【阿里巴巴集団】アリババ2016年6月期決算発表
中国のEC市場をけん引する阿里巴巴集団(読み:アリババジダン 以下、アリババ)は、現地時間8月11日に2016年4月~6月期決算を公表した。
・2016年3月期決算
https://ecnomikata.com/ecnews/8913/
アリババ好実績はモバイルECとクラウドコンピューティング
・売上高
321億5400万人民元(48億3800万ドル)、前年比59%増加。
・当期純利益
71億4200万人民元(10億7500万ドル)、前年比77%減少。
・営業利益
88億1400万人民元(13億2600万ドル)、前年比71%増加。
・総取引額
8370億人民元(1260億ドル)、前年比24%増加。
・国内EC売上高
233億8300万人民元(35億1800万ドル)、前年比49%増加。
・国内EC売上高のうち、モバイルによる売上高
175億1400万人民元(26億3500万ドル)、前年比119%増加。
⇒モバイルによる売上高は国内EC市場の75%を占める。
・国内EC市場アクティブバイヤー
4億3400万人民元、前年比18%増加。
・月間モバイルアクティブユーザー
4億2700万人民元、前年比39%増加。
・クラウドコンピューティング事業売上高
12億4300万人民元(1億8700万ドル)、前年比156%増加。
全体的に好調であることがうかがえるが、特に、国内EC市場において売上高が前年比49%増加と、大幅に伸びていることを確認できる。また、モバイルによるECの売上高が前年比119%となり、国内EC市場の75%を占めるなど、スマートフォンの著しい普及がアリババの展開するEC事業に大きく影響していることが予想される。
そして、EC取引における大量のデータの高速処理、データマイニング等、顧客のニーズに応じた包括的なネット・サービスを提供するクラウドコンピューティング事業の売上高も前年比156%増加となっており、アリババの利益に大きく貢献する事業としてその存在感を放っている。
今回の決算発表に伴い、CEO ダニエル・チャン氏は、「アリババグループは、非常に良い四半期を終えた。EC事業、クラウドコンピューティング事業、デジタルメディアやエンターテイメントにおける競争力を強めたことで体制が整った。」とコメント。
今後、Tmall(天猫)はブランド商品を展開するプラットフォームのトップとして市場をリードする地位を築き、タオバオ(淘宝網)はユーザーエンゲージメントを高めるためにライブストリーミングなどの新機能を追加していくなど、サービスの質を高めていく。
また、アリババが影響を与えるのは中国国内だけではない。海外EC市場においても、アリババの動きはどのように影響してくるのだろうか。アリババの取り組み、決算結果を踏まえ、今後アリババが中国EC市場をどう引っ張っていくのか、次期決算にも注目していきたい。