カードレス決済サービス「atone」が地方都市のキャッシュレス化に向け実証を開始

ECのミカタ編集部

カードレス決済サービス「atone」が地方都市のキャッシュレス化に向け実証を開始

 株式会社ネットプロテクションズ(所在地:東京都中央区)が提供するカードレス決済サービス「atone(アトネ)」が、総務省が実施する実証実験プログラム「StartupXAct」に採択され、京都府京丹後市をフィールドに実証されることが決定した。

 「StartupXAct」というのは、本年度より始まった総務省とNRI共同の取り組みで、「市の課題解決に関するアイデアをベンチャー企業から募集する」ものだ。

 選定されたベンチャー企業は、実証等を通して、4カ月かけてプロトタイプを開発し、最後に成果発表を行う。その後、市とベンチャー企業が合意した場合には、実際に市のシステムとして採用されるような仕組みとして機能している。

 ネットプロテクションズが提供する「atone」がその「StartupXAct」に採択され、京都府京丹後市をフィールドに実証していくと発表された。

 京丹後市の課題は、「市内の統一的な電子決済手段」がないこと。課題の背景には、東京などの大都市を中心に交通系ICカードなどの普及が進む中、小さな都市では人口規模が小さいため決済に必要な機器等への投資の回収が難しく、導入が進まないという現状がある。

 そのため京丹後市では
<必須要件>
◆鉄道・バス・タクシーなど、3種類の公共交通機関において、ひとつの認証方式により決済を可能とすること。
◆中学生や高校生、大学生、高齢者などのクレジットカードを所有していないと考えられる層が、快適に利用できるようなシステムとすること。
<付加要件>
◆将来的には地域の旅館や商店とも連携可能なシステムであること。
というソリューションの要件を求めていた。

地方都市が抱える問題を解決に導くことができるか

 今回の京丹後市が抱える課題については、atoneを通じて解決できる可能性が高く、解決後の世界に共感し応募。結果、京丹後市からもatoneのサービスコンセプトに共感を得られ参加する運びとなった。

 「atone」とは、「新しい決済インフラをつくり、取引をもっとシンプルに、スムーズに」をコンセプトにした新しいカードレス決済サービスで、ユーザー側はクレジットカードがなくても会員登録すれば誰でもすぐに利用が開始できる。携帯電話番号とパスワードの入力だけでスマホで買い物をすることが可能になり、代金は翌月20日までにコンビニにて支払いとなる。事業者側の手数料も業界最安値で提供している。

 実際に導入されて実証がスタートしてみなければユーザーの反応がどうなるのか未知数だが、地方にもキャッシュレスの波が押し寄せてきているのは事実だ。この取り組みは京丹後市だけの問題ではないはずだ。多くの地方都市のインフラがキャッシュレス化していくかどうかが占われる。今後しっかりと動向を追っていきたい。

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