ディノス・セシールは「カート離脱」をこう防ぐ。紙のDMをリアルタイムで印刷・発送

ECのミカタ編集部

 株式会社ディノス・セシール(本社:東京都中野区)は、「EC」とカタログやDM等の「紙」をリアルタイムで連携させたCRMを2018年4月から本格運用を目指すと発表。その第一弾として、運営するECサイト「ディノスオンラインショップ」において、カートに商品を入れても購入に至らない「カート離脱」の顧客に対し、最短24時間で紙のDMを印刷・発送する取り組みを開始するとした。

 モバイル化の波はここ数年で一気に加速し、人々の生活に欠かせないインフラとなった。それに伴ってECも急速に発展し、インターネットを通じて購買を行う行為は今や「普通のこと」となった。

 インターネットが普及し、これまで紙媒体での通信販売を提供してきた事業者は、逆に岐路に立たされている。ディノス・セシールもその企業のひとつと言っていいだろう。もちろんすでに紙媒体と合わせてEC事業も行っている。それが「ディノスオンラインショップ」だ。その「ディノスオンラインショップ」から新たな施策として「EC」と「紙」を連携させた新たなCRMを運用していくと発表があった。

 その施策の第一弾は、「カート離脱」した顧客データをすぐに印刷へとつなげることで、メールと同等のスピード感をもって、「紙」によって顧客に対し、商品レコメンド・購入促進を図るというものだ。

 いわゆる「かご落ち」してしまったユーザーに対し、その顧客データや検討商品の情報を吸い上げ、紙のDM印刷データとして処理、顧客個別の検討商品内容を反映したパーソナライズDMを、カートに商品を投入後、最短24時間で印刷・発送するという。

 この取り組みは、Webに比べ高解像度で販促効果が高い印刷物であること、また、その内容が個別の顧客ニーズにリアルタイムにパーソナライズされていること、さらに、郵便・宅配等で確実に顧客の自宅やオフィス等に届くことなどから、プッシュメールに比べて、より高い確度で顧客の目に届くことが期待される。

 2017年9月末から2週間、テスト運用したところ、リターゲティングメールに加え、紙DMも発送した顧客の購入率の方が約20%向上し、高い結果を得たという。このテスト結果を受け、顧客特性や商品分野等に応じたCRMシナリオについて分析・検討を図り、さらにDM形式以外の紙媒体も想定しつつ、来年2018年4月からの本格運用を目指す。

「パーソナライズ」を徹底的に考え抜く

 「かご落ち対策」はEC事業者にとって避けては通れない課題だ。そこに対して、紙媒体で培ってきた技術やノウハウを融合させる施策は、企業の強みを存分に発揮できる対策のひとつだと感じる。どうしても無機質になりがちなDMに比べ「アナタのために送っています」という心意気が伝わるような「手紙」に近い感覚の案内のほうがユーザーには喜ばれるだろう。

 「パーソナライズ」というキーワードがここ最近のECのトレンドであると思う。ユーザー一人ひとりに対して、「何ができるか」またユーザーは「何を欲しているのか」を考え抜く必要性を強く感じる。これに誠実に対応していける企業が、ユーザーの支持を集め発展していけるのだ。

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