楽天「共通の送料込みライン」全店舗導入を延期 新型コロナの影響で
楽天株式会社(以下、楽天)は3月6日、「楽天市場」に関する記者説明会を開催。「共通の送料込みライン施策」の方針についての発表。3月18日からの全店舗導入は延期し、準備が整った店舗から実施となる。また、支援金を店舗へ提供する「安心サポートプログラム」の実施も発表された。
「共通の送料込みライン」は準備が整った店舗から順次導入
新型コロナウイルスの影響で現場スタッフの人員不足や商品の仕入れなどの問題を考慮し、当初に発表されていた3月18日の「共通の送料込みライン」全店舗導入については時期を延期し、準備が整った店舗より導入する形へ変更となった。
全店舗での導入時期については未定で、2020年5月頃に目処に「共通の送料込みライン」に関する方針を発表する予定だ。
「共通の送料込みライン」の適用については店舗側が選択できる。申請方法については、専用フォームによる事前申請の上、配送方法で「宅配便[特定送料]」等を設定が必要だ。
なお、3月18日段階で「共通の送料込みライン」した店舗については、実施されていることが、何らかの形でユーザーにわかるようにする予定であるという。
「安心サポートプログラム」を実施
また、「共通の送料込みライン」導入によって売上や利益についての心配の声が寄せられていたことから、「共通の送料込みライン」導入から一定期間、支援金を店舗へ提供する「安心サポートプログラム」を提供するという。具体的には、「共通の送料込みライン」対象の配送方法の注文における「利益額」および「送料差額」を対象として支援額が決定される。
基本的には全店舗が対象であるが、適用条件が別途発表される。期間については現在検討中だ。
その他、楽天スーパーロジスティクス、集荷・持込配送サービス、特別運賃プログラムなどによる物流支援施策を行なっていく。
公取委による緊急停止命令に対しては
公取委による緊急停止命令に対しては学識者の意見として、慶應義塾 石岡 克俊氏の意見書を紹介。「共通の送料込みライン」によって現実的に悪影響が発生していない段階での緊急停止命令は、むしろ事業者間の公正な競争秩序に重大な影響を与えるなどの意見を紹介した。
楽天としては「共通の送料込みライン」について法令上の問題はないとしており、申し入れの事実に関しては厳粛かつ真摯に受け止め、裁判所の対応に対しては誠実に対応していくという。
「本施策において、退店する場合は特別措置を実施したり、セーフティーネットを用意するなど、店舗様の売上や利益に対しての不安や懸念点を解消するとともに、店舗ユーザーの声を真摯に受け止めて施策の改善を行なっていきたい」と野原氏は述べた。また、今後の検討については専門家の意見を取り入れながら検討していくという。
なお、昨日発足した「楽天市場出店者 友の会」についても触れ、「あくまでも有志による任意団体です。しかし、前向きな意見をいただき、本当にありがたく思っている。より店舗様と我々が積極的にコミュニケーションできる関係性を築いていきたい」と語った。