Web行動を可視化して消費者ニーズを分析できる『story bank』がリリース

ECのミカタ編集部

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、検索キーワードやサイト閲覧、CVなど特定のWeb行動を条件にターゲットユーザーを設定し、消費者ニーズや購買意識の移り変わりを捉え、アクションに至るプロセス(story)を分析・可視化できるツール「story bank」(ストーリーバンク)を、SaaS型サービスとしてリリースした。

ビッグデータから消費者ニーズや意識の変化を捉える

サービス名の「story」は、消費者がサービスを検討・購入する背景にはそれぞれ異なるきっかけやストーリーがあることを意味し、「bank」は、そうしたストーリーが詰まっているデータベースを表しているという。

マーケティングにおいて瞬間的なニーズの高まりを捉えることの重要性が高まっている中で、ヴァリューズでは、大量の行動ログデータから消費者ニーズや購買意識の移り変わりを捉え、モーメントの分析ができるサービスの開発を進めてきた。

「story bank」では、ツール上で特定アクションを任意に設定し、前後のWeb行動を可視化することで、消費者ニーズの変化やトリガーとなった要因を分析することができるという。

「story bank」の機能

「story bank」の機能

「story bank」は、任意のURL接触、検索キーワード、流入ページのタイトルに含まれる文字列など、様々な条件を指定して、Web上のユーザーの特定アクションにおける前後の動きを可視化する。

検討過程でどのような検索・サイト閲覧を行なっているかを定量的に把握できるほか、設定したターゲットユーザーを1クリックで簡単にクラスタ分析し、検討過程でのニーズの束を発見することができるとしている。

【機能の一例】

◆サマリ

サマリ機能は、条件設定した特定アクションの前後の検索キーワードや、ターゲットユーザーの属性、特徴的な流入サイト・検索キーワードを一画面で確認できる。

※サマリの例:「花粉症」を検索した人の関連検索キーワードクラウドやユーザー属性を可視化・「花粉症」を検索した人の関連検索キーワードクラウドやユーザー属性を可視化

◆デモグラ

デモグラフィック分析は、条件設定した特定アクションの前後において、特徴的な検索キーワードや流入サイトを、性別×年代別に分析できる機能だ。

※デモグラの例:「花粉症」を検索した人を性別×年代別に関連検索キーワードクラウドで可視化・「花粉症」を検索した人を性別×年代別に関連検索キーワードクラウドで可視化

◆クラスタ

クラスタリングは顧客の分析でよく用いられる、データをカテゴリごとに分類する手法で、従来はアンケートを用いたクラスタリングが一般的だった。昨今では、新たな手法としてWeb行動ログデータを用いたクラスタリングに注目が集まっている。

Web上の行動をもとに機械的にクラスタ分類するため、今まで仮説として思いつかなかったようなクラスタが出現する可能性があり、新たなターゲットユーザー層の発見や、商品・サービス開発のためのユーザー理解につながっている。「story bank」では抽出したターゲットユーザーを、1クリックで任意のグループにクラスタリングすることが可能でクラスタ毎の検索キーワードや特徴的な利用サイトをわかりやすく可視化する。

※クラスタの例:「花粉症」を検索した人を自動的にクラスタリングし、特徴的な閲覧サイトをランキング化・「花粉症」を検索した人を自動的にクラスタリングし、特徴的な閲覧サイトをランキング化

活用シーンは多岐にわたる

同社では「story bank」の活用シーンとして次のように述べている。

「ヴァリューズでは、国内最大規模の行動ログモニター会員による消費者パネルを保有し、ネット上の行動データから、あらゆるサイトへのアクセス状況を分析できる市場調査ツール『eMark+』を提供してまいりました。現在、国内上場企業のみでも250社超の導入実績があり、日本経済新聞社、朝日新聞社、日経BP社等の各大手メディアや、経済産業省等の行政機関でも分析データをご利用いただいております。

『story bank』は、住宅や家電、車などのメーカー企業をはじめ、メディア事業会社、広告代理店、Web制作会社などBtoC・BtoB問わず、幅広い業界でご活用いただけるサービスです。具体的には、自社サイトの分析だけでは局所的にしか把握できなかったカスタマージャーニーの作成や、顧客とのタッチポイントの見直し、サイト改善、広告クリエイティブの企画などにご活用いただけます。テストマーケティング期間でご利用いただいた企業様には高い評価をいただき、社内でのマーケティング・ワークショップや勉強会、クライアントへの提案資料にご利用いただくなど、活用シーンは多岐にわたっています」

ニーズが多様化する昨今の市場において、各企業のマーケターは、消費者一人ひとりがどのようなストーリーでモノやコトを探し、検討し、購入・体験するのかを共感した上でマーケティングを考えていく必要に迫られている。そうしたマーケターが、消費者の検討背景や購入などのアクションを起こすきっかけを把握できる分析ツールが「story bank」であり、EC市場をはじめとしたさまざまな事業体のビジネスを加速させることになりそうだ。


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