【最新動向】Amazon送料無料の購入金額基準を「1500円」値上げへ|出品者への影響と今後重要度が増す施策とは?【第2回】

アグザルファ株式会社

こんにちは!
国内初のAmazon専門コンサルサービスを展開しているアグザルファです!

今回は、【第2回】として、サブスク値上げの波やAmazon出品で重要度が増す施策について解説いたしますので、前回の記事は下記を併せてご覧ください。
【最新動向】Amazon送料無料の購入金額基準を「1500円」値上げへ|出品者への影響と今後重要度が増す施策とは?【第1回】
https://ecnomikata.com/column/43278/

”サブスク値上げ”の波がAmazonにも!?

Amazonが無料配送の基準を「2,000円 → 3,500円に引き上げた背景には、「配送料無料」特典が受けられるプライム会員への入会を促す狙いが考えられます。

Amazonが発表(*1)した2023年10月~12月(第四四半期)の「プライム会員」によるサブスクリプションの売上高は昨対14%増の104億8800万ドルを記録しており、Amazonにとって堅調に伸びている重要な収入基盤であることが伺えます。
※サブスクリプションの売上高には、年会費以外にデジタルビデオ、オーディオブック、デジタル音楽、電子書籍、などのサブスクリプションサービスが含まれます。

そもそも、プライム会員のような”サブスクリプション(定期購入)”サービスは、提供企業側にとっては、「導入コストが高い」、「利益が出るまでに時間がかかる」などのデメリットがあると言われていますが、反対に「安定した収入を得ることができる」、「収入の予測が立てやすい」というメリットがあるとも言われます。未来予測が難しい現代においても、事業計画の意思決定を助けてくれる側面があるのです。

サブスクサービスは利用者にとっても、簡単にサービスを開始でき、期間中は使い放題というメリットがあるため、我々の生活に欠かせないものになってきました。

その証拠に、株式会社ジャストシステムによる「サブスク利用実態調査」(*2)では、20代の62.4%の人が何らかのサブスクを使ったことがあるとの結果や、サブスクで1,000~3,000円未満/月に使っている層が最も多く全体の31%を占めていることが分かっております。

このように世の中に浸透してきたサブスクですが、昨今、定額費用の値上げのニュースを耳にします。

値上げの理由はさまざまな事情や背景があると思いますが、いくつかの成功を収めたサブスクサービスは、その”構築期”や”集客期”が終わり、いよいよ”収穫期”つまり収益化のフェーズを迎えている可能性も考えられます。

直近で値上げが発表されたサブスクサービスを以下の切り口で何点かまとめてみました。

・日本でのサービス開始日時
・直近の変更点

◆YouTube Premium(動画配信)
日本でのサービス開始:2018年11月
直近の変更:2023年8月 月額1,180円 → 1,280円

◆Netflix(動画配信)
日本でのサービス開始:2015年9月
直近の変更:2023月10月24日 月額990円のベーシックプランの新規受付停止

◆DAZN(スポーツ配信)
日本でのサービス開始:2016年8月 月額1,890円でサービス開始
直近の変更:以下記載
2019年4月 月額1,890円 → 1,925円
2022年2月 月額1,925円 → 3,000円
2023年2月 月額3,000円 → 3,700円
2024年1月 月額3,700円 → 4,200円

参照元:以下記載

*1:News release details

*2:株式会社ジャストシステムによる「サブスク利用実態調査」(調査期間:2024年2月2日~7日)

共通しているのは、サービス開始から5~10年ほど経過しており、ここ数年で段階的に値上げや変更があったことが確認できます。 今後の展開については分かりませんが、”収穫期”である収益化のフェーズと捉えるのであれば、この傾向が続く可能性もあるのではないでしょうか。

今後Amazon出品で重要度が増す施策とは?

前項ではサブスクの値上げをテーマにお話をさせていただきましたが、これは「1ユーザー当たりの利用金額」という観点であり、もう一つ重要な「利用者数」という点についてもお話させていただきます。

ご存知のように、日本の総人口は減少しています。
2008年をピークに14年連続で減少が続いており、今後もこの流れは続くことが予想されています。

これはAmazon販売においても無関係な話ではありません。
限られた”ユーザーの取り合い”または”リピーターの取り合い”が、ビジネスの浮沈を左右する要素であることは明らかです。

商品によってはリピート購入の期待が難しいケースもあると思いますが、Amazon販売においてもリピート購入、別の言い方をすると”サブスク”を促進する、ユーザーの囲い込み施策の重要性が今後さらに増していくことが考えられるのではないでしょうか?

