EC業界News1週間まとめ〜CCC、キタムラ買収の狙い/JCBとStripe世界戦略!リアルの世界もEC化進む
今週の記事で読まれたのはこちら。
メルカリの『らくらくメルカリ便』発送が、ついにセブンイレブンでも可能に
https://ecnomikata.com/ecnews/18700/
オルビス社も導入の高精度AIチャットボット。様々な可能性を生み出すその実力とは!?
https://ecnomikata.com/original_news/18638/
女性向け動画メディア『C CHANNEL』が、中国最大手の投資ファンドなどから資金調達を実施
https://ecnomikata.com/ecnews/18845/
潜入&独自考察 ゆうこす語る“共感”の重要性/ヤプリ社長語るスマホの最前線
https://ecnomikata.com/ecnews/18868/
GMO-PGが「GMO BtoB早払い」を提供開始。EC事業者の成長を多角的に支援
https://ecnomikata.com/ecnews/18868/
CCCはカメラの事業が欲しかったのではなく・・・
今週、注目したのはCCCによるキタムラ買収ニュース。キタムラは「カメラのキタムラ」、CCCはTSUTAYAを展開しているので、馴染みのある名前と言っていいだろう。このCCCの100%子会社である「CKホールディングス」を通じて、5月16日から6月26日まで、TOBが行われ、1株当たり1230円で買い付けることとなり、買収総額は最大で180億円。これに伴い、キタムラは「CKホールディングス」の子会社となります。
CCCはTSUTAYAや蔦屋書店、蔦屋家電などの展開するリアルな拠点を持っていますが、それを通して、売上をあげる小売的の側面ではなく、いかに消費者の情報を集めるかに重要な重きを置いているように思います。その為には、いかにコンテンツを持つかが要で、コンテンツと拠点を作り、そこを起点に消費者に有効な提案をできるかに力点を置いているように思えるのです。
つまりは、ネット化する時代の中で、逆に、リアルな場面で生活インフラとなり、様々なコンテンツから多くの人の情報を吸収し、蓄積した上で、コンテンツに生かし、またそれをリアルな拠点で提供できると考えれば、一つ一つの買収に意味があります。CCCは以前にも主婦の友社や徳間書店を買収していることからも、おそらくこれらの書籍は今までとは違った形で、他のコンテンツをきっかけに情報を得て、書籍を作成したり、またその層が集まる拠点を作ったりして、ある意味、独自の経済圏を築こうとしているわけです。
経済圏を構築する流れは中国などに対抗するには必要
勿論、CCCなりのコミュニティを形成し、それをリアルな場面を通して、それを活性化させて行香というわけです。今更ながら思うのですが、Yahoo!ショッピングはTポイントを有効活用しているわけですが、その意味において、両者はリアルとネットという部分では食い合うことがなく、それらのデータをお互いのフィールドで還元できるとしたら、メリットがあるでしょう。
先週、1週間まとめで、中国の話をしました。SNSや決済などでもわかる通り、それらの数が多すぎないように、うまくコントロールしてそれら一つ一つがしっかり収益を生むように仕向けられ、そこに人口数の多さもあって、各企業のものすごい勢いを生み出しているわけです。
日本も特に、ECなどにおいて、様々なジャンルを巻き込んで自らの経済圏を作るような動きがありますがこのようにした巨大なグループを土台にして企業体が成長していかない限り、日本の持つコンテンツは最大化されません。いずれこういう巨大な経済圏は必要になると思います。だから、グローバル化や中国のパワーに太刀打ちするには、必要な動きだと思えるので、今回の動きに関しては前向きに捉えていたりします。
StripeとJCBはグローバルな提携に見るECの潮流
あと、もう一つ。StripeとJCBはグローバルな提携に向け、覚書を締結したニュース。これってすごいなと思います。JCBは日本発祥の国際的カードブランドです。当然ながらアジアで強みを発揮しているわけですが、世界に対してうってでなければなりません。
そこで、Stripeという決済のインフラはとても興味深かったわけです。Stripeが全世界で決済をするときに必要となるプラットフォームを持っていて、多くの企業がこれを導入している。ここでJCBが使えるようになるということの意味は大きいわけです。
とりわけ、JCBIの今田社長が話していた言葉に世界的にECは成長しているからこそ、Stripeと連携する意味があると話していて、その文脈でキャッシュレスが進んでいるという話がでました。一見するとこれらに結びつきはないように思えるのですが、例えば、海外のリアルな場では、日本とは比べ物にならないくらいにキャッシュレスが進んでいて、そこにはしっかりECの技術が決済の中で生かされているわけです。
つまり、キャッシュレスの動きがリアルな場での“EC化”を推し進めているということになります。日本でこの動きが起これば、こうした決済のインフラとクレジットカード、そして電子マネーが今以上の存在感を持ってきます。
今年の初めからこの「1週間まとめ」で言っているように、間違いなくそれらが進化し、ECが進化し、今まででいうところのPCやスマホでのECにおいても、同じような感覚で決済され、いずれ決済をきっかけにリアルとネットの垣根はなくなると思っています。ある意味、国際的なクレジットブランドを持つ企業もまた、その時代の流れの中になんとか追いついてこようとするその動きを実感した次第です。
というわけで今日はこの辺で。
笑顔溢れる1週間でありますように。
また、来週お会いしましょう。