ZOZO&ヤフーにどう対抗するのか。楽天が掲げる新構想「Rakuten Fashion」

西村 勇哉

ZOZOがヤフーに買収されるというニュースが記憶に新しい中、楽天もファッションジャンルの強化を図ると発表した。

新構想「Rakuten Fashion」

楽天はファッション業界のさらなる成長を見据え、ユーザーに対して付加価値の高いサービスを提供できるプラットフォーム構築を目指す新構想「Rakuten Fashion」を発表した。

この一環として、今年の8月には一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構と「TOKYO Fashiom Week」における冠スポンサーを締結している。(それ以前はAmazonがスポンサー)

「Rakuten Fashion」では、ファッション関連事業者は楽天グループの保有する需要予測、受注管理、決済などのシステムはもちろん、物流フルフィルメントサービス、海外販売支援サービスの利用が可能になる。これにより、事業者の商品企画・生産・販売までを格段に効率化できるようになるとしている。

今回の新構想における、最初の取り組みも合わせて発表された。第一弾として10月1日に「Rakuten BRAND AVENUE」のサイトをリニューアルし、サービス名称を「Rakuten Fashion」に変更する。

「Rakuten BRAND AVENUE」は楽天が運営するファッション通販サイト。

今年6月には出店ショップ数が1100を超えたとのリリースも発表している。もちろん楽天スーパーポイントの付与など消費者メリットも大きく、ここ最近かなりの注目を集めていた。ブランドからの信頼も順調に獲得しているとし、楽天に寄せられている様々なフィードバックをもとに、デザインの刷新、よりUXを高めた設計にするとしている。

楽天が誇るファッションマーケットプレイス

今回の取り組みについて、楽天の三木谷社長から楽天の国内ECシェア率とファッションにおけるマーケットシェアについても発表があった。

国内におけるECシェア率は26.8%、そして意外にも思えるかもしれないが、ファッションにおいてもZOZOTOWNの約1.5倍もの流通総額であることを発表した。

もちろん、ZOZOTOWNと楽天はコンセプトが全く異なるECモールのため、純粋な比較はできないが、楽天がファッションにおいても高いノウハウがあることは十分に示すことができるデータだ。そして、これまで蓄積してきた事業者と消費者の膨大なデータをトレンド分析・需要予測などに活用できるとしている。

ECの大きな課題となっている物流についても2019年中にRakuten EXPRESSは日本人口60%をカバーし、より安定的な配送ができるよう準備を進めているという。

さらに楽天の強みはECに留まらない。楽天Payによる決済、そして楽天経済圏を支えている楽天スーパーポイントはECだけではなく、実店舗への送客にも大きな効果を発揮することになる。

ECと実店舗における相互送客の支援ができることが楽天最大の強みになってくるのだ。

今後はブランドと二人三脚でファッション業界全体を応援し、将来的には海外ブランド、著名なインフルエンサーの招致を行い、日本のファッションをさらに世に広めていくとした。

EC×リアルの実現。楽天の最大の強みを活かした展開を

左:楽天株式会社 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史氏
右:一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構 理事長 三宅 正彦氏

「Rakuten Fashion」では、非常に好調でブランディングも進んできたであろう「Rakuten BRAND AVENUE」の名称まで変えるほどの取り組みを行う。楽天の懸ける想いが伝わってくるようだ。三木谷社長は現在の楽天におけるファッション流通総額は6000億弱とし、今後の目標としては1兆を目指すと話した。

今年の10月に行われる東京ファッション・ウィークに関してもその名称を新たに「Rakuten Fashion Week Tokyo」としてスタートを切る。

また先に触れたように楽天スーパーポイントや楽天ペイに関連したリアルの場への送客も大きな見所の一つになるだろう。多くの消費者はまだ服を触り、試着をして購入をする。ECにおいてサイズ問題がテクノロジーの発展において解決していっても実店舗が果たす役割は消えることはないだろう。逆に、ECには実店舗にはない利便性がある。一度購入したことのあるアイテムをECで購入する、荷物が多くなるから実店舗で見た商品をECで購入することは、最近の消費者行動を見ても珍しくはない。

つまり、ECと実店舗、両方に注力しいかに相乗効果を発揮できる仕組み作りをするかがとても重要なのだ。

先日のヤフーにおけるZOZOの子会社化と合わせて、大きな賑わいを見せるファッション業界。ヤフー・ZOZOだけでなく、楽天の動向にもしっかり注視していく必要があるだろう。


記者プロフィール

西村 勇哉

メディア運営事業部 編集チーム所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
たまにメルマガに登場しますが乃木坂46の話しかしません。
連絡先→nishimura@ecnomikata.co.jp

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