「カゴ落ちメール」導入数が1年間で約1.8倍に増加【ナビプラス調べ】
ナビプラス株式会社(以下、ナビプラス)は、『国内EC売上TOP500サイトにおける「カゴ落ちメール」の導入調査』の結果を発表した。ECを運営する上でユーザーにメールを送る際に、ナビプラスが運営する「カゴ落ちメール」を導入するとどのような効果を得ることができるのだろうか。
「カゴ落ちメール」導入数が最も多いのはアパレルサイト
2016年夏で導入数は61サイト、普及率は12.2%であった。2015年冬が50サイト(10%)と、この1年間で徐々に増加し、約1.8倍となった。
年商規模別普及状況は、年商1,000億円以上が38.5%、500億円以上が36.4%と、年商500億円以上のサイトでの導入率が高くなっている。北米TOP1,000サイトの普及率35.2%(※1)と比較すると、同水準まで普及が進んできていると言えるだろう。一方で、年商50億円以下でも普及しはじめ、裾野が広がってきている。
※1 出典:マーケティングオートメーションのベンダーLISTRAK(2015)
業種別サイト数・普及率に関しては、アパレルサイトでの導入数が最も多く、16サイト(15.5%)となった。次に多いのが化粧品健康食品の14サイト(17.7%)で、1年間で2倍増加した。(※2)一方で最も普及率が高いのは総合モール(66.7%)という結果になっている。
※2 出典:ナビプラス 国内EC売上TOP500サイトにおける「リターゲティングメール」の導入状況調査レポート(2015年8月)
メール内容の94.8%が「商品情報」
メール配信のタイイングとしては、最もコンバージョン率が高まるとされるサイト離脱後1時間以内の配信が4倍近く増加し、サイトからの離脱後から早めのタイミングで1通目を配信する傾向が高くなった。(※3)
※3 出典:SeeWhy 2013
メールの内容に関しては、94.8%が商品情報(商品名、画像等)を掲載していた。さらに、カゴに入れた商品を掲載するケースが大半見られ、関連商品(レコメンド)やランキングを表示する事例も存在した。なお、クーポンの表示は5%程度と低い利用であった。
件名の多くは、カゴに残った商品を伝える内容であり、キーワードTOP5は、「商品名」「サイト名」「買い忘れ」「お知らせ」「ユーザー名」であった。カゴに入れたままの商品をシンプルに、かつ、リアルタイムにメールでリマインドをするサイトが多い。また、特典ではカゴ落ちユーザー専用の特典(クーポン)を入れる事例は少なく、「●円以上は送料無料」など会員の特典を入れる事例が見られた。
調査結果をまとめると、「カゴ落ちメール」は、ECサイトが実施できる接客のひとつとして、“来店のお礼メール”という施策の位置付けになっているようだ。
「カゴ落ちメール」の特徴とは
そもそも「カゴ落ちメール(リタゲメール)」とは、ECサイトに訪れたユーザーへEメールでリターゲティングするソリューションである。例えば、ショッピングカート画面より購入手続きを進める途中で商品を買わずにサイトを離脱する、いわゆる“カゴ落ちユーザー”が居たら、「お買い物忘れはありませんか?」や「ご来店ありがとうございます。」という趣旨でサイトの再訪を促すメールを自動送信することができる。
さらに、サイト離脱後に最も反応が良い時間帯の30分~60分後をはじめ、1日後、7日後といった任意のタイミングでフォローアップするメールを送ることも可能だ。その他にも、訴求メッセージとして、ショッピングカートに入れたままの商品やユーザー1人ひとりの閲覧した履歴など、メール文面におすすめ商品を自動で差し込むこともできることが特徴だ。
「カゴ落ち」の問題が増加する中、こういった「カゴ落ちメール」は必要性が高い。意図的な離脱ではなく、そのまま忘れてしまうユーザーも存在するため、ユーザーにとっても「カゴ落ちメール」はありがたい存在だ。それを表すように、今回の調査で「カゴ落ちメール」の普及率は1年間で約1.8倍に増加という結果になったのだ。導入企業が増え、”カゴ落ち問題”が解消されていくとしたら、EC事業全体にとっても良い影響となるだろう。