App Storeの歴史を振り返るレポート第2弾【App Annie調べ】

ECのミカタ編集部

アプリ市場データを提供するApp Annieは、アップル「iOS App Store」の2010年からの歴史を振り返るレポートの第2弾を公開した。今回のレポートでは、対象期間におけるiOS App Storeの「ダウンロード数・売上(消費支出)ランキング」を発表し、「パブリッシャーランキング」や「アプリトレンド」について分析している。以下その興味深い内容を見ていこう。

iOSアプリ全累計ランキング

iOSアプリ全累計ランキング

ゲームアプリのダウンロード数ランキング1位は、日本でもなじみ深い「Candy Crush Saga」だった。2012年4月にFacebookアプリ版からスタートし、現在に至るまで人気を堅持している。売上ランキングの1位は「Clash of Clans」だった。「Pokémon GO」は、2016年のローンチから2年しか経過していないにも関わらず、10年間の消費支出ランキングの10位に位置しており、世界中で人気を博していることが分かるとしている。

また、非ゲームアプリのダウンロードランキング1位、2位は『Facebook』関連のアプリだった。ランキング10位のうち4つが、『Facebook』をパブリッシャーとするアプリでした。消費支出ランキングについては、「Netflix」が1位となった。また、マッチングアプリ「Tinder」が5位に位置し、世界全体でマッチングアリの需要が高いことが分かるとしている。

<ゲームアプリ・非ゲームアプリランキングについて>
・全期間の消費支出:2010年7月~2018年5月
・プリインストールアプリの消費支出は分析から除外
・「パブリッシャー」の列にはリストのアプリを現在所有している企業を掲載(以前にアプリを所有していた企業は含まない)

2010年のランキング

2010年のランキング

iOS App Storeの開始から2年が経ち、App Annieが業界で最も信頼されるデータの提供を開始したのが2010年だ。非ゲーム系アプリの世界ダウンロード数ランキングの上位に、「Facebook」「Skype」「Twitter」といったソーシャルアプリやコミュニケーションアプリが入った。Facebookアプリはこれ以降、毎年ダウンロード数のトップ10に入っているそうだ。

2010年に消費支出が最も多かったアプリの1つは「WhatsApp Messenger」だった(当時は前払いで0.99ドル)。この年、iOS App Storeの全ダウンロード数の約10%が有料アプリだった。2018年の今年、有料アプリはダウンロード数の1%を切っている。

2010年に最もダウンロードされたアプリは『Outfit 7』のエンターテインメントアプリ、「Talking Tom Cat」だった。この年から『Outfit 7』の成功の2010年代が始まる。『Outfit 7』はその後、世界で70億回以上ダウンロードされているそうだ。

2015年のランキング

2015年のランキング

2015年は、中国が米国を抜いてiOS App Storeダウンロード数が最大の市場になった都市だ。消費支出で「Spotify」「Hulu」「Pandora Music」「HBO NOW」がトップ10入りした。これはエンターテインメント企業にとって最高の成績で、iOS App Storeが収益性の高いストリーミングプラットフォームであることを示しているとも言える。

2018年のランキング

2018年のランキング

2018年は5月末の時点で、中国の人気ショート動画プラットフォームでソーシャルネットワークでもある「Tik Tok」が、世界のダウンロード数の1位に躍進した。「Tik Tok」のユーザーは、短い音楽動画を自作し共有することができる。開発元は最近、中国本土だけで1日あたりのユーザー数が1億5000万人を超えたと発表している。また「Netflix」は、2018年に入ってもiOS App Storeにおける消費支出1位の座を維持した。要因として国際展開の継続を挙げている。

どうなる今後のApple

洗練された独自のデバイス群とiOS、そしてApp Storeなどコンテンツでも自社のプラットフォームを張り巡らし、まさに巨大なエコシステムとして現在も存在感を発揮し続けるApple。今回の約8年間を振り返るApp Storeの歴史を見ても、まさにアプリ市場そのものの変遷を物語る内容となったようだ。

有料アプリと無料アプリの比率の変化を見ても、同市場で展開されるビジネスモデルにも大きな変化があったことがうかがえる。デバイスそのもののラインアップと戦略が大きく変化したAppleだが、同社がデバイスメーカーとしての宿命を背負う一方で、ユーザーの手の平に収められた端末上で新たにECやアプリをどう展開させようとしているのか、さまざまな想いをこめながらその行く末に視線を送りたい。

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