ZOZOとAmazonのフルフィルメントサービス比較してみた
「フルフィルメント by Amazon」と「Fulfillment by ZOZO(2019年10月開始予定)」、どちらも指定の倉庫に商品を集めて保管し、配送までに必要な業務を事業者の代わりに対応してくれる。
それぞれのサービスをまとめてみた。
保管から発送まで一気通貫 強みを生かしたサービス展開
基本的にサービスの特徴は大きく変わらないといっていい2つのフルフィルメントサービス。大前提として、2つのフルフィルメントサービスはそれぞれAmazon・ZOZOに出品・出店を行っている企業向けのサービスだ。
商品を指定の倉庫に預けることで、在庫保管から発送までの業務をAmazon・ZOZOの倉庫スタッフが対応してくれる。事業者が委託する主なメリットとしては、倉庫業務に関わる人件費の削減、設備投資が必要なくなることでの費用の削減と、業務効率化されることで空いた時間をマーケティングに割けることが挙げられる。
梱包といった消費者の目に止まる業務はもちろんだが、他の業務に関してもAmazonクオリティ、ZOZOクオリティでのレベルで対応してくれるのも強みの一つだ。
では、何か違いはあるのだろうか。
まずAmazonのFBAは、配送や返品に関するカスタマーサービス、また返品受付もAmazonが対応する。ZOZOはカスタマーサービスに関しては追加オプションで対応可能だ。
逆にZOZOのフルフィルメントサービスではささげ業務をZOZO側で対応可能としている。ZOZOTOWN分を作成し、自社ECにも自動連携することが可能になるため、クオリティの高い商品写真にも関わらず、社内のリソースを割くことなく対応が可能になる。
アパレルに特化した巨大倉庫だからこそできる取り組みだ。
それぞれの費用体系
FBAは2019年2月に配送代行手数料の指標を独自体系から、物流業界の基準に準じた形で料金体系を変更している。その結果、配送料金は値上がりし、多くの事業者の悩みの種になっている。
とはいえ、FBAが他の物流サービスと比べるとトータルで安いのは間違いなく、プライムマークが付与されることで、売上向上に寄与するサービスであることは頭に入れておかなければいけないだろう。
Fulfillment by ZOZOの利用料金は以下になる。
最も気になる点としては、戦略パートナー向けの価格だ。運営手数料や、API等を利用して在庫データ等を連携するためのシステム利用料に関しても通常プランに比べると安価な設定となっている。
戦略パートナーになるためには、在庫欠品率を低減させるために、店舗在庫連携等を実施することが条件になる。この条件をクリアできると、フルフィルメントサービスをお得に活用でき、ZOZOTOWNと自社ECのログインID連携、ZOZOTOWNの顧客データ基盤を活用した決済サービスの提供、ZOZOTOWNの売上データ等を活用した支援などを行う予定だという。
Fulfillment by ZOZOは、2019年10月開始予定で、2019年5月20日に申し込み受付を開始している。すでにMARK STYLER株式会社の「RUNWAY channel」や、株式会社ストライプインターナショナルの「STRIPE CLUB」、ラルフ ローレン株式会社の自社ECサイトなどが参加を表明しており、アパレル特化のフルフィルメントサービスの需要が伺える。
ZOZOにとってもZOZOTOWNに良い商品在庫を常に入れておきたいという考えがある。プラットフォームとブランドの両方にとってWinWinであるサービスになることに期待したい。