【前編】受注:注文が1日10件まで(受注管理ソフトなしの場合)

長山 衛

ネットショップ販売において、受注処理にどれくらい重きを置いていますか?販売に集中するあまり、バックオフィスを疎かにしては非常に大きな機会損失に繋がります。店舗として成長するには、バックオフィスの効率化をいかに図り、顧客フォローに取り組むかが大変重要な要素です。私の経験を踏まえて、ご説明いたします。

■考え方

受注処理を担当者に全て丸投げしている経営者がいたら危険信号です。私は、ネットショップ業界に入った当初、受注から学びました。顧客対応をすることで、見えてくる事はとても多くあります。もし、丸投げ状態であれば会社にとって無駄が生まれている可能性もあります。

受注処理を丸投げしない理由は以下の通りです。

①お客様との直接窓口である(=会社の顔である)
②作業工数を把握することで無駄を省く(経営視点)
③作業工数を把握することでの共感(担当者視点)

それぞれ解説していきます。

①お客様との直接窓口である(=会社の顔である)

店舗からお客様へ最初のアプローチは「サンクスメール」です。この内容によって、お客様からの店舗に対する見え方は変わります。特に注文時に「コメント」が添えてあった場合に流れ作業とするか、コメントに対して丁寧に返信を入れるか、今後のリピーター率に影響を与えます。この辺りをしっかりと対応できる体制作りを疎かにしてはいけません。

②作業工数を把握することで無駄を省く(経営視点)

実は同じ作業をしていても、作業時間は対応する人によって異なります。多少の差は当然ありますが、こんなケースもありました。3人のパートさんがメインで受注対応していた某ネットショップで、1人のパートさんが時給を稼ぐために故意に作業スピードを調整していました。作業効率と人件費という経営視点で考えれば、これは改善すべき問題です。でも、作業を把握していなければ無駄に気づくことは出来ません。

③作業工数を把握することでの共感(担当者視点)

受注担当者が注文後の顧客フォローをするパターンは多くあります。例えば、クレームが来た場合の対応は精神的負担が大きいものです。そして、クレーム対応の時間は思った以上にかかります。これを把握することで、担当者の仕事に対する正当評価が出来ますし、経営者が把握してくれることで担当者の信頼性は高まります。人と接する分、気疲れもしやすい業務なので、しっかりフォローしていくことが必要です。




次回さらに効果や作業ボリュームについてご説明致します。


著者

長山 衛 (Mamoru Nagayama )

現役ECデザイナーとして撮影からデザイン制作を前線で行い、
楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。ECおせち販促師として
各種メディアに取り上げられ、著書に『食品ネットショップ10倍売るための教科書』(日本実業出版)、
他「日本ネット経済新聞」にて「売れるデザイン演出テク」コラム連載(2012年5月~)。
EC運営者のスキル認定資格「ネットショップマスター認定講座」のカリキュラム監修担当。
経済産業省後援事業「ドリームゲート」認定専門家。
またアーティストとして、さくら水産のテーマソングを作詞作曲しカラオケ化。

企業URL:http://www.netshop-soken.co.jp/