【考えてみた】人口減少が続く日本で、売上を拡大し「続ける」ためには。

前川 剛

売れるネット広告社 コンサルティング部 最高責任者 チーフコンサルタントの前川 剛(まえかわ ごう)です。

「新規顧客が獲得できない!」

私は普段、通販事業主様を対象としたコンサルティング業務を行っているのですが、特に最近、上記のようなご相談をいただくことが増えてきたように感じています。大抵、そのようなご相談をいただいた際は、大きなカテゴリからドリルダウンして細かい原因を探っていきます。

・それはメディア要因なのかクリエイティブ要因なのか
・メディアの場合、どのメニューの成績が悪いのか。
・クリエイティブの場合、どの数字(CTR、CVR等)が悪いのか。

このような流れで、原因を追究し、実績に裏付けされたノウハウをもとに、費用対効果の改善/売上の最大化に向けてご支援をさせていただいています。

ただ、大前提として日本には人口減少という大きな課題があります。単純に、新規顧客を取り続けるということだけを考えていると、継続的な売上の拡大は見込めません。そんな状況の中、売上を拡大し続けるためには何をすべきか、私なりの見解をまとめてみました。

2011年以降、日本の人口は減り続けている。

2011年以降、日本の人口は減り続けている。

まずは、日本の人口減少を事実ベースで確認していきます。

総務省統計局がホームページで公開しているデータを確認してみると一目瞭然です。1945年以降、戦後の日本はベビーブームなどの後押しもあり、2011年までは順調に人口は増え続けていましたが、明らかに2011年を境に人口減少の傾向が見られます。少子高齢化も進み、現時点ではここから大幅に人口増加するということは考えにくく、逆にこれからもさらに人口減少が加速していくことが予想されます。

参考URL: https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html (総務省統計局ホームページ)

人口減少の中で、いかに「新規顧客獲得」を行うのか?

人口減少の中で、いかに「新規顧客獲得」を行うのか?

先ほどのデータを確認いただいた上で、

・そもそも新規顧客の件数を拡大していくこと自体が難しいのではないか?
・人口が減っているのだから、獲得効率が悪化するのはしょうがない。
・日本でのマーケティングは諦めて、早急に海外進出したほうがいいのでは?

そう考える方も多いのではないでしょうか。正しい意見だと思います。ただ、逆転の発想で考えると、多くの人間が難しいと思っている問題の中で、打開できる方法を見つけることができた時、大きく差別化できるという考え方もできます。

では、具体的な手法の話に移っていきましょう。まず、新規顧客獲得を行う上で、顧客は、「顕在層」と「潜在層」という大きく2種類に分類することができます。ざっくりとご説明すると、以下のようなイメージです。

 ・「顕在層」・・・商品のことを認知している。購入意欲が高い層。

 ・「潜在層」・・・まだ商品のことを認知していない。これから、ニーズが顕在化される可能性がある層

重要な点は、世の中のほとんどが「潜在層」であるということです。

ただ、近年のインターネット広告の手法は、個人情報、ユーザーの行動履歴などのあらゆるデータを駆使し、ターゲット層に近い「顕在層」を見つけ出してアプローチするものが多く見受けられます。これらの手法は、非常に獲得効率が良く、対象範囲が狭いニッチ商材などの販売にも有効です。ただ、疲弊が早く、獲得規模がスケールしにくいという特徴を持っています。全体の人口が減っていくという前提条件の中で、「顕在層」の刈り取りだけを行っていては、ターゲットは減っていく一方です。

今後はいかに「潜在層」のニーズを顕在化させるか、そこが肝になってくると考えます。

どのようにして「潜在層」のニーズを顕在化するのか。

どのようにして「潜在層」のニーズを顕在化するのか。

まず、ここで使える有効な手法は、「2STEPマーケティング」です。

いきなり本商品を売るのではなく、お試し品⇒本商品という流れで、まずは試してもらうことを前提に、見込み客を集めるという手法です。「買うほどではないけれど、ちょっと試してみたいなー」という人々を囲い込むことができ、最初から本商品を提案した場合と比べると、桁違いの人数にアプローチができます。

