Eストアー、ネットショップ大賞2016〜最優秀店舗は?

ECのミカタ編集部

 3月18日(土)、ヒルトン東京 菊の間。ネット通販総合支援サービスの株式会社Eストアー(以下、Eストアー)による「ネットショップ大賞2016GRANDPRIX(以下、ネットショップ大賞)」受賞店舗が発表、表彰された。2016年に輝きをはなち、成功を勝ち取ったショップをレポートする。

「来るべきとき」を迎えたネットショップの今後

「来るべきとき」を迎えたネットショップの今後株式会社Eストアー 代表取締役 石村賢一氏

 Eストアーの「イヤーエンドパーティー」と位置づけられているネットショップ大賞の表彰式。年度末のこの日、全国各地からトップクラスのショップが集まり、会場は華やかな雰囲気に包まれていた。

 そんななか、開会の挨拶に登壇したEストアー 代表取締役 石村賢一氏は、2016年にEC業界が直面した「震災、物流、頭打ち感」という大きな問題についてスピーチ。耳目を集めている物流の問題については「来るべきときが来た」と表現する。向こう6年間で約1.6倍の成長が見込まれるEC業界。成長を続けていくうえで、必ず解決しなければならないこの問題に向き合い、乗り越えていくときがきたということだ。

 また、多くのショップが抱えている頭打ち感については、A/B分析やステップメールなどを取り入れていないショップの多さに言及。各ショップに合ったアドバイスとサポートを約束した。

2016年の頂点に輝いたネットショップは?

 成長率・受注件数・売上・リピート率・会員数の5つの基準にもとづき選ばれるネットショップ大賞。Eストアーのサービスを利用する、全国12,592店のショップの中から、特別賞とカテゴリー賞などを81店舗が受賞。さらにその中から年間最優秀賞が選出された。

【最優秀新人賞1位】 協和医療器 ONLINE SHOP

 長年BtoBで医療機器を販売してきた協和医療器がBtoCへ参入。話題の水素水サーバーや浴槽用水素水生成器などをショップで取り扱う。医療機器を専門としている企業という信頼感に加え、有名女優が利用しているアイテムという話題性もあり躍進。立ち上げからわずか1ヶ月で売上1000万円を突破し、文句なしの新人賞に輝いた。

【最多レビュー賞1位】 エアガン市場

 1万1千800件以上ものレビューを1年間で獲得したのは、エアガンや電動ガン、ガンパーツの専門店。趣味の分野のなかでもユーザーの限られた市場ながら、マニアックなファンが多いのが特徴。リピーターによる詳細なレビューが、ほかのユーザーの購入を強力に後押ししている。ショップ運営の基本を着実に続ける姿勢が印象的。

【最高一日売上賞1位】 厳選特産品専門店 匠本舗

 ネットショップ大賞の常連ショップが今年も登場。カニやおせちを中心に、海産物や梅干しなどの上質な食品を扱う。消費者のニーズを丁寧に拾いあげる取り組みやメディアミックス戦略を実施。年末一週間のみで1年の総出荷量の7割の商品を出荷するという商品特性から、物流への取り組みには知恵をしぼり取り組んでいる。

【年間最優秀賞】 からだのレシピ 公式オンラインショップ

 美容・健康部門から年間最優秀賞に選ばれたのは、生酵素のサプリメントを販売するショップ。酵素が流行する以前からその効能に注目し、モールなどで展開。公式オンラインショップは約1年半前にオープンしたばかり。類似商品が多く存在する中で、誠実な対応やSNSでの情報発信を活用して自社サイトのファンを獲得している。

二極化が進むEC業界をどう生き抜くか

 パーティーも終盤に差しかかったころ、Eストアーの石村氏にお話を伺うことができた。2016年を総括すると?との問いに「より二極化が進んだ年」という答えがかえってきた。全体としては7.6%成長となっているが「売れているショップはより売れて、少し売れなくなったというショップが多くある」というのが実態だという。一体どこで差がついているのか。「価格での勝負に走らず、専門性を極めているショップはグイグイ伸びている」という。

 対照的に、モールでの商品ラインナップと変わらないショップでの成功は難しくなってきているようだ。また、石村氏は2017年を「流れが変わる入り口」と表現する。重大な懸案事項である物流については、ここ2〜3年で大きな変化が起こり、それを乗り越えていく時期とみている。どうやら2017年はEC業界にとって、潮目が変わる1年になるのは間違いないだろう。

成功の裏側に秘密はあるのか

 ネットショップ大賞に輝いたショップを取材するなかで、どのショップにも共通する姿勢があった。それは「基本的なことを誠実に続ける」こと。そして誰もがEストアーによる対応やサービスを賞賛しているのが印象的だった。適切なEC支援サービスを取り入れ、真面目に取り組むこと。成功のベースはここにあるようだ。

 次回の記事では、受賞店舗の成功の裏側を掘り下げていく。(1週間後、4月4日公開予定。お楽しみに。)


ECノウハウ


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事