リアル店舗とEC在庫を統合管理 東計電算がアパレル特化『CLOWS』の提供開始へ

ECのミカタ編集部

株式会社東計電算(本社:神奈川県川崎市中原区、代表取締役社長:古閑祐二) は、店舗・卸向けとEC向けの商品在庫を統合管理できる、アパレル業界に特化した倉庫管理システム「CLOWS」の提供を開始することを公表した。

6月1日より提供を開始

株式会社東計電算は、店舗・卸向けとEC向けの商品在庫を統合管理できる、アパレル業界に特化した倉庫管理システム「CLOWS」を6月1日より提供を開始する。CLOWSは、若年層向けの古着・アパレルショップ「WEGO」を全国展開する株式会社ウィゴー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:園田恭輔)と共同で開発した東計電算のWMSパッケージ(倉庫管理システム)で、2021年4月より ウィゴーの全国の物流センター4拠点に先行導入されている。

そこでは、同一センター内で店舗・卸向けとEC 向けの商品在庫を管理が行われている。自社ブランド商品の入荷と 自社店舗への出荷、大手ECモールへの出荷、ECでの個人宅への出荷に加え、当日の入出荷業務、店舗等からの返品受入業務も含めてCLOWSで管理。ウィゴーの物流責任者は「アパレルの物流現場に特化した CLOWS の導入による現場作業の効率化で、年間3,500万円程度のコストカットが見込める」との評価を得ているそうだ。

CLOWSの特徴

CLOWSの特徴

◆在庫の偏りによる欠品や過剰在庫、返品リスクを低減

店舗・卸向けとEC 向けの在庫を一元管理する際に、「保管場所(ロケーション) 」と「在庫ステータス」の2つの要素で在庫出荷時の優先順位を設定することができる。

[1]保管場所(ロケーション)

店舗・卸向けと EC 向けでは出荷形態や発注ロット数、ピッキング方法が異なる。このため、それぞれに適した状態で在庫を管理し、条件に応じて優先的にピッキングを行う設定によって出荷業務の無駄を省く。また、一方で在庫不足が発生した場合に他方の在庫を振り分ける指示を設定することで、欠品による販売機会の損失を低減。国内に複数の物流センターがある場合、出荷先に応じて倉庫を振り分けることで、配送費を抑えることができる。

[2]在庫ステータス

ECでは商品単品の個包装という出荷形態と、店舗での購入と比較して高い返品率がある。そこで、一般的にアパレル業界ではA品(良品)とB品(不良品) の2区分で在庫を管理するところ、CLOWSでは独自に「S品」という区分を設けてEC向けの在庫を管理できる。S品は入荷後に個包装された状態のままで商品を管理し、EC向けに優先的に出荷することで返品リスクを最小限に抑えられる。また、店舗からの返品分のうち個包装未開封をS品、個包装開封済みの良品をA品と区分することで、EC向けと店舗・卸向けの商品を再振り分けしてシステム上で管理し、販売機会の損失を防ぐ。

◆店舗・卸向けの作業を軽減

季節ごとに商品の入れ替えサイクルが早いアパレル物流に対処するため、当日入出荷の商品の管理機能を標準で実装。入荷後、倉庫で保管せずに当日中に出荷することでピッキング作業を削減し、商品の滞留を抑制することができる。CLOWSから発行する管理IDバーコードにより、入荷時の荷姿のままケース単位で在庫を管理できるため、作業負荷を軽減し、作業と保管効率の向上を実現する。

◆豊富なオプション機能、カスタマイズにも柔軟に対応

オプションでCLOWSと連動した倉庫内の入出荷、在庫管理、返品管理、棚卸作業等を行うためのウェアラブルハンディとの連携ができる。Androidスマートフォンとリングスキャナを用意することで、両手ハンズフリーで作業を行えるため、作業効率向上につながる。

自走ロボットとの連携も進める

自走ロボットとの連携も進める

公表に際して同社では次のように述べている。

「近年、ライフスタイルの変化や消費者ニーズの多様化に伴い、アパレル業界のEC拡大とオムニチャネル化が進んできました。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりECの利用が急増したことで、EC販路の確立が急務となっています。しかし、EC(BtoC)は少数の商品を個人消費者に直接発送するため、 出荷形態や発注ロット数、ピッキング方法、商品状態の判断基準といった在庫管理や倉庫内オペレーションが店舗・卸向け(BtoB)とは異なります。

このため、やむを得ずECの在庫を分断して管理している事業者も多く、販売機会の損失や過剰在庫発生のリスク、それぞれの在庫を異なるWMSで管理することによるコストの増大などが導入の課題となっています。CLOWSは、店舗・卸向けとEC向けの商品在庫をそれぞれに適した条件や作業順にカスタマイズし、システム上で統合管理できるWMSです。商品の保管場所や状態に応じて在庫を管理し、任意の優先順位で店舗・卸向けとEC向けに出荷を振り分けることができるので、欠品や返品による販売機会の損失を低減できます。

また、出荷オーダーごとのアイテム数や出荷先数に応じてピッキングと仕分けの方法を選択できるので、効率的な出荷作業を可能にします。当日入出荷や返品在庫の管理のほか、オプションにて倉庫内ピッキング業務のウェアラブル端末でのオペレーションの実装など、アパレル物流特有の作業に対処する機能を豊富に備え、パッケージから必要な機能を組み合わせてご利用いただけます」

さらに同社は、倉庫の働き手不足や24時間稼働体制のニーズにも応えるべく、ピッキング業務の自動化に向けた自走ロボットとの連携を進め、2021年8月にオプション機能としてサービス提供開始を予定するとしており、今後の展開にも注目と言えそうだ。

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