広告展開における消費者意識の分析が可能に

ECのミカタ編集部

株式会社サイカ(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:平尾 喜昭、以下「サイカ」)は、株式会社ディーアンドエム(本社:東京都新宿区、代表取締役:杉村 昌宏、以下「ディーアンドエム」)と業務提携し、サイカが提供する広告効果分析ツール「XICA magellan(以下 マゼラン)」で、ディーアンドエムが提供する生活者意識調査データを利用して分析することが可能になった。

支持を集める広告分析ツール『マゼラン』

サイカ社によれば、近年の消費者ニーズの多様化・細分化に伴い、企業の広告戦略も複雑化しているという。その状況において、オンライン広告はWebのログなどの行動データで、オフライン広告はブランドリフト調査などのアンケートで、一般的にはそれぞれ個別に効果測定が行われていると指摘する。

その状況を踏まえて『XICA magellan(サイカ マゼラン)』は、ウェブ広告(リスティング広告、動画広告など)やテレビCM、交通広告など多種多様な広告効果を統合的に分析し、広告予算の最適な配分案を算出することで、企業の全体最適なマーケティング活動を支援するツールとして生まれた。提供開始から約2年間で既に国内大手企業を中心に80社以上で導入されており、支持を集めている。

そのマゼランだが、今回のディーアンドエム社との業務提携により、オンライン広告・オフライン広告の統合的な分析をさらに発展させ、①「分析結果の変動要因の把握」、②「より緻密な広告戦略のチューニングとマーケティング成果のシミュレーション」が可能になるという。

消費者の意識をとらえて分析する

サイカ社では提携によって実現する内容について、次のようにまとめている。

【1】分析結果の変動要因の把握

出稿量に変化がないにもかかわらず、マゼランの分析で示された広告施策の効果が急激に下がった(上がった)場合に、その要因について、消費者意識(広告接触者の属性、広告訴求内容評価、購入意向など)を調査した上で、広告接触者のプロファイルからターゲットのアンマッチ度の確認、ターゲットに対する訴求内容の適切性などを分析することで、広告効果の向上に重要な要素を検証することができる。

マゼランの分析およびシミュレーションの結果を深掘りするため、マーケティングデータからは見えてこない広告効果が変動した要因を定量的な調査により把握し、その結果をマーケティング施策に活用する。

【2】より緻密な広告施策のチューニングとマーケティング成果の予測

売上、広告出稿量、広告出稿日時などの「量的」データに加え、ブランド認知、ブランド好意度、ブランド購入意向などの、消費者の「意識」データが日次ベースで取得できるようになったことで、消費者の「意識」データを「マゼラン」にインプットし、認知率、好意度などの指標が、マーケティング成果にどのように作用するものなのかを把握でき、マーケティング成果のシミュレーションに活用することが可能になる。

意識調査データを「マゼラン」の統合分析モデルに組み込むことで、各種マーケティング施策により、認知率や好意度がどのように変化するのか、その認知率や好意度が1pt向上することにより、売上がどの程度向上するのかを可視化する。

広告のネットとリアルにわたる統合分析をさらに深化

前述のように『マゼラン』は、日次・週次単位のデータを分析し、「オンライン・オフラインを横断した広告効果の評価」、「投資対効果を最大化する予算配分」を支援するツールだ。

しかし、多くの企業において、売上や広告出稿量、広告出稿日時などの「量的」データは日次・週次単位のデータが存在する一方、認知度や購入意向度などの「意識」データは日次・週次単位のデータが存在せず、そのため、広告効果の上下変動要因(出稿量が変わらないにもかかわらず、分析結果で示された広告施策の効果が急に下がった場合の要因など)の把握は難しい状況だった。

また、ディーアンドエム社においても、デジタル広告分野でのアトリビューション分析や、オフライン広告分野も含めた広告接触者へのブランドリフト調査、広告効果の上下変動要因調査などを提供し、顧客企業における広告効果の可視化に貢献しているものの、オンライン広告・オフライン広告を統合した広告効果を把握するソリューションとしては、調査をベースにした意識データの提供に留まっていたそうだ。

そのような状況を前に今回の業務提携により、オンライン広告・オフライン広告の統合的な分析をさらに発展させ「分析結果の変動要因の把握」「より緻密な広告戦略のチューニングとマーケティング成果のシミュレーション」が可能になるのだ。

EC事業を考える上でもペイドメディアたる広告への出稿は有力なプロモーション手段であるのは言うまでもない。しかしそこでの広告効果、特に消費者の意識を定量的に把握することには大きなハードルがあった。今回の両社の提携により、その困難な分析が可能となることは画期的であり、広告出稿とその成果、そしてマーケティングのサイクル精度向上が飛躍的に高まることが期待される。

 


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事