「楽天NATIONS」楽天独自の文化が生み出した店舗コミュニティ

西村 勇哉

「楽天NATIONS」楽天独自の文化が生み出した店舗コミュニティリード:日々のEC運営は孤独である。会社内で少人数、もしくは1名でEC運営を行っている事業者は珍しくない。しかし、1人であるがゆえに業務に関する質問ができる場もなく、ノウハウもなかなかたまらない。そんな中、楽天が2016年から行っている「楽天NATIONS」をご存じだろうか。EC事業者同士の交流の場でもあり、リーダー店舗と呼ばれる楽天内で大きく成長した事業者の話を聞くことや質問をすることができる取り組みだ。コロナの影響で2020年以降はオンラインで行っているとのことだが、ECで横の繋がりを作る貴重な場であることは間違いない。では実際にどのようなコミュニケーションが生まれているのだろうか。楽天株式会社の射羽氏と、リーダー店舗として登壇した株式会社イングリウッド代表取締役社長兼CEO 黒川隆介氏に伺った。

【チャレンジ店舗】と【リーダー店舗】が切磋琢磨し合う

射羽:「楽天NATIONS」は、「楽天市場」に出店しているEC事業者様のコミュニティです。そこでは、事業者様が培ってきた各々の経験やノウハウなど、生の情報を交換している場になります。事業を成長させたいと考えているチャレンジ精神の高い方々が多く、活発な場となっております。

大きな特徴としては、事業を成長させたいと考える【チャレンジ店舗】の方々に対して、「楽天市場」で実績を積み上げてきた【リーダー店舗】が様々なノウハウを伝え交流する役割を果たしてることです。楽天としてもチャレンジ店舗の皆様にあらゆる情報をお届けできるように、150Pを超える講座資料を作成しています。講座終了後にも振り返りを行える教科書としての活用ができます。

以前はオフラインで開催を行っていましたがコロナの影響で今は全てzoomでの実施です。そのおかげで全国の事業者様が参加できるようになったことは大きいです。また、オンラインだと活発性が落ちてしまうのではといった懸念もしていたのですが、全くそんなことはなく以前と変わらない熱の高さを感じています。

ーー「楽天NATIONS」の期間が終了した後、参加した店舗同士はどのような関係性になるのでしょうか?

射羽:「楽天NATIONS」は月商毎の講座を半年間行います。その間には、リーダー店舗からノウハウを教えてもらうだけではなく、チャレンジ店舗同士でのグループワークも行います。チームを大事にすることで芽生える仲間意識は「楽天NATIONS」終了後も続きます。ECの悩みは尽きることはないと思います。「楽天NATIONS」後も、相談できる仲間を作れる場として、大きく貢献できると思います。

リーダー店舗が考える楽天への恩返し

黒川:イングリウッドは2005年に創業し、その年にすぐ「楽天市場」に参入しました。当時はオンラインで商品を購入することがそれほど一般的ではなく、自社だけでデジタルマーケティングを行うことには大きな課題がありました。しかし、「楽天市場」は当時から集客力があったため、魅力を感じていました。

成長を続けてきた私達ですが、その背景には多くの方々のご協力があったことは間違いありません。「楽天市場」にも大変お世話になりました。ECCの方には、「楽天市場」における店舗運営のサポートだけでなく、メンタリングのようなことも行っていただき、成長期のイングリウッドを支えていただいた御恩があります。

おそらくイングリウッド以外にも、EC黎明期から「楽天市場」に出店していた企業で同様の想いを抱いている所は多いのではないでしょうか。

「楽天NATIONS」のリーダー店舗のご連絡が来たときも、「楽天市場」に育てていただいた御恩を少しでも返すことができればと考え、参加を決めました。「楽天市場」は昔とは違い、大きな組織になり、出店店舗数も5万を超えています。ECCが5万もの店舗全てに深いコミュニケーションを行うことは正直難しいのは、想像に難くないでしょう。そのため、「楽天市場」にお世話になった私達が「楽天NATIONS」のリーダー店舗として、同じ仲間であるEC事業者にノウハウをご提供することはとても前向きに捉えています。

実際、リーダー店舗として他の店舗さんとお話をさせていただくと、私達が今までつまずいてきたことの多くを他の店舗さんも同様に悩みとして抱えています。それらを改めて教えることで自ら腹落ちすることも多く、イングリウッドにとっても大きな学びがあります。

リーダー店舗から見る「楽天NATIONS」のメリット

黒川:「楽天NATIONS」はECのノウハウを教える場としても貴重ですが、それ以上に横のつながりを作ることのできる場でもあり、経営者のメンタリングの場として非常に魅力があります。

EC事業者の多くは少人数で運営を行っており、担当者がそのまま経営者または責任者ということが珍しくありません。EC運営と経営は一見似ていると思われがちですが、別物です。リーダー店舗からは経営者も多く参加しており、ECのノウハウだけではなく経営に関するメンタリングも受けることで事業の成長が圧倒的に加速するため、「楽天NATIONS」に是非参加することをお勧めします。

ノウハウ提供を行うことで私達に不利益が発生するのではといったお声をいただくこともあります。EC業界は横同士のコミュニケーションが希薄で、店舗同士の助け合いの文化があまりないためにこのようなご意見をいただくのかもしれませんが、そのようなことはありません。

なぜなら、「楽天NATIONS」で提供するノウハウは、私達が培ってきたノウハウの中でも多くの店舗に共通して必要になるものがメインだからです。いわば、スタートラインの立ち方です。意外に多くの店舗が誤ったスタートラインから走っているため、いつまでたってもゴールに辿り着かないのです。時には販売している商品の見直しからアドバイスさせていただくこともあります。

正しいスタートラインに立った後の走り方には共通項は少なく、商材によって様々ですが、「楽天NATIONS」はより基本的なところからみんなで情報共有を行う場なのです。

楽天ならではの文化が生み出した「楽天NATIONS」

黒川:先述したように、横の繋がりが希薄なEC業界でなぜ楽天では、「楽天NATIONS」のようなコミュニケーションを行う場が立ち上がり、多くの企業が参加してきたのでしょう。

私が思うに、これは楽天独自の慣習や文化が生み出したものです。他のECプラットフォームではこのような会は行われていませんが、「楽天NATIONS」には熱が高く、事業成長に意欲的な方が集まっています。「楽天大学」などもそうですが、店舗と「楽天市場」、特にECCの皆さんが培ってきた経験が元になっていると感じます。

私たちリーダー店舗としても、EC業界が盛り上がることは非常に喜ばしいです。今の店舗運営にお困りごとがある場合でも、単に同じ話ができる仲間が欲しいくらいの気持ちでも、「楽天NATIONS」では素敵な出会いがあると思います。


記者プロフィール

西村 勇哉

メディア運営事業部 編集チーム所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
たまにメルマガに登場しますが乃木坂46の話しかしません。
連絡先→nishimura@ecnomikata.co.jp

西村 勇哉 の執筆記事