プレイドが総額約27億円の資金調達を実施!世界的なSaaS企業へ向けた胎動。

ECのミカタ編集部

左:代表取締役社長 倉橋健太氏 右:代表取締役兼CTO 柴山直樹氏
(撮影/JAM HOME MADE 東京店)

CXプラットフォーム『KARTE』を提供する株式会社プレイド(以下、プレイド)は総額27億円の資金調達を実施したことを発表した。

今回の資金調達は、既存株主であるフェムトパートナーズ有限責任事業組合、Eight Roads Ventures Japan、に加え、新たに三井物産株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、みずほキャピタル株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社(※敬称略、順不同)を引受先とする第三者割当増資、及びみずほ銀行、三井住友銀行等からの借入れにより実現した形だ。

総合的な体制・施策強化へ向けた資金調達

プレイド社が提供する「KARTE」は、ウェブサイトへ来訪したユーザーの行動をリアルタイムに解析して一人ひとり可視化し、個々のユーザーにあわせた自由なコミュニケーションをワンストップで実現するCX(顧客体験)プラットフォームだ。

2015年3月にサービスを開始した「KARTE」は、高い拡張性を武器に、オンサイトに限らず様々なシーンでユーザーとのコミュニケーションができ、既存サービスとの連携も柔軟で、マーケティングの課題やニーズに合わせた様々な活用が可能となっている。

その「KARTE」が好評な同社が、総額約27億円の資金調達を実施した。今回、調達した資金は主に以下の用途に投資する予定だ。

1)マーケティング投資を本格的に開始 
2)アプリなど事業領域拡大に伴う投資及び全職種における採用活動の強化 
3)非ECカテゴリ(不動産や金融など)への本格普及やアプリ領域への拡大などで、圧倒的速度で増え続けるデータを解析しながら更にスケールさせられる開発体制の構築

また、北米、台湾、シンガポールなど、一部海外地域での「KARTE」導入が既に始まっており、海外への本格進出に向けた準備及び、「K∀RT3 GARDEN」(カルテガーデン)をはじめとした、研究開発への投資も加速させる方針だ。

ECの年間売上解析金額は実に5,480億円に

ECの年間売上解析金額は実に5,480億円に

同社は、これまでにもフェムトグロースキャピタル投資事業有限責任組合、Eight Roads Ventures Japanから約6.5億円の資金調達を実施している。「KARTE」のクローズドβ版の提供を開始した2014年7月以降における累計調達総額は約34億円にのぼる。

「KARTE」が正式にローンチした2015年3月以降、導入企業・サイト数は純増を続けており、各導入サイトのユニーク・ユーザー数を足し上げた3年間の累計解析ユーザーは22億人、導入企業の約半数となるECの年間売上解析金額は、5,480億円にもなる。

世界的なSaaSサービスと比べて遜色ない成長

売上においても、事業収益は2017年3月に単月黒字化を達成している。KARTEのようなクラウドで提供する企業向けソフトウェア(いわゆるSaaS)サービスの成長指標として、主に海外のスタートアップ業界で使われる「T2D3」を上回るペースを、オーガニックな成長(本格的なマーケティング投資前の自立的な成長)で達成しており、世界的なSaaSサービスと比べて遜色ない成長を続けている。

「T2D3」とは、「Triple,Triple, Double, Double, Double」の略で、サービス開始以降、3倍、3倍、2倍、2倍、2倍...と毎年売上が成長することを指す。主に海外のスタートアップ業界で使われる用語で、成功するクラウド・SaaS系サービスの指標となっている。実際にSalesforceやWorkday(人事向けクラウドサービス)などが、この指標に当てはまる急速な成長を遂げている。

好調なCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を武器に快進撃を続けるプレイド社。今回の資金調達は、マーケティング投資の本格化や、採用活動の強化、開発体制の構築、海外進出強化など多岐にわたる分野への投資が予定されている。すでにその数字が示しているように世界的なSaaS企業に向けた胎動を伺わせる今回の施策は、同社の輝ける未来に向けての具体的かつ確固たる意志を感じる。今後の展開にぜひ注目したい。

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