森香菜です。

近年、特定商取引法(以下、特商法)の改正など、ネット広告表現に対しての規制は厳重になってきています。
これらの規制強化によりネット広告での表現も柔らかいものになり、消費者とのトラブルは減っているかと思いきや、実は、消費者からの広告に対する苦情は増加している一方なのです。

規制強化により厳しく取り締まっていてもなお、消費者からの苦情が増加している状況から、今後更に規制は強化されていくと考えられます。

このようにネット広告規制が強化されていく中で、お試しで商品の良さを実感していただいた上で定期商品の購入をおすすめするツーステップマーケティングで商品を販売することが重要になってくるのではないかと考えます。

今回のコラムでは、ネット広告規制強化のおさらい、ネット広告に対しての消費者心理、そしてこれらにともない重要となってくるであろうツーステップマーケティングについて書かせていただきます。

特商法改正後も、消費者からの苦情は増加傾向に

特商法改正後も、消費者からの苦情は増加傾向に

2017年12月1日より特商法が改正されました。改正された内容によれば、通販会社が定期商品の拡販において、消費者が迷ったりわかりにくかったりしないように広告の中に定期商品であることをしっかり明記することや、料金の総額、定期購入の場合における契約期間などの取引内容を表示することが義務付けられました。

特商法の改正を機に、特にワンステップマーケティングによる定期商品の販売を行っている通販会社では、消費者に勘違いさせないクリエイティブのランディングページへの変更、購入内容や条件をよりわかりやすく明記するといった対応をした会社も多いです。

「都度購入」と勘違いされないように、申込フォーム上部に「定期購入」であることや「条件」を非常に分かりやすく明記した通販会社もあります。

特商法改正により多くの通販会社は広告表現に関して慎重になったはずですが、日本広告審査機構の2018年度に消費者から受け付けた苦情や問い合わせに基づく審査概況によると、ネット広告についての苦情は2,847件で、前年比116.2%と増加しています。定期商品販売の事例も多く見られるようです。

出典:公益社団法人日本広告審査機構2018年度の審査概況
https://www.jaro.or.jp/shiryou/soudan_kensuu/ghuq7e0000001i99-att/20190619release.pdf

特商法改正により消費者とのトラブル減少が期待されていたようですが、苦情は増加している状況から、今後更に規制は強化されていくと考えられます。

フェイク広告増加により、消費者の目は更に厳しくなる?

フェイク広告増加により、消費者の目は更に厳しくなる?

近年、問題になっているのがフェイク広告です。

フェイク広告とは芸能人などの画像を無断で使用、加工して、嘘の体験談を作って商品を宣伝する広告のことをいいます。簡単にいうと、嘘の情報で消費者を騙し、申込みに繋げているわけです。

もちろん違法行為になるのですが、申込み効果が大きいフェイク広告は日々増加しているのが現状です。

フェイク広告の増加により、広告の取り締まりが更に厳しくなっていくのは目に見えています。それだけでなく、フェイク広告についてはテレビなどでも取り上げられ話題となっており、ネット広告に対して今まで以上に不信感を抱いている消費者も増えてきていることでしょう。

この不信感から、広告の情報を信じていいのか?なにか騙されているのではないか?など消費者の目も更に厳しくなり、今後はより信憑性を求められるようになることが考えられます。

ツーステップマーケティングの重要性

ツーステップマーケティングの重要性

更なる広告規制の強化、消費者からの不信感増大により、今後はいきなり定期コースに誘導するワンステップマーケティングの需要が減退することが考えらます。

前提として、特商法の改正は消費者を騙して定期コースに申込ませるような通販会社に法的規制が入ったものです。改正がされてもなお消費者からの苦情は増え続けているいま、今後はさらに規制が強化されていくでしょう。

また、消費者のネット広告への不信感増大により、いきなり定期コースに申込むことに対して更にハードルが上がることが考えられます。そこで、まずはお試し商品で商品の良さを実感していただいた上で定期コースの購入をおすすめするツーステップマーケティングは、消費者にとっても今後ますます需要が高まるはずです。

また、健康食品・化粧品の業界は特に単品リピート系商材といわれていますので、同じ消費者に継続して購入いただくことが非常に重要です。ツーステップマーケティングでは、実際に商品を試した上で気に入ったら定期コースに申込んでいただくモデルなので、ワンステップマーケティングよりもLTVが高くなる傾向になります。

現在ワンステップマーケティングのみで実施されている通販会社様は、是非今後ツーステップマーケティングも取り入れてみてはいかがでしょうか?

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※ “最強の売れるノウハウ”は特許庁登録商標済商標です。登録商標第5927186号


著者

北森 香菜 (Kitamori Kana)

出身:福岡県北九州市出身。福岡大学商学部卒業。
経歴:売れるネット広告社 新卒1期生として入社。広報・人事・総務・秘書マネージャー、新規営業、既存営業(チーフコンサルタント)など幅広く担当。コンサルタント時代は累計100社以上のクライアント様を担当し、ネット広告のサポートに従事。現在は、クライアント様向き合いの経験を活かし、開発プロデューサーとして活動。
趣味:食べること(肉食)・カラオケ(週1理想)・テレビ・漫画・ゲーム
受賞歴:売れるネット広告社2015年度上期「成長賞」、2018年度上期「MVP賞」、2020年度上期「つくーるMVP賞」
掲載記事:ECのミカタ「連載コラム」/ネットショップ担当者フォーラム/Marketing Bank「知る・学ぶ」/にっぽんのマーケター「美人マーケター図鑑」
その他:通販エキスパート検定1級(通販マネジメント編)保有

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