顧客のおもてなし改善への課題などを明らかにする調査が実施される【サイトコア・アバナード共同調査】

ECのミカタ編集部

2018年8月23日、シアトル、サンフランシスコ発―業界をリードするデジタル・イノベーターであるアバナードと、エクスペリエンスマネジメントソフトウェアの世界的リーダーであるサイトコアは、世界11ヶ国1,440人のCIO、CTO、CMO、その他経営幹部を対象にしたCX(カスタマーエクスペリエンス)に関する共同調査を行った。

CXに改善の余地ありとする担当者が過半数

今回の調査では、企業の95%が「カスタマーエクスペリエンス(CX)に改善の必要がある」と回答していることが明らかになったという。当該調査によれば、マーケティング担当者の60%以上が自身の組織のマーテク(マーケティングテクノロジー)を活用することで、大きな収益をあげ、売上増に導く機会があると答えている。

マーテクは重要だが課題も山積

マーテクは重要だが課題も山積

調査結果の概要は次の通りだ。

◆マーテクは、正しく実施されれば素晴らしいCXの基礎となる

ほとんどの企業ではCXの達成が困難であると感じている。回答者全体の約3分の2 (63%)および日本の回答者の88%は、CX、カスタマイズおよびデータ分析を理解する上で、組織の成熟度がさほど高くないことに同意している。

◆マーテク上の問題はビジネス全般に影響を与える可能性がある

マーケティング担当者の約半数が、「適切なマーテクスタックを利用しないと、一貫したCXの提供に苦戦し利益の回収にも困難が生じる」と回答している。

◆企業はマーテクの優先度について考え直し、AIおよびアナリティクスを導入して活用することで、基盤を再構築すべき

マーテクは、自社にとっての顧客のニーズを特定し、CXを改善、そして来たるべき将来に向けて整備するための鍵となる。しかし、回答者の過半数は未だAIを採用したり、アナリティクスを最大限活用できていない。

◆チームのスキルやトレーニング、そして採用の見直しは、企業の競争力維持に効果的

企業は最高の人材を確保しつつも、最良のパートナー企業を探し出すことに注力し、彼らの協力を得ることで、自社社員を教育することもできれば、協働によってさまざまなスキルセットを補完することもできるだろう。現在、半数以上のマーケティング担当者が「マーテクスタックは使いづらい」と回答している上に、それよりも多くのIT担当者が「マーケティング担当者はマーテク実施に必要なトレーニングを受けていない」と回答している。

◆企業はCMO、CIO、およびCDO(チーフデジタルオフィサー)への新たなる役割分担と責任範囲の拡大から利益を得ることが可能

「マーケティング、IT、そしてデジタルの担当者間での連携不足が、優れたCXの提供を阻害している」と多くの回答者が指摘している。テクノロジーとマーケティングのバランスを取ることが顧客との関係性を強化するための急務となっている。

マーテクスタックは収益を牽引する中心的存在になれる

今回の調査に際して、両社のキーマンは次のように述べている。

アバナード株式会社 CTIO(最高技術革新責任者)の星野友彦氏

「優れたCXは3倍ものROIを企業にもたらしますが、これを達成するためにはマーテクを導入し最適化する必要があります。ITとマーケティングリーダー間で連携が増え続けているのはその一環でもありますが、信頼に値するパートナーを得ることこそが強固な顧客関係を構築する上で最も重要であり、ただのコストとしか認識されていなかったマーテクスタックが収益を牽引する中心的存在へと変革する助けになるのです」

サイトコア株式会社 代表取締役の酒井秀樹氏

「日本ほどカスタマーエクスペリエンスを重要視する国、そして得意とする国は、世界を見渡しても、そう多くはありません。しかし、デジタルの世界に目を向けてみると、本来日本が得意とするこの顧客へのおもてなしを実現できていないと感じています。本調査では、日本のみならず世界各国でも、同じような状況であることがわかりました。一方で、マーテクの活用と部門間の協働で、顧客体験を高められるという解決の糸口も見えています。重要なのは、顧客の細かなニーズを理解し、顧客毎にきめ細かく、常に最適な情報を提供することです。そのため、さまざまな施策を考え、迅速に実行し、そして改善を繰り返す必要があります。これは、製造業の改善活動と似ており、日本人の得意とするところだと思います。サイトコアとアバナードは、まさにこの点において、力を合わせ、日本企業を支援してまいります」

マーテクをより効率的に導入・活用しROIを生み出せるようにする

EC事業のみならず、顧客体験や買い物体験の最大化は、リピーターを増やし、企業やブランドと消費者の信頼性を醸成する上でカギとなる。そうして生み出されたロイヤリティは、根強いファンを生み出し、売上を通して企業収益にも直結していくことになる。

一方で、今回の調査にあるように、各事業体のマーケティングの現場では、定量化できるメソッドの蓄積や知見、人材や自動化の面で課題をいくつも抱えていることも浮き彫りとなった。いわば手探りとも言える状況がマーケティングを日々展開する当事者や組織の中には存在することになるが、そこへ知見を有する両社のような企業が支援をすることは大きな意義があるだろう。

まさにアバナードとサイトコアは、日本企業のマーケティング部門とIT部門がマーテクをより効率的に導入・活用しROIを生み出せるようにするため、その支援にさらに取り組んでいくとしており、各企業の課題解決の面での今後の展開に期待がかかるところだ。

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