楽天「2018年度第2四半期決算」発表 楽天が親会社となりEC子会社を来春配置
楽天株式会社(以下、楽天)は、先ほど、2018年度第2四半期決算決算説明会を開催した。説明会の中では武田和徳氏による「ワンデリバリー構想」など改めての説明があったが、ここでは業績と新しくわかった事実を記載したいと思う。
業績ハイライトをあげると、下記のようになる。まず売上収益は成長し18.5%増(前年同期比)となり、ノンギャップ営業利益は83.1%増(前年同期比)となっている。国内ECに関して言えば、その内訳を見てみると売上収益は1015億円(YoYは6.8%増)、営業利益は148億円(YoYは19.1%減)となる。
その他、コミュニケーション&スポーツとその他インターネットサービスを含めたインターネットサービスセグメントに関して言えば、売上収益は1890億円(15.8%増:前年同期比)、営業利益は389億円(159.3%:前年同期比)となった。なお、フィンテックセグメントにおいては売上収益1052億円(28.2%増:前年同期比)、営業利益240億円(31.5%増:前年同期比)となっている。
今後の展望を語る上で、同社が強調したのが楽天エコシステム(経済圏)のより一層の拡大だ。彼らの説明によれば、ユニークユーザーとクロスユースを掛け合わせた「述べサービス利用者数」のそれぞれのLTVを高めていくということが、彼らの成長の基盤と位置付けていて、その指標を一言で言うと「楽天エコシステム(経済圏)メンバーシップバリュー」といい、その向上に努めるとした。
2018年度第2四半期の段階においては「楽天エコシステム(経済圏)メンバーシップバリュー」について4兆円としているが、今後、これを10兆円にしていくとした。その中で注力する分野については、EC(ワンデリバリー)、Fin Tech(決済)、MNO(通信)として、これをID、ポイント、ブランド、ビッグデータを組み合わせて、最大化に努めるとした。またビッグデータとグローバルネットワークは広告事業と投資事業に活用していくとした。
ECにおいての説明で「ワンデリバリー」を強調しており、そのトップにかつて楽天の物流に関わった武田和徳氏がいることで、物流への意気込みの強さを感じさせた。
楽天のEC向けの子会社が来年創設されてECはそこが関わる
また、この勢いに拍車をかけるべく、社内の環境も変革を行い、新グループ体制へと移行していく。具体的には、2019年2月に楽天(上場会社)はID、ポイント、データ、ブランドを扱う企業となり、そのもとに会社分割をして、コマース向けの企業、モバイル向け企業、カード企業など楽天の冠がついた(楽天コマースカンパニーのような)企業を配置するとした。
主に、楽天としてはインターネットとそこに絡む金融の総合企業となり、そこで統一IDを利用することにより、顧客へ相互にメリットを提供しやすくする。そこにさらにビッグデータなどのテックを使っていくものと思われ、ECでの価値の発揮の仕方はこれまでと変化していく。店側もそれに対する理解が求められることになりそうだ。