D2Cブランドと求職者との出会いの場に。フラクタ企画の採用マッチングイベント振り返り

西村 勇哉

採用広報支援事業を展開する株式会社hypex(代表取締役:河合幸太)は、トータルブランディングパートナーの株式会社フラクタ(代表取締役:河野貴伸)と共催でD2Cブランドで働きたい人向けのオンラインマッチングイベントを開催した。

◼️登壇ブランド
現在数万と存在するブランドの中から、急成長中の13社が登壇。

・homeal株式会社(homeal)
・株式会社ハピラフ(NOSE PASS...etc)
・株式会社フジライト(MANUALgraph)
・株式会社パーク(LOGIC)
・株式会社Coogee(CILY..etc)
・DINETTE株式会社(PHOEBE BEAUTY UP)
・株式会社Waqoo(HADANATURE)
・haccoba, Inc.(haccoba)
・株式会社プラスプラン(Veroman Plus M)
・チラクシー合同会社(CHILLAXY)
・TONINE(SENN..etc)
・株式会社βace (Minimal Bean to Bar Chocolate -)
・株式会社レバレッジ(VALX)

D2Cブランドだけではなく、EC業界全体としても人材不足の問題は大きく、各社悩みが尽きないところだ。しかし、そもそもD2Cブランドと人材が出会う場もなく、話を聞ける場も少ない。そのような課題を打破し、D2Cで働くチャレンジのきっかけになって欲しいという想いの元、今回の企画が立ち上がった。

参加するD2Cブランド13社が、3分〜5分でブランドが目指していることやどのような人材の募集を行っているのか、熱いピッチが繰り広げられた。

Session1 ヘルスケア・幼児食・ソファブランド

1社目:株式会社ハピラフ(NOSE PASS…etc)

D2Cブランドの運営はもちろん、InstagramやYouTubeなどSNS運営、コンサルティング業など幅広く事業を展開している。D2Cブランドは開始3ヶ月で月商2500万円の売上突破、Instagramは累計110万人ものフォロワーを有している。

現在、Instagramは32アカウントを運用しており、D2Cブランドも2021年に8ブランド立ち上げる予定とのことだ。

働き方も、やりたいことをやりたい人たちとやりたいようにやる会社で、働く時間、場所の縛りはなく、携わりたいプロジェクトにのみ、手揚げすることができ、給与も成果次第と、自身の好きを突き詰められる会社となっている。

SNSやメディア事業で売り上げたキャッシュをD2Cブランドに投資していくとしている株式会社ハピラフ。ブランド10個、メディア33つを運営しつつも正社員は2名とのこと。自分らしく生きる。1歩踏み出す勇気を出したい人を募集中だ。

2社目:homeal株式会社(homeal)

幼児食のD2C。温めるだけの冷凍幼児食を展開しているD2Cブランドだ。離乳食の次に子供が食べる幼児食は、1歳から6歳ごろまで約7300食、脳の発達にも大きな影響があるにも関わらず、幼児食のサービスは少ない。時間がない親御さんでもすぐに用意ができるため、子供と親御さん、どちらにも優しい商品を開発している。

幼児食診断数は14,000人、会員継続率は80%、今後は資金調達も視野に入れており、幼児食のオウンドメディアやコンテンツマーケティング、月齢悩み別パーソナライズ・データCRMなどを強化し、事業の成長を図っていく。

3社目:MANUALgraph

静岡県裾野市に拠点を持つソファのD2Cブランド。FUN LIFE,FUN SOFAを理念に掲げ、受注生産で工場直販のソファ制作を行なっている。現在の代表は工房の3代目。創業当初から、業務用として社長室のソファや高級クラブのソファを開発してきた高い技術力やノウハウを活かして、一般消費者向けにブランド展開を7年前から行っている。

条件として静岡への移住がありハードルがあると代表ご自身は話していたが、地方で働きたいと考える方はこのご時世では増えてきており、地方で働きたい方へのニーズは高そうだ。

Session2 スキンケア・コスメ・コスメ

4社目:LOGIC

LOGICはハードワーカー向けのメンズスキンケアを取り扱うD2Cブランド。Makuakeでもメンズスキンケアの領域で過去最高の応援金額が集まった実績がある。世界観でユニークなところは、スキンケアとしてではなく、ワークツールとしてのスキンケア市場を開拓したいと考えていることだ。

目標としては、3年で売上5億程度、規模よりも熱狂的なファンに支えられるブランドにしていきたいという考えがあるという。その上で注力していきたいところがデジマ領域。デジマ全体の設計からSNS、LTV向上のためのCRMを強化できる部門責任者を募集中とのことだ。

5社目: Coogee

「アジアに溶け合う」を掲げている企業。アパレルブランドやコスメブランドを複数展開しており、自社ブランドの他にも、韓国ブランドやインフルエンサーと協業し日本国内展開のサポートなども行なっている。