そこで、具体的にAmazon販売で行っておくべき施策について解説いたします。

施策①:定期おトク便割引
生活用品を中心に継続的に消費する品物の定期注文サービスである「定期おトク便」利用者に対して、通常価格から割引率を設定して販売することでリピート購入者を増やすことにつながります。

「割引率は5%」でも一定の効果は出ると思いますが、ユーザーが「定期おトク便に申し込んでみようかな」と考えているところを想像し、その後押しができるよう可能な限り「割引率10%」の適用をおすすめします。
割引率の変更はいつでも可能ですので、まずは期間を絞っての実施でも構いません。
10%の割引を適用して”リピーターの獲得”を優先する時期を作っていただくことで、売上の基盤作りを助けてくれることになります。

▼定期おトク便の登録方法
定期おトク便で割引を設定する前に、商品が定期おトク便に登録されている必要があります。

商品がFBAから発送されていることや、一定の販売実績を有していることなど参加条件がありますのでまずは以下のヘルプページをご確認ください。
原則として、システムの自動判定により定期おトク便へ登録されることとなっております。
システムで自動登録されるまで参加条件を満たすように運用していきましょう。

参照:Amazon 出品者のヘルプ FBA Amazon定期おトク便

▼割引率の設定・確認方法
セラーセントラル管理画面>設定>FBAの設定>「Amazon定期おトク便」の設定>編集


施策②:定期おトク便クーポン
定期おトク便クーポンとは、該当商品を定期おトク便に初めて登録した利用者に対して”初回配送分のみ”にクーポン割引を設定できる機能です。

「定期おトク便クーポン」を設定することで、割引が受けられる商品であることが検索結果や商品ページ上で表示されます。出品者は定期おトク便への誘致をより能動的に実施することが可能になり、ユーザーに対しては申し込みの後押しができる施策になりますので、ユーザー獲得に期待ができる一手です。

初回配送分がどのように割引になるのか。
例えば、「定期おトク便割引 → 5%割引」、「定期おトク便クーポン → 10%割引」で設定した場合、以下のようになります。
・初回配送時:計15%引き
・2回目以降の定期おトク便購入時:計5%引き

▼定期おトク便クーポンの設定方法
セラーセントラル管理画面>広告>クーポン>「Amazon定期おトク便クーポン>Amazon定期おトク便のクーポンを作成する」をクリック

”ユーザー”や”リピーター”の取り合いがますます激しくなる今後において、ユーザーの囲い込みを意識した取り組みの重要性がAmazonでは増していくことが考えられます。

「定期おトク便割引」には ” 割引 ” がつきものです。
” 割引 ” は利益減少に直結してしまうため悩ましいポイントではありますが、それが売上の基盤になっていくと考えれば、場合によっては広告に費用を回すより有効だと計算が立つ場合もあります。

「定期おトク便割引」の導入について全く検討してこなかった方は、ぜひこの機会に一度検討してみることをお勧めいたします。

まとめ

本記事をまとめますと下記の通りとなります。

・送料無料になる金額の上限が2,000円→3,500円に変更される
・Amazonによる各サービスの価格は値上げ傾向にある
・プライム会員以外の一部サブスクも値上げ傾向にある
・人口が減っていく日本において、リピーターユーザーの囲い込みの重要性が増していく
・Amazon販売において定期おトク便割引、定期おトク便クーポンは有効な施策である

以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。

「Amazon出品」や「定期おトク便割引」についてより詳しく聞きたい場合は、
お気軽にAmazon専門コンサルのアグザルファまでご相談ください!
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著者

アグザルファ株式会社

【Amazon専門コンサルのパイオニア企業】
2011年より業界初のAmazonコンサルティングを開始。
パイオニア企業として長年にわたり多くのクライアントの売上を拡大してきた確かな実績や知見を蓄積。

商品やカテゴリ問わず、Amazonデータの解析や競合調査をもとに、1社1社に合わせた最適な施策を実施し、競合との差別化で売上拡大の実現に繋げます。

個人から大手企業まで多くのクライアントのサポート実績があり、月商10倍や無名ブランドを有名ブランドに育てるなど、着実に成功事例を創出。

【Amazon内の受賞実績多数】
年間の優秀な出品者や商品に贈られる「Amazonマケプレアワード」や「Amazonランキング大賞」を当社クライアントが多数受賞。

【メディア掲載多数】
「日経MJ」や「日本ネット経済新聞」、Amazon関連書籍をはじめ、多くのメディアで当社のコンサルティング実績が掲載。AbemaTVの番組「AbemaPrime」にAmazonの動向について代表比良がゲスト出演しました。

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