EC業界News1週間まとめ〜ユニクロのEC本腰/wajaのMBO等ファッションECに求められる早さそして物流

石郷“145”マナブ

編集長の石郷です。
さて、今週、読まれたのはこちら。

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BASE、60万店を突破!数々の才能に光を与えた功績はいかに
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DMMがアフリカでEC事業を行なっているお話#1
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世界のECの“いま”と“これから”を明らかにする最新調査が実施される【クリテオ調べ】
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ECへの影響は?大王製紙がダンボール原紙全品種の値上げに踏み切る
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ヤマトとヤフーが配達をスムーズに。配達指定をアプリで連携
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wajaのMBO/自分達が決断して行く方向に転換

 つい先日、wajaがMBO(マネジメントバイアウト:経営陣買収)をしたと言う発表をしました。wajaはファッションECとしてはさきがけのほうで2003年。その中で、世界に散らばるバイヤーとお客様を結びつけて、その過程の中で倉庫やカスタマーセンターなど、フルフィルメントとしての力もつけて来ました。

 その強みを生かしながら、支援企業としての側面も見せつつ、もともとCtoC的な要素を持つ企業であったわけで、その中で急成長をする同様の国内CtoCなどの企業を横目で見ながら彼らもまた独自性をどう出していこうかと考えたのかもしれません。リブセンスがwajaの株を買収したのは2015年のことでした。

 当時はスマホの台頭によりショッピングが多様化して行く中で、挑戦が必要だとする一方で、見極めも大事だったのかもしれません。経営としては株主が外にいて客観的、かつ冷静な判断をして、しかるべき方向を皆で考えて行く必要性があったのかと思っています。ネットを通して急成長を果たしたリブセンスの考えをECでも応用して、発想を吸収することはメリットであったでしょう。

 その一方で、スマホを通して人々の生活に浸透する速度は加速していて、またECの新たな方向性は徐々に見えてきている気がします。同社の代表取締役CEOの村田高宗さんは自分のブログで、改めてMBOのメリットとして意思決定のスピードが上がり、スピードにより会社の適応力が上がると言っています。冷静な判断を通して、ECを考えて行くフェーズは一旦終えて、体勢が見えてきた中で、これからは早さと行動力が重要なのだと判断したのかもしれないです。

ユニクロもECに本腰を入れてきた

ユニクロもECに本腰を入れてきた

 現に、先週末にはユニクロを展開するファーストリテイリングが国内ECの倉庫の自動化をはかる為、マテリアルハンドリングの企業ダイフクと戦略的パートナーシップを結びました。

 一つに、ファーストリテイリンググループのブランドの国内外における倉庫自動化にむけ、世界最新鋭の自動化設備を開発・構築。また、ファーストリテイリンググループのブランドの国内外における倉庫自動化の計画、実行およびメンテナンスに対応するため、両社から特別チームを編成し、よりよい物流環境の構築も。さらには、自動化設備の導入にあたり、その設計・機器・資材、および専門的人材の調達、建設ならびに試運転を含む全過程における業務を一貫して推進し、最短での自動化設備導入をめざすとしており、物流システム開発の協働もすると言います。

 彼らがメーカーであり、またそのメーカーとしての強みを最大化する為に、顧客ニーズを迅速に形にできる仕組みとそれをECという部分で送り届ける多様性を身に付けようとしています。グローバルな目線にたてば、アパレルは受注生産に近い形で、すぐに商品化できるようになっており、トレンドが多様化し、一人一人のその時のニーズに合わせて提案する方向へとシフトチェンジしています。

 テクノロジーの変化やそれによる生産環境の変化は特に、ECを基軸にファッションにおける変化をもたらしています。生産側もECとそれを実現させるため倉庫の環境などに、本腰を入れて行く中においては、暴走はいけないですが、勇気ある挑戦とその挑戦をしかるべきタイミングで実行する素早い行動力が問われるようになったことを、wajaの話題は気づかせてくれたように思います。

 ユニクロとは違った意味でのファッションの変貌をECの局面から見せて欲しいと思いました。エールを込めて、これからこそ仕掛けするべき時だと考える彼らがどんなことをしてくるのかに期待したいと思います。

EC環境もドラマに「獣になれない私たち」新垣結衣さんの横には・・・

別件ではありますが・・・
 日本テレビ系ドラマ「獣になれない私たち」(毎週水曜10時)に関して。主演の新垣結衣さんの勤めるオフィスがECサイト構築ということで、実際に、ECサイト構築の会社を参考にして、オフィスを作っているそうで、ECのミカタを読んでいる人達にとっては、馴染みのある環境に感じられるのではないでしょうか。それだけECサイトが仕事の一つとして、浸透してきているんだと思いました。中身も仕事で誰しも起こりうる部分があって、共感を持って楽しく見ることができるのではないでしょうか。

 ちなみにですが、そのドラマのオフィスにあるマガジンラックに「ECのミカタ通信」と「EC業界大図鑑」が並び、壁にうっすら「EC業界相関図」が貼られていて、弊社社員一同、このドラマには、親近感を持って見ていたりします。多分、この企業がドラマではなくもし現実に実在したら、急成長するでしょうね。

 では笑顔溢れる一週間でありますように。
また来週お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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