カラーミーショップ大賞2019!次に注目すべきEC企業はどこだ

西村 勇哉

ECはすでに小売の中でも重要な戦略の一つとして認識されるようになり、ネットだから売れる・売りやすいという考えを持つ人はほとんどいないだろう。だからこそ、EC戦略には力を入れ、他社と差別化していく必要がある。

そのような各企業の努力を年に一度表彰するカラーミーショップ大賞が2019年も開催された。

カラーミーショップ大賞は、GMOペパボが2014年から毎年開催されているイベント。全国40,000店舗以上あるカラーミーショップの中から、その年のNo1を決める。過去には「北欧、暮らしの道具店」や「パンと日用品の店 わざわざ」なども受賞しているECの登竜門とも言えるイベントだ。

2019年からはサブスク賞が新設され、EC業界のトレンドも垣間見えるような今回のイベント。38ものショップが一堂に集まった。

大賞受賞は「書遊Online」

大賞受賞は「書遊Online」株式会社日本製墨書遊 Web・デザインチーム チームリーダー 井上 英敏氏

今回の映えある大賞に選ばれたのは「書遊Online」。創業100年を超える書道用品の専門店だ。全国に6つの実店舗も構えながら、ECの運営にも注力している。去年には優秀賞を受賞しており、今回が念願の初受賞となった。

前年の悔しさをバネにしている店舗は多いらしく、書遊Onlineも去年の経験を糧にしてネットショップの運営に取り組んだという。

以下、書遊Onlineを運営している井上 英敏氏のコメントだ。

「大賞ありがとうございます。まさか選ばれると思っていなかったので嬉しく思っています。

弊社は 100年程前より墨作りからはじまり、今は“書くを楽しむ”をテーマに書道用品を販売しています。ネットショップには4年前から力を入れており、昨年の優秀賞受賞をきっかけに、より一層力を入れて日々ネットショップを運営しています。

さらに昨年からは、書くことで楽しく笑顔になってもらうため、商品を生むだけではなく、書道のワークショップをはじめています。ワークショップを通じて日本国内から海外まで幅広い方に書道を楽しむ機会を提供しています。日本では、新たな書道分野の開拓含め、書を楽しんでいる方が増えています。今後は、インターネットを通じて日本だけでなく全世界に向けて書道の魅力を広めていきます。」

実店舗には60代が中心に足を運ぶようだが、オンラインは逆に30代の日本人が多いという。書道の業界自体は縮小してしまっているが、海外の人にワークショップで興味を持ってもらうことが多くなり、今後は海外進出も考えていきたいと語ってくれた。

カラーミーショップだからこそやるべき理由

カラーミーショップは、ネットショップを新たに開店する人と相性がいい。導入費用や月額費用が安価にも関わらず、デザイン性、UX含め、その他の機能の拡張性が豊富なため多くのEC事業者に支持され、導入店舗数を増やしている。ただECを始めたばかりでわからないこともまだ多いというEC事業者が比較的多い。

そのため、カラーミーショップではサポート体制や担当者同士のコミュニケーションを万全にしているのだという。EC事業者とカラーミーの社員の距離が近い事は一つの強みにもなっているとも社員が話してくれたように、実際に会場では、カラーミーショップ担当者と見られる社員とEC事業者が談笑している様子をあちこちで見かけた。友人のような信頼関係を築いている方々も多いのだという。

また、ネットショップ同士で横のつながりを求めるEC事業者も多いだろう。少人数で自社を運営し、周りにEC担当をやっている人となかなか交流する機会がない業界で同じくらいの規模感のネットショップが一堂に集まるカラーミーショップ大賞は、非常に有意義なイベントなのではないか。

実際に大賞に選ばれた書遊Onlineの井上氏も、様々なECサイトを見て自社の参考にしたと語っており、EC事業者同士横のつながりが重要であることを改めて実感する。

ECは始めやすいことが確かに一つの強みになっているが、その反面倒産する企業も多いという事実もあり、始めたばかりのEC企業をいかにフォローできるかはEC業界の課題だ。同じEC担当の仲間がいて、気軽にコミュニケーションを取れるのは多くのEC事業者に価値提供ができているのではないか。

EC店舗は今後も増え続けると思う。自身でブランドを立ち上げたいと考える人はSNSの流行に伴いとても多くなっているからだ。カラーミーショップにかかる期待も比例し増えていくだろう。GMOペパボには、これからのEC業界を支える立場として、導入企業が増えても温かい関係構築は忘れて欲しくないと感じることができたイベントだった。

全受賞店舗紹介

■優秀賞
「デザイン・PR・売上成長率」の3つの審査基準をバランスよく満たしている上位10店舗を選出
書遊 Online:書道用品
SOU・SOU netshop:ファッション雑貨
かわしま屋:調味料
びっくりカーテン:カーテン
革財布の山藤:財布
haluta:ヴィンテージ家具
doinel:生活雑貨
山本食品オンラインショップ:わさび
The Secret Bean:レディースファッション
職人醤油:醤油

■地域賞(20店舗)
国内7つのエリア(北海道・東北、関東(東京除く)、東京、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄)を代表する20店舗を選出

・山形県 TAKAHASHI BEEF FARM:牛肉
・東京都 Ramuda:傘
・東京都 卒塔婆屋さん:卒塔婆など
・神奈川県 KITAKAMAKURASEIMAIJYO:無農薬米など
・新潟県 DRESS HERSELF:シルク製品
・福井県 兵左衛門オンラインショップ:箸
・岐阜県 和 NAGOMI:包丁
・静岡県 浜名湖産直マーケット:浜名湖うなぎなど
・三重県 mogcook:お魚の離乳食
・三重県 花咲かりん:花咲かりん
・京都府 洛中髙岡屋:座布団
・大阪府 Leather Craft Phoenix:レザークラフト材料
・和歌山県 株式会社 北山正積商店:たわし
・香川県 tet.:手袋
・愛媛県 無茶々園:みかん加工品
・愛媛県 玄米おむすび 玄むす屋:玄米おむすび
・長崎県 たかしま農園:トマト
・長崎県 aiyu:波佐見焼
・鹿児島県 イロドリ:作家さんのうつわ
・沖縄県 壺屋焼窯元育陶園:壷屋焼

■特別賞(全5賞・各1店舗)
・ベスト店長賞 有限会社 猪飼弓具店:弓具
・ベスト商品賞 布おむつのお店 kucca:布おむつ
・ベストセレクト賞 MERCI CAMPA:キッズファッション
・ベストデザイン賞 石木花 オンラインストア:園芸
・サブスク賞 麗ビューティーオンラインショップ:サプリメントなど

■にっぽん文化奨励賞(2店舗)
会津 長門屋
小倉縞縞オンラインショップ

Amazon Pay 賞(1店舗)
育てるタオル®️ OnlineStore


記者プロフィール

西村 勇哉

メディア運営事業部 編集チーム所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
たまにメルマガに登場しますが乃木坂46の話しかしません。
連絡先→nishimura@ecnomikata.co.jp

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