【楽天】Rakuten Fashion、有識者会を設立 ファッションECに革新をもたらす
楽天株式会社(以下、楽天)は10月15日、ファッション領域における新構想「Rakuten Fashion」の実現に向けて、有識者会を設立することを発表した。有識者会にはエグゼクティブ ファッション クリエイティブディレクターとしてGINZA元編集長の中島敏子氏、アドバイザーとしてNuméro TOKYO 編集長/ファッション・ディレクター田中 杏子氏、スタイリストの熊谷隆志氏が参加する。
「Rakuten Fashion」、東京ファッションを代表するサイトへ
「Rakuten Fashion」はファッション関連事業をデジタル面を中心にワンストップで支援するとともに、ファッション領域において付加価値の高いサービスをユーザーに提供するプラットフォーム構築を目指す新構想だ。
具体的位には楽天グループのアセットを活用し、需要予測、受注管理・決済などのシステムや、物流フルフィルメントサービス、会以外反則思念サービスなど、商品企画・生産から販売までを効率化するデジタルソリューションをファッション関連事業者がワンストップで利用できるようにする。
今回有識者会を設立し、ファッション領域におけるプロフェッショナルの知見やアドバイスを受け、サイトデザインやユーザーコミュニケーション等のさらなる強化に取り組む。
また、今後各アパレル企業との意見交換をより積極的に行い、様々な声を聞きながら、UI/UXの改善。サービス快活などを含めたプラットフォーム運営に反映していく仕組みの構築を進める。
楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は次のようにコメントしている。
「ファッション関係者の皆様に説明を差し上げていると、期待が高く、我々も大きな責任があると考えております。楽天グループの考え方としては我々はあくまでも場であり、展開をしていただきますブランドの皆様を中心としてサイトを展開していきたいと考えています。また、せっかく『Fashion Week TOKYO』のメインスポンサーとして『Rakuten Fashion Week TOKYO』を開催していますので、その名に恥じないように、サイトのUX/UIを含めて、洗練されていて、東京ファッションを代表するようなサイトにしていきたいと思っています。」
ファッションECは次の時代へ
また、三木谷氏による「Rakuten Fashion」の説明後には「Rakuten Fashion」のクリエイティブディレクションを務める中島敏子氏、ゲストとして株式会社マッシュホールディングス 代表取締役社長の近藤広幸氏、株式会社ジュン 代表取締役社長の佐々木進氏が登壇。それぞれが「Rakuten Fashion」に対する想いを語った。
まずは中島氏。中島氏はユニクロの登場によって日本国人のファッションレベルが一段階上がったと語り、次のように続ける。
「これから『Rakuten Fashion』ができることは、そのレイヤーをまたさらに上げることじゃないかと思っています。これだけ巨大なプラットフォームがあって、日本には今、素敵な洋服がたくさんある。それをきちんと大々的に伝えられることよにって、着られれば良いというだけではなく、明日を楽しくさせるためのファッションのプラットフォームが出来上がるんじゃないかと思っています。それを小さな希望として頑張っていこうと思います」。
そして、ZOZOTOWN一強となっている現状に警鐘を鳴らし、『Rakuten Fashion』がもう一つの大きな勢力となることで、ファッションEC業界がさらに良い環境になるのでは、とマッシュホールディングス代表の近藤氏は言う。
「楽天は『Fashion Week TOKYO』を冠に持っておりますので、そういうブランド想い、ブランドのファン想いのサイトができることを切に願っております。皆さんがご存知の企業はここ10年で少なくとも3倍、平均して5、6倍は成長している大きな産業だと思っています。こういうパワーが一丸となって一つ大きなECデパートができることを期待しております」(近藤氏)。
最後に佐々木氏は楽天のファッションの本気度を讃えると共に、ビジネス面から見た「Rakuten Fashion」についても語る。
「私共がここに座っていること自体もそれを象徴することかなと思います。三木谷社長の説明にあったと思うのですが、テナントと一緒に協議をして、サイトを構築していく。そういった姿勢は我々としてもすごく感銘できるところですし、一緒に『Rakuten Fashion』を盛り上げていこうという気持ちにさせていただいています。楽天様の圧倒的な顧客保有力と技術開発。そういったものと、有識者の方々のクリエイティブが掛け合わされば、本当にものすごいサイトになるんじゃないかなという期待をすごくしているわけでございます」(佐々木氏)。
ファッション業界に寄り添う「Rakuten Fashion」
オンライン、オフライン問わず、テナント側というのはプラットフォーム主導のもとで、運営をせざるを得ないことが常だ。しかし、「Rakuten Fashion」では業界人の意見を積極的取り入れることで、消費者だけでなく、テナント側にとっても良いプラットフォームであろうとする姿勢が見受けられる。
三木谷氏は「有識者やご協力いただいているブランドの皆様、デザイナーの方々のご意見を聞きながらやっていきたいと思います」と語るなど、その点を度々強調していることからも、非常に強いこだわりを感じる。
ECプラットフォームでありながら、リアルへの送客なども視野に入れているなど、新たなチャレンジを試みようとしている「Rakuten Fashion」が、ファッションとECをいかに盛り上げていくのか。まだまだ伸びしろのある業界だけに、「Rakuten Fashion」の取り組みに期待だ。