ベルメゾンロジスコの株主構成変更に見る物流の重要性

ECのミカタ編集部

 住友商事株式会社(東京都中央区、以下「住友商事」)、住友商事の100パーセント子会社である住商グローバル・ロジスティクス株式会社(東京都中央区、以下「SGL」) および株式会社千趣会(大阪府大阪市、以下「千趣会」)は、SGLが千趣会の100パーセント物流子会社である株式会社ベルメゾンロジスコ(岐阜県可児市、以下「BML社」)の発行済株式の51パーセントを取得することに合意。
 2017年7月27日(木)、SGLと千趣会との間で株式譲渡契約を締結した。

 千趣会は、“ウーマン スマイル カンパニー”を企業ビジョンに掲げ、カタログやオンラインショップを通じた総合通販「ベルメゾン」を基幹事業とする大手通信販売事業者。

 BML社は、主に「ベルメゾン」で取り扱う商品の発送業務を行っており、岐阜県可児市および岐阜県美濃加茂市の2ヶ所でディストリビューションセンター(以下「DC」)を運営している。

 住友商事とSGLは、BML社の2物流センターにシステム運用含むオペレーションノウハウを提供することで、生産性の向上、更に高品質な物流サービスの提供を通じ、競争力の強化と利用者の利便性の向上に貢献することを狙いとしている。

 住友商事とSGLは、長年にわたり東京都心部に近い関東地区で通販事業者向けに物流センターを運営してきた。代表的な物流センターは千葉県習志野市に構える茜浜センターで、テレビ通販NO.1のショップチャンネルなどの物流機能を担っている。

 これまで空白地だった中部地区で大規模通販物流センターを運営するBML社への出資を通じてエリア補完をすることにより、更なる受注を取り込む狙い。

 日本の消費者向けEC市場は、2016年に前年度比9.9パーセント増の15.1兆円となり、2010年から約2倍に拡大した。また、EC化率(電話、FAX、相対等も含めたすべての商取引金額に対するEC市場規模の割合)は5.43パーセントと初の5パーセント超えとなったが、米国(同7パーセント)、中国(同15パーセント)と比べまだ成長余地があり、今後の市場拡大が見込まれる。

 千趣会はこうした購買環境の変化に対応し、カタログを中心とした従来型スタイルからECへと軸足をシフトし、EC販売の強化を図っている。今回、住友商事およびSGLと物流の効率化に取り組むことで、通販事業の「ベルメゾン」をはじめとしたグループ内物流の競争力を高めるとともに、コア事業へ集中できる経営体制を整える。

試される物流の競争力

 今後の市場拡大が見込まれるEC市場。ベルメゾンのように、その成長余地を見込んでECにシフトしてくる企業がどんどん増えることは明らかだ。また、その市場拡大に伴い、物流を強化し効率化していくことは必須である。

 エリア補完やサービスの向上や、シェアリングエコノミーの活用など、ありとあらゆる手法で物流の競争力を高めることが、広がるEC市場に乗り遅れないための必須条件となるのだ。

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