サブスクリプションビジネスのメリットと注意点・成功の秘訣を紹介!

吉見 紳太朗

ビジネスを行う上で重要なのは、なるべく効率的に収入を得るということです。そのための方法の一つとして大きな注目を浴びているのがサブスクリプションビジネスですが、言葉は知っていても、具体的なメリットや行うにあたっての注意点について詳しく理解している人は少ないのではないでしょうか。そこで以下では、サブスクリプションビジネスのメリットと注意点を見たうえで、成功するための秘訣を説明します。

「サブスクリプション」の意味!定額制じゃないの?

サブスクリプションビジネスの、「サブスクリプション」という言葉の意味は、定期的に何かを購入するということです。購入するものは何でも構いませんので、商品だけでなくサービスなどもサブスクリプションビジネスの対象となります。所定の料金を支払うことによって、一か月間という決まった期間において、商品やサービスを自由に利用できる権利を得る仕組みと言い換えてもよいでしょう。なお、サブスクリプションと似た言葉に定額制がありますが、両者は必ずしも同じものではありません。定額制は、単に料金を払って物を提供するというシンプルな仕組みであるのに対し、サブスクリプションはより顧客との関係性の継続を重視しており、そのために料金プランを充実させたり、無料期間や休止制度などのユーザーフレンドリーな制度を設けたりして、顧客の取り込みを図る仕組みとなっているのです。

サブスクリプションの例

それでは、具体的なサブスクリプションの例を見てみましょう。サブスクリプションビジネスは多様化してきており、その業態は様々な分野に広がっています。

動画・音楽・書籍などのエンタメ

一つ目の例は、動画や音楽、書籍などのエンタメ関連のコンテンツを配信するサービスです。多くのユーザーを抱える著名なものとしてAmazonプライム・ビデオがあり、これは月額料金を支払うことによって、10,000本を超える本数の動画が見放題になるというものとなっています。また、音楽の分野ではSpotify、雑誌だとdマガジンといったサービスがサブスクリプションモデルを導入して成功を収めています。

これらのサービスによって配信されているコンテンツは、いずれもかつては1本につき決まった金額を支払っていたものばかりです。動画であれば映画館に行って見たり、DVDを購入またはレンタルして見るしかありませんでしたが、インターネットの普及によって家にいながら簡単にストリーミング放送を視聴できるようになったため、サブスクビジネスの対象にできるようになったというわけです。

飲食店

二つ目の例は、飲食店です。ネットショップのようなオンラインビジネスとは異なり、飲食店のようなオフラインビジネスの場合にはサブスクリプションモデルはイメージしにくいかもしれませんが、2,000円で1時間焼肉食べ放題のように、昔から飲食店においてもサブスク的な発想から生まれたサービスは存在していたのです。これがさらに発展を遂げ、飲食店の中には、月に5,980円を支払えば、対象となっている店舗で毎日1食のランチを食べられるというサービスを展開しているオールウェイズランチのようなところが出てきています。毎日欠かさず通えば、1食あたりわずか200円なので、ユーザーを取り込むには適したサービスであるといえるでしょう。また、同様に、月額3,000円程度で30ある系列の店舗でドリンクが飲み放題になるというサービスを実施しているアンドモワのような企業もあります。

美容系

三つ目の例は、美容系のショップです。例えば、美容室MEZONでは、提携する美容室に通い放題となるサブスクリプションサービスを提供しており、その料金は月額16,000円からとなっています。また、化粧品で有名な資生堂でもサブスクビジネスを始めています。その内容は、同社が提供する専用のアプリを利用して肌の数値を測定し、その結果を踏まえて自らの肌に合った美容液がマシンから自動的に提供されるというもので、月額1万円から利用可能です。美容室や美容液は、頻繁に利用していると高額の出費になるものですが、それらを定額で利用し放題になるため、ユーザーにとっては非常に魅力的に見えることでしょう。

子ども用品

四つ目の例は、子ども用品です。子ども用品もサブスクリプションとは無縁に思われるかもしれませんが、実際には複数のサービスが存在しています。例えば、「絵本クラブ」や「WorldLibrary Personal(ワールドライブラリー パーソナル)」は、毎月の利用料を支払うだけで、定期的に子ども向けにセレクトされた絵本が送られてくるというサービスを行っています。また、絵本ではなく、子どもの成長に合ったおもちゃが定期的に送られてくる「トイサブ!」のようなサービスもあります。親からすると、時間をかけて子どもに与える絵本やおもちゃを選ぶ手間が必要なくなるだけに、非常に使い勝手の良いサービスといえるのではないでしょうか。

