アリババだけではない。JD.comが2018「独身の日」セールで過去最高取引額1,598億元(約2.62兆円)を達成
中国市場を牽引するECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)」を運営する中国・小売業No.1の大手EC&小売インフラカンパニー京東集団(ジンドンしゅうだん)(代表:劉強東 本社:中華人民共和国 北京市 NASDAQ:JD)は、2018年11月1日~11月11日で開催した「独身の日」セールの取引額が1,598億元(約2.62兆円)に達したことを公表した。なお今年の取引額は昨年対比25%増の過去最高記録となったとのことだ。
さらに進むオンラインとオフラインの融合
京東によれば今年の「独身の日」セールではブランド品や輸入品の購入が増加する結果となった。期間中に最も売れた商品は、携帯、エアコン、ノートパソコン、テレビ、洗濯機だった。輸入品ではカメラ、製麺機、おむつ、スポーツシューズ、髭剃りが最も売れた商品となっている。国別ではアメリカ、日本、ドイツ、オランダ、韓国の製品が人気でした。また若年層の購入率も上がったとしている。
高級ブランド専門のECプラットフォーム「TOPLIFE」はキャンペーン開始の2時間で、売上が618セールの14倍と大きく伸びた。また、オフラインにも注力し、リアル店舗と提携したキャンペーンを実施した。生鮮食品からファッションブランドまで1000ブランド60万店を超えるリアル店舗が京東と提携し、顧客へオンライン・オフラインの境界をなくしたショッピング体験を提供した。オンラインとオフラインを融合させることで、顧客の利便性を向上し、今回の最高取引額達成につながった。
独身の日ハイライト
◆オンラインとオフラインを融合させたO2Oサービス
京東と提携したリアル店舗では顧客がオンラインとオフライン双方で、キャンペーン情報を得ることができる。顧客の希望に合わせ、リアル店舗でもオンライン上でも商品を購入することが可能だ。また、リアル店舗への来店促進のため、京東と提携した110ブランドそれぞれに様々なSNSミニゲームが企画された。例えば、WeChatの万歩計機能を利用したゲームでは、歩数に合わせユーザーにポイントを付与し、集めたポイントは、リアル店舗への来店で商品と交換ができる。SNSミニゲームは1.8億人が利用し、大きな来店促進となったようだ。
◆「独身の日」期間中の物流を支える京東の配送網・技術
京東は50箇所の無人倉庫及び自社配送網により、セール期間中においても、90%の注文を当日もしくは翌日に配送している。またセール期間中、ドローンは約2万回飛行し合計12万キロに及び荷物を届けた。カスタマーサービスでは、AIサポートサービスが約1630万回対応し、そのうち90%はAIサポートサービスだけで完結することができたとしている。
消費者やブランドとの信頼関係を確立していく
今回の発表に際し京東集団CMO兼京東モールCEOである徐雷氏は次のようなコメントを出している。
「輸入品やブランド品を購入する消費者が増加していることから、中国では価格以上に品質を求めていることがわかります。京東は自社の“偽造ゼロ”の方針とブロックチェーン・トレーサビリティの革新で、この需要に応えられると考えています。そして消費者やブランドとの信頼関係を確立していきます」
中国市場をECの力で牽引する京東。2018年「独身の日」の取引額をみても、その存在感は圧倒的なものがある。また同社はオンラインとオフラインを融合させるオムニチャネルの面でも独自かつ強力な施策を展開しており、今回の結果にもその成果がはっきりと表れていると言えそうだ。