韓国ブランドと仕事をする機会が多く、アジア市場において日本のプロダクトを根付かせたいと考えている人やブランドマネージャーを募集中だ。


6社目:PHOEBE BEAUTY UP

メディア事業とコスメ事業を展開しているD2C企業。顧客の意見を最大限に生かした情報発信や商品開発を行なっている。2021年1月にはPHOEBE BEAUTY UPの会員数が3万人を突破している。

直営店やアジア展開を見据えており、マーケティングや代表直下でのセクション、さらに自社ECだけではなく、楽天やYahoo!でも結果が出せる小売大好きという人材を幅広く募集中とのことだ。

Session3 スキンケア・ヨガウェア・酒

7社目:Waqoo

スキンケアブランド「HADANATURE 」を展開している今回のイベントの中では比較的老舗となる企業。顧客意見を取り入れた商品開発、loftなどの実店舗へ展開、タレントタイアップにも力を入れている。

さらには新規事業として、自社で培ってきたノウハウを活用したD2C支援プラットフォームへの挑戦を行なっている。社員一人当たりの売上高が1億円という少数精鋭の企業となっており、生産性の高さも伺える。

8社目:Veroman Plus M

レディースヨガ、フィットネスウェアを展開しているD2Cブランド。コロナの影響でヨガ市場は減少していると思われがちだが、事業としては成長中とのことだ。

体制は業務委託含め3名となっており、正社員だけではなく副業なども募集中。

9社目:haccoba

Craft SakeのD2Cブランド。日本酒の伝統的な技術をもとにしつつもハーブなどを製造途中に入れ込むなど、自由なお酒づくりを行っている福島に拠点を置いている企業。2021年2月末にお酒づくりをスタートしており、まさにD2Cのスタート時にジョインできる可能性がある。

世界観を伝えるメディアの立ち上げも予定しており、メディア企画や運営を行える方や酒造りをもっと身近に楽しみたいという想いがある方を募集中だ。

Session4 CBD・コスメ・チョコ・筋トレ

10社目:CHILLAXY

CBD(カンナビジオール)という麻由来のスーパーフードを展開しているD2Cブランド。近年、臨床研究が進んでおり、世界的に注目されている市場を開拓している企業だ。

日本国内では将来的に500億円の市場規模を見込んでいる。CHILLAXYでは第三者機関を通した安全性の担保を行ない、コーヒーや電子ベイブなど、さまざまな利用シーンに合わせた製品展開を行なっている。

これからは成長フェーズに突入するため、販売店確保の強化やEC運用の最適化、マーケティング全般の運営を行える人材を募集している。正社員だけではなく、業務委託やパート、インターンなど幅広く募集中だ。

11社目:TO NINE

SENNやiwaigamiというD2Cブランドの運営と、他社のアパレルブランドや時計ブランドなど幅広い支援事業を行っている企業。

同社で今注力しているSENNではWATER OIL BALANCERというプロダクトを先駆けとして提供しており、減らす美容というコンセプトの元、開発・展開を行っている。

取り組みの中ではオリジナル楽曲の作成、メディア展開、お香や東風の開発などニッチだが多角的なエッセンスビューティー領域を手掛けている。

目標としては店舗出店や世界市場への挑戦を掲げており、顧客・ブランド・自社(自分)と向き合う仕事をしたいと考える人を募集している。メンバーの得意領域がブランド構築に大きく関わるという思想のもと、ブランド運営を行っている。

12社目: Minimal Bean to Bar Chocolate

Minimal Bean to Bar Chocolateはチョコレートを提供しているD2Cブランド。世界中のカカオ農園に直接足を運び、選び仕入れ、自社工房で職人が全て手仕事で製造している、クラフトチョコレートであることが大きな特徴となっている。また西洋のお菓子でもあるチョコレートだが日本ならではの視点からの独自製法で開発を行っている。

世界No1のチョコレートブランドを目指しており、現在はLTVが高いブランド創りに力を入れるべく、人材を募集中だ。

メーカーでもあるため、サプライチェーンの構築を自社で行っているため、仕入れ貿易から開発などのバックオフィスから、EC運営やマーケティング、店舗運営、BtoB営業など非常に幅広い職種を募集中とのこと。

13社目:VALX

筋トレのD2Cブランド。筋トレに欠かせないプロテインやサプリメントを提供しており、「圧倒的に行うこと」を心がけている会社だ。商品の開発にもSNS上で流れてくるニッチな意見にも全力投球の開発を行うことで、ユーザー満足度を向上させている。

商品の解約率が10%以下となっており、顧客を熱狂的に感動させることに注力している。広告などの活用も少なく、広告比率も総売上に対して10%以下。ファンである顧客の熱狂的な口コミが多く、オーガニックに伸びてきている。

代表が高年収で有名なキーエンス出身ということもあり、社員の給与を上げていくことも重要だと考えていることも同社ならではの特徴だろう。

日本一のマッスルブランドから世界一のスポーツニュートリションブランドへ、を目標にし、幅広い職種を募集している。

Special session

--ピッチのラストには河野氏・川添氏によるセッションが行われた。

ピッチを振り返って

河野氏:今回のピッチ、どうでしたか?

