決済業界を新たなフェーズに ネットプロテクションズとJCBの資本業務提携で変わること

西村 勇哉

NP後払いやatone、BtoB向けのNP掛け払い、台湾向けの後払い決済「AFTEE」など幅広い決済サービスを提供している株式会社ネットプロテクションズは後払い決済の先駆者として国内事業を牽引してきた。そのネットプロテクションズと日本唯一の国際カードブランドであるJCBがこの度資本業務提携を結んだ。今後の決済業界を考える時に両社の動きは注目を増していくことは間違いない。

どのような将来像を描いているのだろうか。株式会社ネットプロテクションズの代表取締役 柴田氏と執行役員の秋山氏にお話を伺った。

実務で培った信頼

秋山:もともとネットプロテクションズはJCB様が展開しているSmart Codeとatoneの連携を2019年から行っておりました。もちろん最初から資本業務提携といった話は出ていたわけではありません。しかし、徐々に導入店舗が増えていく中でatoneも貢献させていただくことができ、ご評価いただけておりました。さらにはBNPLの需要がグローバルで伸びている昨今、JCB様としてもBNPL領域に非常に高い関心を持っており、さらなる協業深化について検討いただいていました。。

ネットプロテクションズとしても多くの企業様と様々なお話をさせていただきましたが、その中でも両社のことをより理解し合えている点で今回の話が前に進みました。

ーーどのような目的が一致したのか。

秋山:JCB様は日本唯一の国際カードブランド、加盟店様のネットワークやユーザー様からの信頼、さらにはサービス運営のオペレーションなど学べる部分は非常に多くあります。そういった中で弊社のサービス品質のレベルアップ、ユーザー様への認知度向上を期待しております。

そして弊社のサービスレベルが上がることこそ、JCB様が期待されているBNPLマーケット参入につながっていくと考えております。

ーー後払いとクレジットカード、同じ決済だが食い合ってしまうことはないのでしょうか。

秋山:後払いとクレジットカードは補完関係にあると考えています。NP後払いもatoneもクレジットカードを必要とはしておらず、カード利用ユーザー様との棲み分けができています。実際に、弊社サービスを導入した事業者様の決済シェア率は、クレジットカード利用率には大きな変化は見られないことが多いです。それよりも代引きやコンビニ前払いなどカードを使用しない決済シェアが後払いに寄るケースが目立ちます。

柴田:カードを持っている方は引き続きクレジットカード、持っていない方に後払い、このようにユーザーニーズを網羅的に満たせることはネットプロテクションズとしてももちろん、JCB様も同様に期待されていることだと思います。

EC業界の決済は変わっていくのか、NPが考える業界課題

柴田:ECの決済システムはここ20年で大きく変わってきていません。これは見方によって、ニーズを満たしているという見方と新しいサービスを提供できていないという2つの側面が見えてくると思います。

例えばクレジットカードはとても利便性の高いサービスですし、ECでの利用比率は最も多く利用ニーズは幅広いですが、なりすましなどセキュリティには課題もあります。一方、後払いは自身の手で支払う必要があるため手間は発生しますが、その分確認を都度で行えるためセキュリティに安心するユーザー様も多いです。

それぞれの強みと弱みを理解し、良いところを統合していくためにも今回の提携は大きな意味を持つことになると考えています。

秋山:2020年はコロナの影響もあり、対面接触が減ってきています。配送面でも置き配や宅配ボックスが普及したことで、より拍車がかかっています。決済においても同様に代引きの決済シェア率が減っております。後払いも請求書を発行し、コンビニで支払いを行うケースが多いです。NP後払いではLINE Payでの支払いも可能にはなっており、必ずしも対面接触を伴うわけではありませんが、後払いの支払い方法としてクレジットカードを追加する新しい決済フローなどを構築していくことも今後の動きの視野に入れております。

柴田:今までは棲み分けの関係でした。そのため、連携などの話をしたことはありませんでした。だからこそ、今回の提携は新しい道を模索するきっかけになっていくと感じますし、社会実験レベルで大きな可能性を秘めています。今まで当たり前になっていた決済の常識を良い意味で改善構築できると考えています。

今までは横に、これからは深く

柴田:創業してから今まではatoneやAFTEEなどサービスを増やす横の動きに会社として力を入れてきました。その結果、atoneやNP掛け払いは投資を行なった分だけの成長が見込めるサービスまで力をつけることができていますし、AFTEEも順調に成長しています。これからは横に広げてきたサービスの多くを深堀していく動きに力を入れていきたいと考えています。より多くの事業者様へご導入いただき、利用ユーザー様も増やしていくマーケティングを展開していきたいと考えています。

秋山:私たちネットプロテクションズは後払いの決済プロバイダという印象が強いのではないでしょうか。これからは今までの事業を超えて、決済事業だけにこだわらず、海外も見据えて、新しい領域に挑戦していきたいと考えています。そのためにもJCB様のような影響力の強い企業と資本業務提携を結んだのは大きな一歩です。

柴田:ネットプロテクションズは「つぎのアタリマエをつくる」を理念にあらゆることに挑戦してきました。その一つがティール組織です。社員200人規模でありながら階層がない働き方から、若いメンバーが自主的により良い社会を作るためのアプローチを行っています。

事業面では、450万人超の会員に向けた広告・販促事業を模索しております。加えて融資といった他領域への展開も考えられます。ネットプロテクションズはBtoCとBtoB両方で決済サービスを展開しているため、さまざまな可能性があります。

新しい事業を進めていきつつ、会員数も1000万人を目標に施策を展開していきます。JCBとの資本業務提携はあらゆる可能性をもたらすでしょう。両者の強みを活かし、高い相乗効果を発揮できるように今後も事業成長を続けていきます。


記者プロフィール

西村 勇哉

メディア運営事業部 編集チーム所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
たまにメルマガに登場しますが乃木坂46の話しかしません。
連絡先→nishimura@ecnomikata.co.jp

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