ヤフーは4日、Yahoo!ショッピングとPayPayモールで、商品配送に関する一定の基準を満たした「優良配送」の拡大を目指したキャッシュバックキャンペーンを2月12日〜3月31日、実施すると発表した。ECの流通量が上がる春を前に、優良配送の取り組みを普及させたい考えだ。

優良配送の該当商品を検索上位に

Yahoo!ショッピングでの確認方法（Yahoo!ショッピングウェブページより）

「優良配送」商品の条件は次の通り。
１、消費者への最短の「お届け希望日」が「注文日＋2日以内」の商品
２、出荷遅延率が一定水準未満
※条件は今後変更になる可能性がある。

Yahoo!ショッピングとPayPayモール上で昨年12月に始まった取り組みで、該当商品にストア側が設定することができる。現在6500以上のストアが設定しているという。

該当商品はこれまで、商品ページに専用のアイコンを表示できた。これを12日から、消費者が商品を検索した際の検索結果ページにも表示できるようにするほか、検索上位になるように優遇するという。

1注文最大100円キャッシュバックキャンペーンを実施

このほか、優良配送の条件を満たす配送方法で配送が完了した注文、1注文につき50円をキャッシュバックする。
さらに、ヤマト運輸で配送された商品、1注文につき50円をキャッシュバックするという。

優良配送をめぐっては、出店者は消費者の注文が入ってから配送作業までを迅速に行う必要があるため、出店者から「体制の整備が必要だ」という声があがっていた。担当者は「キャッシュバックキャンペーンを利用して体制を整えていただけたら」と話している。

出店者向けヤマト運輸との協業

ヤフーとヤマト運輸との協業をめぐっては昨年新サービスを相次いで開始された。

物流業務の一部を代行するサービス「ピック&デリバリー」を8月、物流業務を全て代行する在庫型物流サービス「フルフィルメント」を12月から実施。ヤマト運輸のEC特化型サービス「EAZY」も、消費者の受け取り方の多様化に対応して置き配サービスを始めた。

毎週水曜には、ヤフーとヤマト運輸が共同でセミナーを開催。出店者に、ヤマト運輸の利用を呼びかけている。

「商品の発送が早い」が選ばれる傾向

ECのミカタが昨年実施した「EC通販における消費者動向調査」によると、「お気に入りのネットショップの特徴」として、「商品の発送が早い」と答えた人は35・６％に上った。消費者は商品の発送の早さで購入の有無を選んでいることがわかる。

ヤフーの営業担当者は「ストア間の競争を活性化して、お客さんにとっていい商品を出したい」と話している。
消費者への「素早い配送」が優良配送の条件になっていることについて、担当者は「早い配送だけが、『勝ち』という状況にしないでほしい、というストアの声もある。参考にしながら必要があれば見直したい」としている。