2016年のEC業界・重大ニュース10選7~10~最新EC業界大図鑑を試し読み~

ECのミカタ編集部

 ECのミカタは、昨年に続く2作目として「2016年のEC業界を総まとめ!!最新 EC業界大図鑑」を発売しました。EC業界の基礎的な用語や概要〜最新のトレンドや重大ニュースをまとめた一冊になっています。ここでは、ECのミカタ編集長が「これだけは知っておいてほしい」ニュースを厳選した「2016年のEC業界・重大ニュース選」を公開します。

EC業界大図鑑 2016の詳細はこちらをご覧ください。
 → https://www.ecnomikata.com/books/detail.php?id=12231

楽天が フリマアプリ運営のFablicを買収

楽天が フリマアプリ運営のFablicを買収

 楽天株式会社がフリマアプリ「フリル」を運営するFablicを買収しました。フリマアプリの運営としては老舗であり、一方で、楽天はもとからあった楽天オークションを撤退させ、新たに生まれたフリマの「ラクマ」を主に、スマホ市場を軸にCtoCを強化しています。

 国内で築いてきた、楽天市場という商店街を形成する出店型モデルが、日本人には好まれる反面、海外では、個人間のやり取りのフリマアプリのほうが短期間で、効率よく浸透しやすいと考えてもおかしくありません。自らの資金力を もとに、AIなどを用いた利便性向上、ブランド価値を高めていくことが、そのまま成長に結びつきやすく、それであれば、フリルを運営するFablicの買収で、CtoCの強化も納得がいきます。

ヤフー、コマース 21 を買収

 ヤフー株式会社は7月、サイト構築、運営のためのパッケージソリュー ションとコンサルティング業務を提供するコマース 21 を買収しました。理由について、宮坂学社長が、ビッグデータカンパニーとしての強みを発揮したい。ショッピングモールの購入者と本店の購入者の心理は異なるため、本店における顧客データも蓄積して顧客満足度をあげたいと考えたから、というのが印象的でした。
 
思えば、ヤフーには自ら特許を持ったPRオプションという広告メニューがあります。これは、Yahoo!ショッピングに出店ストアがショッピング内で、入札式で商品検索結果に商品を出せるというものです。これが、全員同じ場所に出るわけではなく、ビッグデータを活用し、最もコンバージョンされやすいユーザーや場所を計算して掲載位置を自動的に決まるようになっている。こうしたサービスの内容を思えば、ヤフーが買収した意図も見えてくるように思えるのです。

DeNAショッピング、 KDDIへ譲渡!

 DeNAは、自ら運営する「DeNAショッピングモール」と、KDDIで協業している「auショッピング モール」に関して、KDDIに譲渡するというお知らせがありました。DeNAは、ECとの関わりが深く、1999年の「ビッダーズ」にあり、ネット通販の黎明期を支えてきた存在です。とはいえ、最近はモールの中では存在感が以前ほど感じられなくなりました。
 
 一方で、スマートフォンの登場以来、携帯キャリア間での差別化が図りにくくなっており、KDDIは昨今、「au WALLET Market」などで、自らショッピングの機会を作り出すなど、コンテンツの強化に力を入れていたところでした。その意味で、au経済圏の確立のために、DeNAからの譲り受けが、 同社の成長にプラスになると判断したのではないでしょうか。

ECにもFintechの波! ヤマト運輸、MFクラウドと 連携

ECにもFintechの波! ヤマト運輸、MFクラウドと 連携

 ヤマト運輸は、株式会社マネーフォワードと連携し、ヤマトビジネスメンバーズ会員向けに「請求業務クラ ウドサポート」の提供をしました。マネーフォワードは銀行と連携し口座内容をリアルタイムで同期させるアプリ「マネーフォワード」で話題 を集め、主にそれは家計簿として活用されました。その後、BtoB向けにアレンジした「MFクラウドサービス」が生まれ、これは3600以上の口座から取引データを自動で取得することができ、それも家計簿と同じ要領で、会計・確定申告などの処理ができるといいます。

 ヤマト運輸は、顧客が請求書業務に悩まされていることを受けて連携し、請求書の部分をまず「請求業務クラウドサポート」として提供したわけです。Fintechの企業とも、積極的に連携するヤマト運輸の姿勢に、時代を切り開くパイオニアとしての気概を感じます。

<「2016年のEC業界を総まとめ!!最新 EC業界大図鑑」より一部抜粋>


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