売れるネット広告社では、この「2STEPマーケティング」を軸に今まで数々のクライアントの費用対効果の改善、売上拡大に寄与してきました。その中で、直近10年ほどで2STEPマーケティングもかなり浸透していき、施策としてさらなる差別化を図る必要性が出てきました。それは、「お試し」という手軽さに加えて、人々の足を止める「きっかけ」が必要になってきているという点です。

突然ですが、以下の2つの文章を見比べてみてください。あなたが街中で歩いていて突然、他人に話しかけられるという設定です。
 
(A)「こんにちは!実は今○○という商品のお試し品を無料でお配りしていまして、ぜひお試しいただきたいのです。いかがでしょうか。」

(B)「こんにちは!実は、○○に関するアンケートを回収しておりまして、ご協力いただいた方に無料でお試し品をお渡ししております。いかがでしょうか。」

あなたはどちらの言葉で足を止めるでしょうか。

弊社のテスト結果をもとにお伝えすると、インターネット上で(B)の文言のほうが人は多く集まります。この場合、先ほどお話した人々が足を止める「きっかけ」となったのがアンケートだったということになります。

それ以外でも診断やルーレット、クイズなど、さまざまなものがありますが、どんな「きっかけ」を準備してあげると、消費者は足を止めてくれるのか、今後は、この問題を解決する施策を見つけていくことこそが「潜在層」のニーズを顕在化して、新規獲得件数を拡大していく鍵になると私は考えています。

顧客単価(LTV)を上げる“仕組み”の構築

顧客単価(LTV)を上げる“仕組み”の構築

次は、顧客単価(LTV)について書いていきます。仮に、「潜在層」のニーズを顕在化する施策が当たって新規顧客の獲得件数を伸ばすことができたとしても、その顧客の単価が低かった場合、ROAS(費用対効果)は改善していきません。人口減少という大きな課題に向けて、今まで以上に顧客単価(LTV)を上げるためにはどうするべきかを考える必要性があるのです。

売れるネット広告社では、昔からクライアントにコミットしている目標指標は、認知度やクリック数、獲得件数でもなく、ROAS(費用対効果)です。

まずは、「潜在層」のニーズを顕在化する施策を打ち出し、最小限のコストで新規顧客の獲得を行い、その上で顧客の単価を上げるためのアップセル施策(定期購入やまとめ買いの提案)や、クロスセル施策(商品Aと相性のいい商品Bの提案)を行って、ROAS(費用対効果)を最大化させるという“仕組み”を構築しています。

人口減少という流れがあるからこそ、今まで以上に一人ひとりの顧客と向き合い、長い期間での関係性を築いていくことが、より重要になってくると私は考えています。

まとめ

いろいろと自分なりの考えを書いてみたのですが、簡単に整理すると

・現在、日本の人口が減り続けているという「事実」を正しく認識する
・いかに「潜在層」のニーズを顕在化させるか考える
・いかに、獲得した顧客の単価を上げていくかを考える

という3つが、最もお伝えしたいことです。

個人的には、人口減少というピンチをチャンスと捉え、今後もROAS(費用対効果)を劇的に改善させる施策を考えていきたいと思っています。


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著者

前川 剛 (Go Maekawa)

“最高の準備”を徹底し、“最高の成果”を出す

1991年福岡生まれ福岡育ち。西南学院大学経済学部卒業後、株式会社売れるネット広告社に入社。入社以降は、新規営業・コンサルティングの立場でクライアントと向き合う業務をメインとして行っている。自ら提案した新施策で、某化粧品会社の費用対効果(ROAS)を“9.2倍”上げた実績を持つ。現在ではコンサルティング部最高責任者を務めている。
趣味は、映画、ラジオ、HIPHOP。座右の銘は、「剛毅果断」

通販エキスパート検定1級(通販マネジメント編)取得。
売れるネット広告社2014年度下期「新人賞」。
2016年度上期、2018年度上期「MVP賞」受賞。
DirectKyushu2019(旧アドテック九州)公式スピーカー。


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