川添氏:非常に贅沢な時間でした。採用のピッチではありましたが、各ブランドの本気度が伝わってきました。より多くの方に聞いていただきたい内容ですね。

河野氏:熱意はどのブランド様も高かったですね。やはりこのようなお話を聞ける機会も多くないのでとても貴重な時間になったと思います。

D2Cブランドの内製化需要について

河野氏:今回のイベントはclubhouseを楽屋部屋とし、ピッチ待ちのブランドさん、ピッチが終わったブランドさんとお話をしていました。

その中で、多くのD2Cブランドさんが自分たちでノウハウを蓄積するためにも業務を内製化したいという気持ちが強いように見受けられたのですが、何に気をつけるべきだと考えますか?

川添氏:内製化することによるメリット・デメリットは必ず生じます。

メリットは、自社でスピードや質をコントロールでき、かつ外部に依頼するよりコストが抑えられることです。一方、デメリットとしては、客観性を欠く可能性があります。その結果、どのようなポジションでも手詰まりを感じてしまうことがあると思います。例えば、デジタルマーケティングでは新しい情報のキャッチアップが重要ですが、ここが遅れてしまうとすぐに陳腐化してしまう恐れがあるのです。

そうならないためにも定期的に外部との情報収集や、外部の人に見てもらうなどし、客観的視点を持つことが大事だと感じます。

河野氏:D2Cブランドは同じ思想に共感して入社するケースも多く、そこに大きなメリットがある一方で、今までの自分たちには無かった「新しい何か」を見つけることは内部に目を向ければ向けるほど難しくなっていきます。

採用においても、同じ思想を見つつも新しさに目を向けることも重要なってきそうです。

川添氏:とある企業の代表の方もSEO動向の最新情報をキャッチアップしに行ったり、外部の方からインプットを行っています。またインプットしたことを実践するかどうかは自社で決めるべきだと思いますが、最初から自分たちはSEOを取り組まないと決めつけ、そこの情報をキャッチアップしに行かないということはやめるべきです。

河野氏:内製化するにあたり、あらゆる領域をディレクションする必要があります。そのためには幅広い知識が必要になるので、持っている情報が多いに越したことはないですよね。

採用こそマーケティング

河野氏:採用にもLTVが重要になってきていて、今すぐ採用ではなく、ずっと興味を持ってくれる人がいてくれることが大事だと感じます。

例えば、地方に戻って仕事をしたい人も増えました。企業として、帰省した人や地元に戻って働きたい方に「帰ってくるときは声をかけてね」という中長期的に入社を検討してもらうようなコミュニケーションはありだと思いますか?

川添氏:ありだと思います。私自身今は都内で仕事をしていますが、実家は唐津の老舗旅館です。過去には1度や2度、地元に帰るかもしれないとなった時はありました。しかし、当時は自分のビジネスの重要な要素になっている人とのネットワークが切れるのが恐くて無理でした。逆に言えば、地元でも新しいことをやっている人が多ければ、その懸念は払拭されたかもしれません。

「帰ってくる時は声かけてね」という意味合いでも企業の発信をするのは、採用に繋がる可能性だけでなく、地元に帰る人の心理的な安全性の提供につながるのかもしれません。

以前、人事制度のコンサルティングをやっている友人と話をしていて、「採用はマーケティング活動そのものだ」と聞きとても共感をしました。

社内のスタッフは、B2Cにおける顧客と同様な存在だと言うのです。どのような形で事前に知ってもらって入社してもらうか?は新規客にアプローチするフェーズ、採用後働いてもらっているうちはどのようなコミュニケーションシェアを行うかはCRMのフェーズ、さらには退職後の継続的なコミュニケーションは休眠客の掘り起こしフェーズに置き換えられます。まさにそうだなと共感しました。

日本ですと入社する方は歓迎しますが、退職者を少し蔑ろにしてしまうこともあります。

D2CブランドからD2Cブランドへ転職される方も増えており、それらを容認し、応援することで人材交流を増やすことも重要なのではないでしょうか。

河野氏:仰っていただいたように、人材やブランド同士の交流を行うことが、世界で戦っていくために改めて必要なことだと本日のピッチを聞いていても感じます。今回のピッチはより強化して、調整を行うことで業界発展に寄与していきたいと考えていますので、次回の企画の際にもご参加いただけると嬉しいです。

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記者プロフィール

西村 勇哉

メディア運営事業部 編集チーム所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
たまにメルマガに登場しますが乃木坂46の話しかしません。
連絡先→nishimura@ecnomikata.co.jp

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