サブスクリプションビジネスのメリット

次に、ここからはサブスクリプションビジネスを行うメリットを紹介することにします。

売り上げが安定する

一つの商品を売ったら終わりという売り切り型のビジネスの場合、商品の売れ行きによって毎月の収入が増減するため、事前に月の売り上げを予想するのが困難です。これに対し、サブスクリプションビジネスの場合には、よほどのことがない限りは、月初めのユーザー数が大きく減少しないため、ユーザー数に月額料金を乗じればその月の売上高をかなり正確に見通すことができます。このように収益予想を立てやすいというのがサブスクビジネスのメリットの一つで、実際にソフトウェアベンダーとして知られるAdobeはサブスクモデルを導入したところ収入が安定し、その後に年率20パーセントを超える大きな成長を遂げることになったのです。

顧客データを取得しやすい

さらに、サブスクビジネスでは継続的にサービスを提供するため、購買行動などの大量の顧客データが蓄積されます。これらを用いて現状分析を行って販売戦略を見直すようにすれば、マーケティング活動をより効果的に行えるようになるのです。また、データを分析すれば顧客ニーズが見えてくるため、商品開発などにも役立てられます。このように、ビジネスに有用な顧客データを収集しやすいというのがサブスクビジネスのもう一つのメリットです。

顧客のサービス利用ハードルが下げられる

さらに、サブスクビジネスには、顧客がサービスを利用する際のハードルを下げられるというメリットもあります。すなわち、一つの商品に何万円も支払うよりも、月額1,000円程度で使えるサービスの方が予算に限りのある顧客にとっては利用しやすいように見えるというわけです。一方、企業の側としても、手ごろな料金で商品やサービスを利用してもらい、その良さを知ってもらうことには大きなメリットがあります。一見すると採算度外視で商品やサービスを安売りしているようにも見えますが、実は継続的に利用してもらえれば中長期で見た場合の売上金額が大きくなる可能性があるのです。顧客に気に入ってもらえれば、そうそう解約されないため、固定客を増やせるというのも企業にとっては魅力的でしょう。

サブスクリプションビジネスのデメリット・注意点

サブスクリプションビジネスには、メリットだけでなくデメリットもあるため、導入にあたってはいくつか注意すべきポイントがあります。まず、サブスクビジネスは月額が低めに抑えられているため、ある程度ユーザー数が増えるまでは売り上げが大きくなりません。ある程度の期間をかけてユーザー数を増やしていくことで徐々に元が取れるようになっていくビジネスモデルですので、あらかじめ損益分岐点を試算したうえで、そこまで会社のリソースが持つというのを確認したうえで導入する必要があります。また、苦労して獲得したユーザーに飽きられないように、常にサービスを魅力的なものにする努力が必要となります。同じ商品やサービスを提供し続けていれば儲けられるというほど易しいビジネスではないという点を理解しておくようにしましょう。

サブスクリプションで成功する秘訣

サブスクビジネスで成功するためには、何といってもユーザーの契約率を高水準に維持することが不可欠です。そのためには、顧客と長期にわたる良好な関係を構築しなければなりません。解約率が高まれば、その分、新たなユーザーの獲得が必要となり、売り切り型のビジネスモデルと何ら変わらなくなってしまう恐れがあります。そうならないためには、カスタマーサービスを設けるなどして、常にユーザーの生の声を聞いて、不満が蓄積されないようにサービスのクオリティを改善し続けるとよいでしょう。また、蓄積された顧客データを分析して、顧客ニーズに合うようにサービスを改良したり、新たな施策を行うというのも効果的です。

サブスクリプションで売上安定と顧客のファン化を実現しよう

以上で見てきたように、サブスクリプションビジネスには様々なメリットがあるものの、それらのメリットを最大限享受するためには、PDCAサイクルを回すなどして、顧客のニーズに合うように絶えずサービスの改善に努める必要があります。そうすることで、売り上げを安定させ、顧客と長期にわたる関係を構築できるのです。顧客を自社のファンにするためにも、ぜひサブスクビジネスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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記者プロフィール

吉見 紳太朗

メディア編集部 マーケチーム
17卒 入社後3部署を経験して今の部署に。
サッカーとお酒があれば生きていけると自負してます。
ここ最近、関西出身なのに関西弁でてないと言われたことが悩み中...

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