スマホ決済が明暗を分ける?みずほ銀行他3社が提携へ

ECのミカタ編集部

 株式会社みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)、株式会社みずほ銀行(以下、みずほ銀行)、株式会社メタップス(以下、メタップス)、WiL LLC.(以下、WiL)は、FinTechを活用した新たな決済サービスの提供を目的とする業務提携に向け基本合意した。様々な決済サービスが普及しつつある中で、今回の基本合意にはどのようなことを期待できるだろうか。

拡大するスマホ決済市場、みずほ銀行が提供する強みとは

 アップル社の新機種が発表されてからだろうか、スマートフォン(スマホ)での決済サービスがこれまで以上に注目されるようになった。その大前提として、スマホの普及が拡大している事実があるわけだが、それに伴い、スマホからECサイトへアクセスすることが定着してきているということも、スマホ決済サービスが今注目されている要因のひとつといえるだろう。

 こうした時代の流れを受けて業界各社がスマホ決済サービスの普及に取り組んでいるが、みずほFG、みずほ銀行、メタップス、WiLの4社が今後業務提携を行いスマホ決済サービスを拡充していくことには、他社と比べてどのような強みがあってのことなのだろうか。

 それは、先端サービスの情報ネットワークと事業プロデュース機能を有するWiLの支援の元、みずほFG・みずほ銀行は顧客基盤および金融サービスの知見、メタップスは同社が有するデータ解析技術およびオンライン決済の知見を活かすことができるという点にある。

 そうした強みを踏まえて、具体的に今後どのようなサービスを期待できるだろうか。

どのようなサービスか、時代に合わせた戦略を

 各社は、以下4つのサービス提供に向けて協業して取り組み、FinTechを活用した新たな決済サービスを創出していく。

①スマートフォンの利用を前提としたサービスの提供
 先述のとおり、現在、日本国内におけるスマホの普及率は人口の約7割に上るといわれている中で、今後スマホに合わせたサービスの拡充というのはこれまで以上に求められてくる。そのため今回の取り組みでは、スマートフォンに最適化したシームレスな決済サービスの提供を目指す。

②決済データの解析による最適な金融サービスの提供
 個人の顧客の決済データを分析し、資産運用における詳細なアドバイスを提供することや、法人の顧客の決済データを分析し、ビジネス拡大の支援を行うなど、テクノロジーを活用したデータ解析により顧客の金融に関する様々な課題を解決することを目指す。

③新たな決済手段の創出
 ブロックチェーンの活用等による決済サービスの創出を通じ、現金でもクレジットカードでもない新たな支払手段の提供を目指す。

④アジア市場への展開
 新たに創出する金融サービスを、国内のみならず広く世界で利用できるようサービスを拡充していく。具体的には、今後、決済市場の拡大が予測されるアジア市場において、地域性を踏まえたサービスの提供を目指す。

 “スマホEC”が活発になっている今、EC事業者にとってもスマホ決済サービスの拡大は無視できない。どのようなスマホ決済サービスが顧客に選ばれているのか、また自社EC店舗の方向性と合うスマホ決済サービスはどういったものか、しっかりとリサーチを行い選定していく段階にきている。

 スマホの普及、スマホECの定着、スマホ決済サービスの拡大、そして今後は“時代”にどのような施策が求められるのか、先をよんだ戦略を行えるかがEC店舗の明暗を分けそうだ。


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